Nicotto Town


今年は感想を書く訓練なのだ


『ソウル・サーファー』(2011)

◆概要
サメに襲われて片腕を失いながらも、様々な葛藤と荒波を乗り越えて行く天才少女サーファーの物語。
傷も癒えた後、彼女が海に戻って来た。腕を回して波に立ち向かってゆく少女の姿。
何度もボードから投げ出され、打ちひしがれる少女の姿が私の胸を打つのは何故だろうか。
立ち尽くす彼女が恐れていたのは、サメの姿ではなく波に乗れない自身の姿であった。

◆感想(ネタばれあり)
一度はあきらめて、プーケット島(津波の被害)へボランティアへ出かけて帰って来ると
沢山の手紙が彼女を待ち構えており、そこから物語が転じて行く。
障害のある多くの送り主の思いが、彼女の心を変えたのだ。

ラストの競技会でのシーンは素晴らしい。
あふれる光の中、輝く波がスクリーンを駆け巡る。
最高の舞台の上で、彼女はそれにも勝る輝きを増してライディングする姿は感動的である。
かつてこれほど美しい海を、波を、この素晴らしいアングルから見たことがない。

フワッと持ち上げられたボードの上に、すっくと立ちあがる。
ボトムへ向けてスピードを載せるとターンして、海面を駆け上がる。
波の頂上から飛び上がると、くるっとおしりを回して再び滑降して行く姿はとっても可愛い。
そしてベストシーンである、チューブライド(波のトンネルをくぐるあれ)へと繋がって行く。

ライバルから離れて、次に来る波の力を感じると独り大波に乗った。
輝く太陽、ガリガリ君ソーダのような波が立ち上がるとトンネルが形成された。
トンネルの中をライディングする彼女の姿を、波の中(海中)からカメラが追いかける。
上手くトンネルの中に残るために行うブレーキングの為だろうか、
海中に入れられた手からヒコーキ雲のような軌跡が流れて行く。
トンネルの出口の向こうには、この上なく素晴らしい世界が広がっていた。




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