『線路は続くよ』
- カテゴリ:30代以上
- 2019/04/25 06:18:47
# カヘル達の詩
汽車が駅に着く
少し暖かい風の吹くホーム
脇に植えられた桜は、すっかり葉桜だ
見上げる空は、夕焼け色
街をオレンジ色に染めながら、少しずつ青に近づく
「♪カヘルが鳴くからか~へろ」
ホームに歌が響き渡る
あたりを見渡すと、どうやらホームに設置されたスピーカーから流れているようだ
スピーカーの下にはポスターが貼られている
『初夏祭り開催のお知らせ
今年の初夏祭りには、アレがやってくる!?』
「『アレ』って何かしら」
車内販売員に声をかける
「たぶん、彼らのことだと思いますよ」
販売員の指さす先には、おびただしい数のカヘル達
精霊の後に続いて、改札へと向かっている
いつかの街で乗ってきたカヘル達だ
「この街で暮らすことになったようですよ」
販売員が言う
「そうなんだ・・・でも」
大丈夫なのだろうか
公園を追放されたカヘル達
遠い遠い国の生まれだという理由で・・・
「どうでしょうね。でも、世界は変わっていくものですから」
「そうね。きっと、そうだと良いね」
汽車は走り続ける
街に響く、カヘル達の歌の中
次はどんな景色に出会えるのだろう
つづく
(#^.^#)

-
- レガオ
- 2019/04/27 22:51
- 「つづく」なんですね。
-
- 違反申告