プーラン・デヴィ
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/12/14 15:23:26
「女盗賊プーラン 上・下巻」
興味本位で読み始めたけれど、そんな生易しい本ではなかった。
生まれ落ちたところがインドの山奥、
低層カーストの女性だったというだけで、こんなに酷い扱いを受けるなんて。
1958年ころ生まれ、2001年7月25日暗殺される。
そして、彼女の身に起きたことは現インド農村地域では変わっていない。
日本の士農工商・・の階層社会制度。
「橋のない川」を見たときの衝撃を思い出させた。
理不尽な人権侵害に対して戦うことのむずかしさ。
今も形を変えて日々おこっているのではないだろうか。
いじめ、パワハラ・セクハラ行為、児童・身障者・老人虐待、
ハンセン病・水俣病、原発事故への無知と偏見。
構図は、どれも同じ。
人類ってなんで地球にいるんだろう。
人間は狭い檻にいるんだ!
目には見えないけれど、神様が柵を作っているんですね。
猿山しかり、狼しかり、蟻や蜂しかり。
自然界では上下関係のない動物も、捕まえて檻にいれて集団生活をさせると同じ事が起こります。
ニワトリや兎は狭い場所に閉じ込められるストレスからか、より弱い個体を標的にします。
食べるわけではないのに、です。
昔飼っていたコオロギは、餌と水を十分に与えていたにもかかわらず、共食いをしていました。
それを見た瞬間、すぐに外に逃がしました。以降、虫を捕まえることはなくなりました。