悪魔なので邪神を育てる事にした 13話
- カテゴリ:自作小説
- 2018/10/26 19:35:21
~ 虚しい勝利 ~
邪神様の前に複雑な魔法陣が幾重にも重なり続ける。
「チョット マテ バクダンヲ オトシタノハ ワレデハ ナイゾ」
ベルゼバブは魔法陣を警戒し、対魔法防御を展開する。
「爆弾が問題ではないのじゃ! マリンたんを壊したのは連帯責任なのじゃ!」
「ソンナ バカナ!」
「目から波〇砲!!!!」
「マホウジャ ナイノカヨ!」
一瞬にして魔界大陸の一つ、ベルゼバブ大陸が消し飛んだ。
「次はルシファーじゃ」
元来た神殿へ一瞬で戻る邪神様。
もはやテレポーテーションである。
神殿の前では、邪神様がベルゼバブの大陸まで移動する際に生じた衝撃派によって、吹っ飛ばされていたルシファーが空中で体制を立て直し慌てる。
邪神もルシファーの目の前にフヨフヨと浮かんでいた。
「おかしい! まだレベル5ではないか!」
「我にレベル等意味はないのじゃ!」
「そんなバカな! このタコヒラメにやられるわけがない!」
「しかしもうベルゼバブは大陸事吹き飛んでしまったわい」
「ありえん! もしそうなら衝撃で地震が!」
「そろそろ来ると思うぞよ? 3、2、1・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!
物凄い地響きと震度7の地震が神殿を襲う。
だが神殿はインチキ仕様の免震構造なので殆ど揺れない。
趣味で作った砦も神都も同じである。
だが魔王連合の兵士や戦車はそう言う訳には行かなかった。
地割れに飲み込まれるもの、液状化した地面に沈む戦車。
皆なんとか悪魔的体力で生きては居るものの、一旦戦力の再配置をしなければならないほど武器に被害が出た。
「ば、バカな・・・ こんな事が許されていいのか・・・」
「バカはお前じゃ! まりんたんを返すのじゃ! あれは限定物なので、もう手に入らんのじゃぞ!」
「そんな事で大陸を吹き飛ばしたのか・・・ この戦いに加わっていない罪もない悪魔や魔物も居ると言うのに」
「それは心配ないぞよ」
「何を言っている、邪神。 お前の言っている事はおかしい! 大陸が消し飛べばそこに住んで居る女子供も・・・」
「じやからそれは心配ないと言うておろう。 全てお前の領土に転送したわい」
「ほぇ?」
「まぁベルゼバブだけは吹き飛ばしたのじゃがな。 あいつは消し飛んでもしばらくすれば復活するじゃろ、お前の領土にバリアを貼ったので地震は関係ないし、神都の建物も全て免震構造になっておる。 それにベルゼバブの大陸に居た者は、外に居るものも含めて全て家ごと転送したから、後はヨロシクなのじゃ」
「・・・ い、意味が解らん」
「と言う訳で」
そこまで言うとタコヒラメのヒラメ部分が変形して槍のようになる。
「天罰じゃ!」
ズガーン、ゴゴゴゴゴゴ
ルシファーは咄嗟に防御魔法を展開したが、魔法の障壁を突き抜けてレールガンと化した槍が突き抜ける。
秒速10万キロの神の槍である。
しかもご丁寧に突き抜けた魔法障壁の上から邪神が更なる強力な漆黒の魔法障壁で球状にルシファーを覆ってしまった為、ルシファーは逃げるとこも出来ず直撃する。
槍は特別性で中心部分は劣化ウランより重いプルトニウム。
その周りをダイヤモンドより硬い物質、ロンズデーライトで出来ており、その破壊力は水爆を超えた。
神の槍とはアメリカが昔、人工衛星から槍を落とすだけで衝撃波のみで爆弾を搭載しなくても核兵器に匹敵する武器として開発しようとした物だが、国連からクレームが入って開発禁止となったものだ。
そして念入りにエネルギーが逃げられない様にされた漆黒の魔法障壁により、爆発の光も漏れることなく全て障壁内に反射され、放射能が一瞬で消化され5分後その障壁が消えた。