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シン・ドラマ汁


<最終回>昭和元禄落語心中 感想文

昭和元禄落語心中 第10回(最終話)「八雲」
NHK 金曜夜10時~
▼あの夜の真相
最終回の今回は、倒れながらも一命を取り止めた八雲が、先代助六の霊に取り憑かれ、
閉鎖された寄席で焼け死にそうになりますが、現助六に助けられ、
ついに先代助六夫婦の悲劇の真相について語り、数年後血はつながっていないけれど
温かい家族に囲まれながら、天に召されるというお話でした。
とはいえ実は、小夏は八雲から明かされる前に、四国の亀屋旅館でしたっけ?
そこで開かれた落語会のフィルムを見て、当時のことを思い出していたのです。
まぁだから八雲も真相を語る気になったのでしょうけども。
その真相というのは、当時は菊比古だった八雲にみよ吉が一緒に逃げてと頼みながら
持ってきた包丁を取り出し、菊比古に切りかかったのですが、菊比古が防いだ拍子に
みよ吉はその場にいた先代助六を刺してしまいます。
そこへ松田に連れられた小夏がやってきて、母親が父親を刺したと察し、
お父ちゃんを返して!とみよ吉に向かっていったところ、みよ吉は小夏ともども窓から転落、
刺された助六が2人をつかむも彼も転落、菊比古が3人をつかみ、松田も菊比古を支えますが、
3人の重量には耐え切れず、助六とみよ吉は小夏を助けるため、自ら菊比古の手を振り払ったのです。
この場合転落の加害者は小夏ということになりますが、法的に責任を問える年ではないので、
責任は親にかかることになりますが、その親が被害者なのでどうなるんでしょうね…。
ですが事件の発端は菊比古を刺そうとしたみよ吉ですので、本当に不出来な母親と言うしかない。
まぁ元々菊比古が好きなまま、流されて助六と一緒になっただけだったので、
そこが不幸の発端ですから、菊比古も少なからず責任を感じていたのでしょう。
真打ちになるからには芸者とは縁を切れと言われて、思いを断ち切ったのですからね。
ですが真相を知った与太こと現助六は、それでも先代助六は死ぬまでの数年間、
一番幸せだったのではないかと言います。
妻は水商売でろくろく家に帰ってこない、自分は好きな落語ができずに酒びたり、
娘は気丈にも自分で小銭を稼いでくるような生活だったのに、
本当に幸せだったのかなと私は思いますけどね。

▼その後
八雲は、小夏の弟子入りを許した直後に天に召されます。
天に召され、先代助六とみよ吉に迎え入れられた八雲は、青年の頃の姿に戻っていました。
そのまた16年後、現助六だった与太は九代目八雲を襲名し、小夏も真打ちになっていました。
八雲が死んだ時に小夏のおなかにいた小雪はまだ高校生ですが、
上の子の信之助は落語家になり二つ目に昇進し菊比古を襲名していました。
結局信之助の父親は誰だかはっきりしませんでしたね。
びっくりしたのは松田さんが、この時点でまだ生きていたことw
もうその姿は耳さえもっと長ければ屋敷しもべにしか見えませんでしたw
調べてみたら原作では松田さん、最終回で95歳という設定だったようです。

▼総評
全体的に見て、なるべく原作のイメージを壊さないよう忠実に作ろうとする
スタッフサイドの意思が見えるような作品でした。
そしてとにかく素晴らしかったのが、落語家にキャスティングされた俳優たち。
特によかったのは山崎育三郎でした。
竜星も平田もすごくよかったのですが、山崎の助六は本当に助六にしか見えませんでした。
ドラマが始まる前は、山崎と言えばミュージカルのイメージしかなかったので、
こんなに落語をモノにするとは思いませんでしたよ。
山崎の落語をまるまる一席見てみたいものです。
そして残念ながら主役の岡田は、青年期はともかく老年期になってからは違和感が酷くて
彼だけ少し浮いているように見えました。
29歳の彼が60代の円熟した名人の落語家を演じるのですから、そりゃハードル高いわ。
演技が少し老けすぎているのではないかと思いましたが、最終回を見ると
老年になり声が出なくなり、一席やるのがやっとだと言っていたので、
そういう状態を表現するための役作りだったのかなとも思いましたけどね。
意見は割れそうですが、私は老年期の八雲は年相応の役者さんにスイッチすべきだったと思います。
じゃあ誰がいいのと言われても、思い浮かばないのですけどw
ただ、これで岡田の演技の幅が広がったのは、今後のためにもよかったのではないかと思います。




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