悪魔なので邪神を育てる事にした 39話
- カテゴリ:自作小説
- 2018/12/04 19:41:15
~ 神殿の地下 ~
バールが召喚されたダレイク国の隣ナパーラ聖神国。
女神教の総本山でもある「元祖女神神殿」がある場所だ。
ちなみにナパーラ聖神国意外にも「本家女神神殿」とか「真・女神神殿」等があるが、女神の加護が一番強いのはナパーラ聖神国の「元祖女神神殿」である。
それらの加護の力の違いは分かっていない。
最高位の聖女のレベルにも違いはないはずなのだが、理由は秘匿とされていて、国民どころか神殿に務めるシスターでさえ高位の者しか知ることは無い。
バアルは今、その神殿の門の前で神殿警備兵と問答をしている。
「いくら聖なる勇者様でも、ここから先はお通しできません」
「女神に呼ばれたのに、その後連絡が無いのだ。 すまぬが女神にどうすれば良いのか聞かなくてはいけないのを理解してくれ」
「ダメです。 この神殿は、女神に選ばれしシスターしか入れないし出る事は出来ないのです。 それに男性は一切入れてはいけないと言う教えなのですのであきらめてください」
「では中の者はどうやって食事をしているのだ?」
「この神殿から出られるものは、女神に選ばれ子をなす事を許されし聖母の見習い。 それ故、外に居る男性を観察すると言う目的で、食料の買い出しをしております。 時期が来れば愛する者が現れ、子をなすことが許されるのです」
「いったいこの神殿にどれだけのシスターが居ると言うのか、物凄く大きいのだが・・・」
「おおよそ3千万人と言われてますね」
『それで街に女性が少ない訳か』
「警備ご苦労様でした。 女神様から連絡が無いのは何か試案があるのでしょう。 気長に待つとします」
「お役に立てずに申し訳ありません、聖なる勇者様」
バアルは少し離れた場所に居る邪神様の所へ行くと「邪神様、前回使った黄緑色の土管を使いましょう」と進言してみるも、「アレは特定の場所じゃないと使えないのじゃ」と言う。
「じゃがのぅ、王城と違ってこの神殿内部には地下に通じる階段があるのじゃ。 うまく忍び込めば地下までたどり着けるぞい」
「しかし警備が万全な様に見えますが・・・」
「安心せい、水の中までは兵士は見ておらぬ」
「なるほど、場内に水を引いている水道橋を使うのですね」
「その通り。 じゃが途中にいくつものトラップがある。 心して掛かるがよい」
「はっ、お任せください」
「後、今後身バレせぬように念話を使うときはコードネームで呼び合うのじゃ!」
「コードネームですか? 女神に効かれる恐れがあると?」
「万が一じゃよ。 バアルはこれから「スネーク」と名乗るがよい。 我は「大佐」じゃ!」
こうして回路を使って侵入を果たしたバアルは、念話の確認の為邪神様に話しかけてみる。
「こちらスネーク、大佐、潜入に成功しました」
「気を付けろ、相手はゲノム兵じゃ」
『ただの尼さんにしか見えないんだがな・・・』
1つしかない階段を登っていくバアル。
階段の先には2人のシスターが階段の上を守っていた。
バアルが考え込んで居ると、後ろから高位のシスターと思われる人が来る。
バアルは一旦身を隠してやり過ごすと、高位のシスターは階段のシスターとやり取りをしていた。
『チャンスだ!』
バアルは高位のシスターが階段を下りて行ったあと、高位のシスターに化けて、階段の上まで走っていく。
「今ここに、私が来なかった?」
「なんですと?」
「バカ者! そいつが〇パンだ!」
階段の上を守っていたシスター達は慌てて下へと走っていく。
こうして神殿内をくまなく調べた結果、礼拝堂の女神像を動かすと階段がある事に気が付いた。
階段を一番下まで降りると、辿り着いたのは、古代ギリシャの神殿の様なコリント式の柱が並ぶ白亜の神殿。
塵一つないが既に使われなくなってかなり建つようだ。
人が入った形跡がまるでない。
数百年ではないだろう、千年近く。 もしかしたらそれ以上かもしれない。
億に進むと、そこには鉄の扉があった。
バアルは慎重に扉を開ける。
すると・・・
「待っていたぞ、聖なる勇者! いや、卑しい悪魔よ! この神殿の聖なる力の維持の為に、女神の生贄となるがよい!」
そこに居たのは巨大な鉄のゴーレム「メタ〇ギア」に乗った、神殿最高位の聖女様でった。 ←どこから入ったの?
"元祖女神神殿"が、"本家女神神殿"や"真・女神神殿"より女神の加護が多いのは、生贄の数がそれだけ多いからだったのだ!
「スネーク! お前は誰も守れやしない! 自分の身さえな!」 ←メタル〇アソリッドのラスボスのセリフ
聖女が叫ぶ!
しかしコックピットが開けっ放しだったので、すかさずスティンガーミサイルをぶち込む。 ←どこから出したの?
こうして神殿の奥にある、白いモノリスに辿り着いた。
すると直ぐに邪神様が現れる。
邪神様はまたしても「うんしょ、うんしょ」と言いながら体の中のどこかにしまっている。
邪神様は最初からここに来れたんじゃないか?
兎に角目的のものをもう一つ手に入れることに成功したのだった。
『これで2つ目か』