Nicotto Town



『線路は続くよ』

# カヘル達の詩



汽車が駅に着く

少し暖かい風の吹くホーム

脇に植えられた桜は、すっかり葉桜だ

見上げる空は、夕焼け色

街をオレンジ色に染めながら、少しずつ青に近づく


「♪カヘルが鳴くからか~へろ」

ホームに歌が響き渡る

あたりを見渡すと、どうやらホームに設置されたスピーカーから流れているようだ

スピーカーの下にはポスターが貼られている


『初夏祭り開催のお知らせ

 今年の初夏祭りには、アレがやってくる!?』


「『アレ』って何かしら」

車内販売員に声をかける

「たぶん、彼らのことだと思いますよ」

販売員の指さす先には、おびただしい数のカヘル達

精霊の後に続いて、改札へと向かっている

いつかの街で乗ってきたカヘル達だ

「この街で暮らすことになったようですよ」

販売員が言う

「そうなんだ・・・でも」


大丈夫なのだろうか

公園を追放されたカヘル達

遠い遠い国の生まれだという理由で・・・


「どうでしょうね。でも、世界は変わっていくものですから」

「そうね。きっと、そうだと良いね」


汽車は走り続ける

街に響く、カヘル達の歌の中

次はどんな景色に出会えるのだろう


つづく


(#^.^#)






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2019/04/27 22:51
「つづく」なんですね。



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