Nicotto Town


銀色羽毛のblog


何故にそうと決め付けた

毒吐きますので、精神状態の悪い方・そこまででなくても影響を受け易い方は閲覧注意ですよ~。
いえ、わたしの精神状態が、今、脆弱で。防衛本能からか攻撃的で。
ですから、精神が強健でない方、現在そういう状態で無い方は、ここで回れ右です。


相変わらず、日本という国では働いていない者の立場は豆腐のように脆くって。
たまたま見てしまった殺人事件を報じるページに付いているコメントが酷かった。
中年男性、ただし無職、が老両親を殺してしまったという事件。
トップコメントが、
「働けるのに働かない」云々。
このコメントを寄せたあなた、何様ですか?
この事件を起こした犯人の何を知っているのですか?
この日本という国が、社会が引くレールから一旦落っこちた人間に対してどんなに冷淡か、知っていますか?

わたしはこの事件に関して何も知らない。
ただし、自分の身に降りかかったことなら、よく知ってます。
そんな自分のような者に対して世間様はなんと言う(書く)のかも、厭というほど読んできました。
18年間もです。

あのね、はっきり言いますけど。
一旦病気になってしまうと、
この国では、寛解に持っていっても、働かせてくれないの。
履歴書に「通院中」と一言書いただけで、わたしの再就職活動、全滅。
まあ、解るのですよ。雇う側だってリスクは負いたくない。
せっかく雇ったのに、再発されて
仕事に穴を空けられたり、また別の人雇わなくてはならなくなるようでしたら、かないません。
初めからそんな恐れのある人、雇いませんわな。
こちらはお医者様に、そろそろ大丈夫と言われて動いていたというのに。

結局、こんなわたしを使ってくれる処は、福祉関係の事業所です。
離職して18年でようやく巡り合いました。
しかも、わたしはあくまで「利用者」。
作業をしてお手当てを貰っていますが、厳密には「働いて」いる訳ではないの。
もし、今のわたしが何か事件を犯したなら、無職と書かれることでしょうね。


未だに思い出しても腹が立つ、のを通り越して、哀れみを覚えるのは、
再就職活動で面接に行ったと或る会社(業種は伏せておきます)の社長さん。
何で通院しているのかと訊かれ、「鬱病です。」と正直に答えました
(その頃掛かっていたお医者様は内科と神経科を掲げている処でして、
 鬱病と双極性障害(いわゆる躁鬱病)の弁別の出来ないお医者様でした)。
社長さん、きっぱりと言い放ちました。
「鬱病なんて、『気のせい』ですよ」
ほほう、「気のせい」ですか。
では、わたしが毎日呑んでいるお薬、効き目が現れるようになるまで
(およそ3週間は呑み続けないといけません)呑んでみます?
坑鬱薬って、かなり精神をアゲるの。
それでようやく、鬱病患者(当時)のわたしたちは普通に動けるようになるの。
きっと精神科の病気とは無縁(だからそんな言葉が吐けるのだと思います)な、
健常者の社長さんが坑鬱薬のせいで躁状態(俗語ではなく、精神科の用語としての)になってしまったら、
判断ミスの連発暴発で会社はあっさり暗礁に乗り上げると思いますよ~。

でも、この世の中、多分、この社長さんのような考えの人々の方が多数派……。


元の話に戻りたくはないですが、戻りますと、
この事件を犯した方が、何故無職だったのかは、報道では今のところ判りません。
亡くなられた被害者の方々が加害者のご両親とのことですので、介護離職の可能性は低そうですが、
加害者は年齢的に就職氷河期の煽りを食らった世代ですので、
正社員になれないまま雇用の調整弁にされていた可能性はあるでしょうし、
たまたまお子さんの都合で親元に帰って、そこで求職中だったかもしれません。
或いは、わたしのように、
就職氷河期にどうにかこうにか、今で言うブラック企業に潜り込んだものの、精神を壊して離職、
その後、職をあてがわれなかった可能性もあります。回復していたとしても。
或いは、回復しているというのに。

考え得る可能性はいくらだってある筈ですのに、「働けるのに働かない」
世の中の目なんて、そんなものですわね。こと、犯罪者となってしまいますと。


この日本で殿方が働けないというのは、当人にとって、とっても重圧だと思うのです。
女性に生れ落ちた自分とは比べ物にならないくらいに。
でも、働いていない。何故なのか、世の人の大多数は考えようともしません。
手を差し伸べて下さる方はごく少数です。わたしはたまたま、恵まれましたが
(なんだかんだ言って、自分の居所は県庁所在地ですので。ど田舎県ですけど)。

そして、殺人犯に浴びせる言葉は、「死刑」。
とっても健全な精神構造ですね~(皮肉)。
殺人犯を片っ端から殺人していったら、そりゃ、世の中には殺人者はいなくなるでしょうよ。その時点では。
ただし、この発想は真綿で首を絞める行為です。
極刑に処すればそれで一件落着、では、
「何故」そのような事件が起きるのか、無くならないのか、
に対して、ずーっと思考停止を続けていくことになりますから。
そして、同じような事件は起き続けます。

わたし、凶悪事件にの犯人対してすぐに「死刑」という人には、
是非、ご自身で死刑執行を行って欲しいと思うのです。
そうすれば、その方の望みは果たされますし、
刑務所のほうも有能な刑務官数人を丸1日使い物にならなくさせずに済みますし、
一石二鳥でしょう?
ご自分で死刑執行を行ってもなお、そう言えるのでしたら、言い続ければ宜しい。

わたしには、この手の手合いは、
自分には関わりが無いから、気軽に言葉にしているようにしか思えないのです。
わたしがそう思うのは、自分自身は、就職氷河期の煽りを食らって女学生には民間の求人が無く、
公務員試験の受験を真剣に考えたことがあるから。
結局、試験対策の予備校に通うお金すら捻出出来ないという、しょうもない理由で諦めましたが……。
(わたしがフリーターをしていた頃、
 愛知県警に情報区分での採用があったのです(わたしの頂いた学位は「工学(情報)」というもの)が、
 もし、試験対策、それまでの自分には縁の無かった法律方面が、出来ていたら、
 わたしの人生どうなっていたかしら。
 実はわたし、その後IPAの情報処理技術者試験幾つも通して、
 一応、合格証書の上では、高度情報処理技術者を名乗れるんだ……。
 フリーターこなしつつ求職中に矢継ぎ早に通したモノで、実務経験無しの砂上楼閣ですが。)
警察官になったら犯罪と向き合わなくてはならない、
刑務官になったら犯罪者と向き合わなくてはならない、
「お役所仕事」は揶揄言葉ですけど、実際に実務をつつがなくこなすのには……
それらを、「自分なら」と真剣に引き取って考えてみたこと、
そういったことを気軽に言葉にしてしまう人たちには、あるのかしら?

「福祉(実際にはもっと詳しく名詞が入りますが、伏せ)は
 本当に必要としている人の許に届けられるべき」
という言説も、わたしは嫌い。
この言葉が発せられるときは、必ず、その福祉の恩恵にあずかれなかった方が亡くなったときですから。
つまり、こういうことを言う人って、その福祉の恩恵を受けている人の中に、
例えば、一定数パチンコ通いしている方々が何故居るのか、考えてみたこともないんだ。


働かせてよ、ねえ、お願いだから。
わたし、事業所では
「恵さんは真面目過ぎ。もっと息の抜き方を覚えないとまたパンクするよ」
って言われるの。
でも、一般就労の道は無いんだ、かなりの確率で……。





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