部屋
- カテゴリ:30代以上
- 2018/02/06 20:57:03
今でも両親の部屋はそのままにしてある、
部屋がたくさんあるからだけど。
たまに入ってはおきみやげを見つける。
父はよくわからないことを口走っていた、
大工になるとか詩人になるとかその他いろいろと。
いつも夢みたいな話を聞かせてくれた。
だからこの部屋にはなれなかったけど、
その夢のおきみやげだけはたくさんある。
中でも特注で作らせた五十個の引き出しがついてる家具、
イタリアから仕入れた木材で作らせたといつも自慢していた。
今でも順番に開けては中を覗いて笑っている。
アラビア文字で番号が彫られている、
一番最初の引き出しの中は詩人の森。
どんな詩を書いてあるのか想像してみてください、
変わり種だから人とはチョット違うんですね。
私が幼い頃、いちど読んでとお願いしたことがあった。
そのとき父は、
「私の詩は読むものではなく、味わい聞くものなのだょ」
と引き出しからドロップを出して私の口に入れた。
父が逝ってから、
この引き出しを開けるとその意味がよく分かった。
透明なシリコンチューブのようなものに、
詩の一行たちが書かれて並んでいた。
まるでお菓子に包まれてる細長い水あめみたいな、
色のない透明なキャンディ・ドロップのように。
「細長く結晶したものが認められる お菓子のようだ」
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- パン
- 2018/02/07 13:44
- 色々興味津々(*´▽`*)
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- 楓花
- 2018/02/07 07:31
- お菓子のような~~甘美な美しいヽ(-゚ヽ)トッ!! (ノ゚-゚)ノテモ!!.。゚+.(゚ー゚)ノ。+.゚ イイ!!
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