月明かりの庭で。
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/12/24 12:14:16
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月明かりの庭で。
月明りで、庭を楽しむというのは
なんて洒落た、演出なのだろう。
この明るさに、慣れ過ぎている、現代の生活には
想いもよりませんが・・・
まだ街灯などの、光源が何もない頃には
ただ月明かりがだけが 夜陰を照らして
今よりは、ずっとシルエットを鮮明にしていた
と、想像されます。
”たそがれ” という言葉がありますが、
昔、陽が沈み 暗がりで見にくくなった時に
すれ違う人に対して
「たれそ ある?」 (どなたですか?)
と、声を掛けたのが語源であると聞きました。
そうした照明のない時代・・・
たそがれを過ぎると、いっきに暗闇が領するのです。
けれども、暗闇が領した夜にも、月が昇るにつれ
空に月明りが煌々とすると
夜がさらに更けていくにも関わらず
僅かながらも、陰翳の区別が生まれます・・・
わたしは、雪国で生まれましたから
よく分かるのですが、
雪の降り積もった雪原に、月明りが照ると
思いのほか、明るい夜となるのです・・・
京都などの、多くの石庭の場合
白い色の小石を敷き詰めていることが多いようです。
こうした石庭が、月明かりに煌々として照らされると
白い小石が陰翳を助成して、さながら海原ように
波が打ち寄せるように見えるのです。
雪国の方は、ホワイトクリスマスでしょうか?
どうぞ素敵なクリスマスでありますように。o(*^▽^*)o
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