炊き込みご飯
- カテゴリ:自作小説
- 2019/10/08 22:20:41
秋子は、洗濯ものを畳みながら、どうして天気の悪い日が続くのかしら、洗濯物が増えて仕方がないと、ぶつぶつとこぼしていた。
長男の夏男が、高校の野球部に入っていて、毎日、ユニフォームやストッキングの洗濯をしなければいけない。グランドが湿っていると、洗濯物は泥だらけになっていて、他のものと一緒に洗うことができなかった。
・・・レギュラーだったら、洗濯のしがいもあるけど、いつまでたっても補欠。応援に行っても試合に出ないから、他のお母さんが気をつかってくれて大変。
スマホをいじっていた長女の春美に、洗濯物しまってと言うと、春美は、嫌~な顔をして、しぶしぶ自分の洗濯物を部屋に持っていった。
・・・中学生だから、スマホは早いと言ったのに、皆持っているからと、ダダを捏ねた。期末テストで成績があがったらねと言ったら、パパにねだって買ってもらった。本当に、勉強が嫌いだわ。私にそっくり。
秋子は、ソファーで本を読んでいる夫の冬彦に「パートに行ってくるから、夕飯、適当にすませてね。」と声をかけた。土日の夕方は、近くのスーパーにパートに出ていた。
・・・旦那は、知的でハンサムだけど、いつも本を読んでいてつまらない。「大英帝国の歴史」のどこか面白いのかしら。チコちゃんを一緒に見ながら、「カスタネットってどうして赤と青か知っている。職人さんがさぼったからよ。」、「うっそ~信号機の色を真似したのかと思ってたわ~」とたわいのない会話をしてくれる気軽な旦那が良かった。
4時間のパートが終わると疲れた。土日の夕方は、主婦のパートが少なくて、若いバイトさんばっかり。増税対応のレジの使い方大丈夫ですかと、気をつかわれてしまう。全然、大丈夫じゃないわよ。
ただいま~とキッチンに入ると、三人が椅子に座っていた。
「お母さん、このケーキ俺が買ったんだよ。」
テーブルに大きな蝋燭が4本と数本の小さな蝋燭、それと、Happy Birthday」と書かれたホワイトチョコのプレートがのったデコレーションケーキが置かれていた。
「ママの誕生日だから、半分はママのよ。」
「栗が食べたいって言っていたから、炊き込みご飯とママの好きなから揚げを作ったのよ。」
春美が、栗の炊き込みご飯をよそってくれた。
「栗が少ないわ。もう少しいれて。」
「お母さん、子供も留守番できるだろうから、年末年始は、二人でイギリスに旅行にいこうか。パパからの誕生日プレゼント。」
子供たちが、一緒にいきたい、ずるいと言っている。
「イギリスなんて嫌よ。美味しいものがないじゃない。台湾かタイがいいわ。屋台で美味しいもの食べたいの。」
うちの家族に、キャビアやトリュフはいない。大根や牛蒡みたいに、主役になれない、どこにでもある食材だけど、一緒になると炊き込みご飯のように、とっても美味しくなる。嬉しくて、少しだけ涙がこぼれた。
安易な名前の付け方に、よく気付きました。難しい名前をつけちゃうと、忘れて、途中で間違ってしまうのです。いつも、思い付きで書いているんです。
オレンジ先生
家族もいいけど、たくさんの子供たちに囲まれているのもいいんじゃないでしょうか。せんせ~と慕ってくれる仕事についている人は、そんなにいません。
みぃちゃん
イギリスに行ったことがあるんですね。落ち着いた芸術的な人はイギリスに行くような気がしますが、僕は、美味しいスペインやイタリアがいいです。
ひろあきさん
冬彦さんも、秋子さんのパートあっての贅沢旅行でしょう。秋子さんは、私が稼いだのよ、あなたの趣味のためじゃないわと、台湾を提案したのではないでしょうか。
スズランさん
ハリポタに出てきそうな街が、あちこちに残っているのでしょうか。スズランさんはどこに行ったのかな。イギリスなら、ハドリアヌスの長城を見てみたいです。
リンゴさん
家族の中心はお母さんですね。洗濯に料理とお母さんが一番頑張っています。子供はそんな姿を見ています。うるさいのもお母さんです。
ゆりかちゃん
空堀や天守閣はいつでも行けます。彼や旦那さんと一緒に行くなら、ハワイ、ヨーロッパ、もしくは、香川で讃岐うどんです。丸亀城と讃岐うどんに骨付きという組み合わせがベストコースではないでしょうか。
環謝さん
贅沢は必要ないと思います。美味しいものと賑やかさがあれば十分でしょう。環謝さんも、ディズニーランドのお土産話で盛り上がっているところでしょう。
れんげさん
それが、秋子さんは直ぐに忘れてしまうのです。秋子さんじゃなくても、大事なものも、当たり前になってしまうと、大切さを忘れてしまいます。難しいですね。
たまちゃん
見つけたら、直ぐに買いましょうと忠告したにも関わらず、スルーしましたね。大事なのは、衝動買いです。買ってから反省しましょう。
mさん
今週は、栗のおこわに挑戦しようと思っています。赤飯も食べたいので、栗入り赤飯かな。生協に栗を売っていたかな。おこわは、甘くない和栗があいますね。
いいですね、こういう家庭。小さな幸せが一番いいですよね♥
昨日見かけた栗のデニッシュが頭から離れないので
今日行ってみたんですが、売り切れてました。夢に出そうです。
当たり前の毎日が、
どれほどかけがえのないものか、、
秋子さんが、気付けて良かった。
年を重ねるほどに、家族との時間を
ほんと 宝物のように思い出します。
旦那さんはイギリスが好きなんですねぇ@@
でも、みんなおかあさんが好きなののですね~贅沢なものはなくても
楽しいひとときですね♪
大英帝国の歴史を愛読する、知的でハンサムな旦那様うらやましいv
しかも、誕生日ケーキにイギリス旅行って!秋子さん、愛されてますね~^^
でも、私もきっと「イギリスなんて嫌よ。天守閣や空堀がないじゃない」と言ってしまいそうな~。
あ、いえいえ旦那様の真心が嬉しいですね♪
炊き込みご飯のような家族に心が温まりました。
いつも素敵な小説をありがとうです(*^^*)
普段当たり前のように料理に家事に勤しんでいる母親が、
こんな風に家族におもてなしされたら涙こぼれますね~
家族って感じしました。
イギリスは確かに美味しくないけど、街は素敵ですよ~!
このギャップの差に笑いました。
ほっこりしました。
「炊き込みご飯」で表現するのは
沖人さんらしいと思うのはおこがましいでしょうか。
でもイギリス旅行をポンと言い出すところは
中流の上の家庭ですよね。
草津やせめて北海道くらいだと
親近感が湧くのですがw
イギリス確かに行ったことありますが、味が単調だなあと思いました。(((uдu*)ゥンゥン
思っていますね。
家族っていいですね^^
家族のお名前に安易さを感じつつも
読んでいて 安心、ほっこり出来るお話でした
今回も ありがとうございました^^