わたしのレコードことはじめ
- カテゴリ:音楽
- 2018/02/18 09:59:31
一部でレコード復権の兆し。一過性のものなんでしょうけど、
アナログレコード知らない世代があの音を聴くと、たいてい驚きますね。
レコード鑑賞について思いつくままに書いてみようかな。
幼いころ家にあったのは確かビクターの横長の小型電蓄、というのかな。
両側にスピーカーがあって、中央に小さなターンテーブル。
タンゴやルンバ、映画サントラにディズニーを聴かされてたはず。
当時の子供向け雑誌には、ソノシートとともに簡易プレーヤーがついてた。
紙を切り抜いて組み立て、ソノシートの一部にアルミのピンを立て手で回し、
溝に金属の小片をあてて紙製のラッパ型拡声器で聴く。原始的だったなー。
小型電蓄のターンテーブルはEPサイズ、アームとカートリッジも一体型。
電気街のオーディオコーナーで生まれて初めて本格プレーヤー見た時、
ターンテーブルの巨大さと、アームやカートリッジの精密感に驚いた。
その頃からですな、モジュラーステレオと呼ばれた一体型が下火になり、
単品を組み合わせたコンポーネントステレオが流行りだしたのは。
PCデスクほどの専用ラックに単品の製品を配置するわけです。
プレーヤー、アンプ、チューナー、デッキーにスピーカー。
メーカー品だと当時でも30万円が相場だったんじゃないかしら。
往年の名メーカーが相次いで製品を発表したのが70年代ですなー。
さてプレーヤー。この機械をよく御存じない方のために講義しよう。
モーターで回る部分がターンテーブル、針部分がカートリッジ、
カートリッジを保持する部分がアーム、それを設置するベースでできてる。
ターンテーブルは当時開発された、クオーツロックのダイレクトドライブが主流。
ターンテーブルは回転を安定させるため、デカくて重いのが好まれた。
回転の誤差が小さいほど偉いから、ワウフラッターという数値の小ささを競う。
だが一部の超高級ターンテーブルやプレーヤーはベルトドライブだった。
モーターの回転をベルトでターンテーブルに伝えるタイプです。
クラシック愛好家にはこれを偏愛する人が多かった記憶があります。
カートリッジはMM型とMC型の二種が主流でしたねー。
レコードのカートリッジはエレキギターのPU同様に、
電磁誘導を利用した一種の発電機なのでございます。
針がマグネットを動かすタイプがMM型、こちらは丈夫で豪快な気質。
針がコイルを動かすMC型は繊細な音なのでクラシック好きが使った。
この部品だけで五万円くらいしたんですよ。ウソじゃないです。
レコードの溝って、高音を強く、低音を小さくして削ってあるんです。
これを正常に戻す機械がRCAAフォノイコライザというアンプの一種。
アンプ内蔵のも多かったが、数寄者は単品で買って繋いでました。
アンプは一体型よりも、プリとパワーを別にするほうが偉かった。
ソリッドステートのプリアンプも市民権を得つつあったけど、
けっきょく傾奇者は海外や国内老舗の真空管製品を揃えてました。
チューナーってのはラジオの受信部だけ。これも数万円。
デッキは録音機。普及品はカセット、中級以上はオープンリール。
カセットならナカミチ、オープンならソニーがハイエンドの主流でした。
スピーカーはでかい床置型が大流行、ウーハーが大きいほど偉かった。
ツイッター、ミッド、ウーハーの3wayが当たり前。
クロスオーバーネットワークを介して複数のユニット鳴らす人も大勢いた。
ここまで書いて、ああ、自作のハイエンドPCと似てるなーと思う。
電源、マザー、CPUにHDD、グラボにサウンドカード等を組み合わせるんでしょ?
アレと同じ感覚で、数十万円を音楽鑑賞だけに投じてた時代なんですな。
貧乏だったからステレオのラジカセで我慢してた私が手に入れたのは、
テクニクスの小型コンポ。プレーヤーとスピーカーのほか、
チューナー・アンプ・デッキが一体化したレシーバーというヤツだけ。
これでも15万したっすよ。プレーヤーはフルオートのダイレクトドライブ。
針圧の大きいほうが迫力のある音がするという記事を読んで、
カートリッジ部に10円玉を乗せ針圧を重くして聴いていた。
そんな無茶して毎日聴くからあっという間に針がダメになる。
静電気も溜まりやすく、レコード盤がホコリをすぐ吸引jする。
クリーナーでも埒があかず、洗剤で水洗いまでした覚えがある。
ライブハウスや喫茶店で聴く音のほうがずっとイイことを知り、
それ以降自宅での聴取システムにはほとんど投資しなくなりましたが、
男性の殆どがオーディオにそれなりに投資してた時代でございました。
さて現代、オールインワンでUSB接続できるプレーヤーが1万円以下。
これは流石に物足りないなー、と思ってたら面白い新製品ハッケン。
Bluetooth? で飛ばすこともできる単品プレーヤーが2万弱で出ている。
エレキギター界もワイアレス化の波が主流だから、まあ仕方ないか。
でもねー、PHONO出力をアンプに繋ぐケーブル替えるだけでさ、
解像度が全然違って聴こえ驚いた経験を持つ私には、少し寂しい。
え? 金に糸目をつけないならどうするかっていうんですか?
そんなのまず、スピーカーからチョイスするにきまってますよね。
懐かしのパラゴンか、場末のジャズ喫茶にあった青のJBL4312がイイナー。
マイクロのターンテーブルにシュアの丈夫なMM型、アームは何でもいい。
プリはデザインの好きなアキュフェーズにして、ケーブルは全てオヤイデ。
パワーは……EL34使ってるマランツでいいや。ガサツな音がスキ。
これで鳴らしたとこで、ポタアンプで聴くワイドレンジやクリアさとは無縁。
でも私のレコード鑑賞は、試聴空間の空気が震えてナンボなのです。
たかがレコード聴くのに数百万、でもこれもダンディズムかもよ。
おお! 赤白のポータブルプレーヤー、映画サントラ盤……それです、それですよ。
レコード世代のあるある、色々ありますなー。カセットダビングの苦労も然り。
別の記事を書くことにいたします。宜しければそちらもご覧ください。
すごく懐かしいお話で うんうんと頷きながら読ませていただきました
レコードプレーヤーの時代は本当に「聴かせて頂きます」って感じでしたよね
レコード自体の匂い スプレーの匂い ターンテーブルに置く時の気持ち…
何となく儀式めいたものがありましたね
>カートリッジ部に10円玉を乗せ針圧を重くして聴いていた
>(レコード)クリーナーでも埒があかず、洗剤で水洗いまでした覚えがある
これ あるあるです^^
私の事始は 小さな時に親戚の所に行って なんだったかなぁ ジェームズディーンの出ていた映画の音楽のシングル盤
あ…「エデンの東」だ
そこのお姉ちゃんから聴かせて貰って「なんて綺麗な曲なんだろう」って思いました
プレーヤーはおもちゃみたいな赤と白の小さな一体型のでしたけれど…
中学生になってお祝いに 小さなステレオ?一応スピーカーが2つ別れてついていた
カラヤンのくるみ割り人形のレコードも一緒に買って貰ったので カラヤンのファンになりました
仕事をし始めてお金を貯めて買ったのが 大きなステレオ
デンオンのステレオでした
良く判らなかったけど店員さんが勧めてくれたのと なんだかカッコ良かったから^^
CDになって 音があまりに違うのにビックリしました
切れが良すぎて あまり好きじゃなかったけど すぐに慣れてしまった
それに ゴミがついても大丈夫だし傷もつき難かった
カセットも編集する時にフェイドアウト フェイドインとか もう凄く真剣にやってたなぁ
(その努力を勉強に回してたら もう少し頭も良くなっていたかも…^^)
MDは便利だと思っていたら あっと言う間に廃れてしまいましたね
もう今はラジオ型のデッキも使わないで PCでばかり聴いています
スピーカーはヤマハのがついているのですが いかんせん小さいので音は良くないです
Bluetooth 最近聞きますね
音が良いらしいので興味はありますが もう以前のように本を買って調べたり電気屋さんに足を運ぶ事は無くなってしまいました
どうも長々とおじゃましました^^ つい懐かしくて