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西郷どん 感想文

西郷どん 第35回「戦の鬼」
NHK 日曜夜8時~
▼近江屋事件
今回は、近江屋事件、王政復古の大号令、小御所会議、そして戊辰戦争の始まりまでが描かれました。
まず近江屋事件、坂本龍馬暗殺ですが、大体史実通りです。
犯人は、後に幕臣で組織された京都見廻組に所属していた今井信郎の供述により、
京都見廻組説が有力となっていますが、他にも新撰組、薩摩藩、紀州藩、果ては外国人説まであり、
どれも決定的ではないようです。
ここで気になるのは薩摩藩。
ドラマでは冒頭部分で吉之助と龍馬が袂を分けていましたが、確かに武力倒幕を考える吉之助に対し、
大政奉還という幕府の逃げ道をこしらえてしまった龍馬は、厄介な相手だったかもしれません。
ただ今まで西郷の生涯を追ってきて私が思うには、この人は後ろを顧みたりしないんですよね。
復讐よりも今現在眼前に山積している問題を、いかにうまく解決するかに力を注ぐと思いますね。
このまま龍馬を放っておいたら、また武力倒幕の邪魔をするかもしれないと考えた可能性も
なくはないですが、それよりもどうやって幕府にケンカを仕掛けるかを考えていたと思います。
もし薩摩藩に犯人がいるとしたら、西郷の意思ではなく、もっと下っ端のしわざだと思いますね。

▼小御所会議
史実も大体こんな感じだったようです。
ただ少しだけ注意しなければならない点があって、吉之助が大久保に短刀を渡し、
それを見ていた容堂がびびって後半無口になったという話がありましたが、
実在するエピソードは、吉之助が短刀を渡したのは岩倉で、それを聞いていたのは
会議に参列していた広島藩の世子・浅野長勲(当時の名は茂勲)だったそうです。
ただこのエピソードも、半世紀後に長勲の自叙伝で語られたもので、
他の史料に見ることができず、本当かどうかはわからないようです。
まぁ公的な発言ではないですし、聞いたのが長勲だけならそれもそうかなと思いますけどね。

▼江戸薩摩藩邸焼討事件
吉之助が幕府を挑発するため、薩摩藩を首謀者とする放火を行えと言ってましたけども、
実際にはかなりの規模だったようです。
放火だけでなく略奪、暴行なども行い、更には徒党を組んで交戦にも及んだらしいです。
そして逃げ延びた犯人たちは全員薩摩藩邸に駆け込んだとか。
こういう薩摩藩の暗黒面はあまり詳しく描かれませんよねw
英雄のように描かれていますけども、これ以降の西郷は清濁併せ呑んでいたと言えるでしょう。
江戸城西の丸が放火されたという話は確認できませんでしたけども、
ひょっとしたらこの時期に偶然火事があり、それも薩摩のせいにされたのかなと思ったり。
ともかくこの時江戸を守っていた佐幕勢力による討薩の熱は、
大坂にいた慶喜にはもう止められないくらいの勢いがあったのです。

▼戊辰戦争秒読み段階
ここまで慶喜は、大政奉還を行い、王政復古の大号令が行われ、
小御所会議で徳川家の辞官納地が決まるも、諸外国との外交権は徳川家にあると説明し、
土佐藩や越前藩などの新政府内でも徳川贔屓の勢力に支えられ、辞官納地も決まった当初より
緩和されたりして、まだ政権を手放す気はさらさらなかったようです。
彼の目算では、とりあえず朝敵だけにならなければ、何とかなると思っていたのでしょう。
しかし戊辰戦争では、その目算も外れてしまいます。
明治維新は無血革命と言われていますが、「八重の桜」をご覧になった方なら
ご存知と思いますが、実際には結構な血が流れています。
この血を流すことを決めたのが西郷だとすると、今までドラマに描かれてきたような
庶民を第一に考え優しく懐が深い人物とは違う、冷徹な革命家の顔が見えてきますよね。

アバター
2018/09/18 22:22
nskdのとんがり帽子かぶった姿が何か笑えたな
アバター
2018/09/18 19:43
兄さぁは鬼になってしもうた~~~



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