Nicotto Town


ピーターパンとさようなら*


かみさま、あなたへ

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わたしがもし
かみさまだったら、きっとこんなことで悩まないのに
ちっぽけな自分を自覚して、泣く夜なんか来ないのに

あのね、わたし、
ずっとずっと、卵になりたいんだ
たまご一個分の重さくらい、身軽で居たい
ぐちゃってつぶれたっていいよ
来世があかるいんだ、わたし。

ねぇねぇ、
にんげんって、なんでこんなに重いんだろうね
そらもとべないじゃん、不都合だよ

あいたいなぁ、って、けっこうずっと思ってる
雲の向こう側まで行けば、笑顔があるんだと思う。でも、実現したらきっと、存在が実体になって重くなるって決まってんだ。とうめいでキラキラしてるって、じんわり抱いてきた幻想が崩れる気がして、赤い風船を飛ばすことを躊躇する

たぶん、きっと、楽しいんだろうなぁ
でも、このまま幻想の存在だとしても、あなたはわたしの、特別であり続けるんだろうから。


ね。きっといつか、ふたりのどちらかがかみさまになれたら、その時やっと、「初めまして」が言えるんだろうね
それまでにはたぶん、ちっぽけな自分は泣き止んでいるはずだから、木漏れ日の下でふたりでお茶でもどうですか

なんて




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