✪ 果物店
- カテゴリ:30代以上
- 2018/09/14 20:07:06
旅先で大きな栗の木を見かけた、たわわに実った栗の果。
私は勝手に、あの大きさは丹波の栗でしょう!と思った。
それと通りをはさんだ向かいに、
私の視線は果物店にそそがれていた。
硝子戸を備えた昔ながらの店構えで、
奥の壁には柱時計や色褪せた木箱が積み上げられている。
妙になんだか懐かしい気がして、店の前で足を止めた。
店番をしながら黒いきゃしゃなスッールに腰かけて、
その女性は退屈そうに本を読んでいる。
列車が通り過ぎる振動で硝子戸がピリピリと音をたて、
天井から吊り下げられた電燈がゆれている。
立ち止まった私の背後で、
時間が波のように引いたり寄せたりしていた。
「いらっしゃいませ!」その女性に声をかけられた時、
果物店の奥にある時計の音は止まった。
思いもよらぬ、あの人。
そう、忘れはしない初恋の相手である。
かれこれ30年は経っただろうか?、私の顔を覚えてるだろうか?。
随分と太ったからな自分。
「何にしましょう?」思いのほか虚ろな声、
私はザルに入れられた栗と柘榴を指さして「これ、お願いします」と言った。
お金を払った私にその女性は、
「この中に燈を入れときましょうか?」と言った。
「燈って?」私は何のことかわからず聞き返した。
「だって柘榴祭りにいらっしゃるんでしょ、今夜は満月ですから」、
そう言って柘榴の果に銀色の粉のようなものを振りかけてくれた。
すると柘榴の果はにわかに輝いて、
そのルビィ色の光が舗道を淡紅く照らした。
気が付くと周りは薄暗くなり、
月は高く黄色みをおびた白で街を照らしている。
「なるほどね、柘榴が月の紅を吸い取ったというわけか」、
そんな言葉が不思議と自然に出た。
少しその燈で歩いて振り返ると、
硝子戸や柱時計にまぶしい電燈は変わらないのに。
店先には髪の白い主人らしき老人が笑っていた。
最近PC調子悪いままなのでスマホでinしてるっす。
14日の朝、数日ぶりに訪問して日記をまとめて拝読中、
何故だか1個前のお話『紅彗星酒』の項を開くと、固まる画面、
何度かトライし文章の前半部分読みかけてると、またもフリーズし落ちる。
落ちるのでまたログインし直し、同じく項を開こうとするとフリーズする。
スマホのせいだと思いながら今晩再度開くと、やはり固まる、落ちる。
他の日記は通常に読めるのよ!なんでだろう? 最後まで読めないのは
とても気になる気になる〜 耳のお酒あたりまではなんとか読めたのね。
お話マークの記号のせいかな?とか思ったけどこの『果物店』は大丈夫。
なんなんざんしょ??
酒呑みを自粛中のわたしには、禁断のストーリーなのかいな?!
ブラしゃんだから何か不思議な御呪いかけてるんかいな??
わたしを寄せ付けちゃならんストーリーなのかなぁ?!?
…と、ブラしゃんワールドの不思議が、スマホ画面からも届くのであった ^ - ^;
おやすみぃ
ザクロ祭りって、あるんですね。
調べたら、長野県?でいいんでしょうか?
何だか詩的な言葉が興味をそそりますね。幻想的。
な、、、気分になりました^^