Nicotto Town



『線路は続くよ』

# 春を待つ街



汽車が駅に着く

開いた扉から、冷たい空気が流れ込む

日陰には、うずたかく積まれた雪が残っている

ホームに降りると、冬を主張するかのような木枯らし

売店の前に立てられた、旗をゆらしている

旗には「恵方巻きあります」の文字


「恵方巻きひとつくださいな」

店員さんに声をかける

「いらっしゃいませ。どのくらいの長さにしますか」

食品ケースの中には、50㎝くらいのものと、1メートルほどのものが数本、飾られている

こんな長いもの、誰が食べるのだろう

「10㎝もあれば充分なのだけれど」

「はい。少々お待ちください」

ケースの中から長い恵方巻きをとりだし

「このくらいですかね」

10センチほどに切り分ける店員さん

「あれ?恵方巻きって、切ったりしちゃいけないんじゃ・・・」

「そんなことありませんよ。ここでは、長いものを作ってみんなで切り分けて食べるのですよ」

なぜなら・・・と続けて

「一人ではたどり着けないしあわせも、誰かと一緒なら、きっとたどり着けますから」


汽車は走り続ける

変わりゆく季節の中を

次は、どんな季節に出会えるのだろう


つづく



(#^.^#)










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2018/02/04 14:15
今日は~♪

おぉ~\(◎o◎)/~落ちが、カッコ良い~うまいっ^^
座布団~10枚ですね^^
え?大喜利では、無い?そうですよねファンタジーですよね~
ごめんなさい。

50cmと1mの恵方巻の所は、
私も『長っ。』と、思いました^^
切り分ける事を、知らず…
そのまま黙って、1本を、買うおっちょこちょいさんが、
出てもこのお店の店員さんは、自分の方から
『切りましょうか?』と言ってくれそうだから良いですよね~^^



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