今回は、感想よりも、よい知恵があったら教えてくださいな。
もちろん、感想だけでも拒否しませんが。

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ぼくの父は２０年あまり前に脳血管障害で亡くなった。
自分の健康状態を過信したところがあったかもしれないが、これといって病気をすることなく、ある日突然倒れて２週間後に息を引き取った。

父が亡くなってほどなく母親は、半身不随や植物状態で延々と生き長らえるより家族も本人も幸せだ、と言った。

これだけ書くと、ひどく薄情な人だと思われるかもしれないが、現実問題を考えると解らないでもない。
正直いって、あの日から２０数年間、父親が入院し続けていたら、ぼくは今のように一人で気まぐれに暮らしていることができなかったであろうと思う。

つまり、ぼくも母親と同じく、父親の入院生活が短く終わったこと自体は、喜ばしく感じている。

以上がぼくの身の上。

ところが、世の中には長きにわたって病院通いを繰り返しながら暮らしている人も多数いて、その介添えを一人でやっている独身者も多いと思う。

その一人が、ぼくの部下にいて、さて何をしてやれるであろう、と、ここのところよく考える。

とうぜん、家族ではないので、決定権を持ってああしろ、こうしろとは言えないし、それは当の本人も期待はしてない。
むしろ、キミは仕事に専念していないように見えてしまって給料が上がるような評価を与えられない、と責めるような結論しか与えられないのが心苦しい。

彼もまた、その評価を受け容れる覚悟があって、ならば、退職して今より高待遇の会社を探すことも考えている。
もちろん、昨今の景気を鑑みると高待遇で迎えてくれる会社が見つかる可能性がほとんどないこともわかっていて、かなり閉塞した感がある。

そんな状況で改善策のひとつは、障害者手帳を持つ父親と、病院通いをしている母親と、その両方を彼の扶養家族に入れてしまうこと。
ぼくが彼に言えたのは、その点だけ。

いや、ひょっとしたらすぐに辞めてしまうかも知れないから、と、彼は拒絶する回答をしたけれど、それとこれとは別に考えろ、と言ってみた。

ほかになにかできることはないだろうか？

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