好きな5品(口内火傷の醍醐味)
- カテゴリ:グルメ
- 2017/12/19 18:49:25
熱々のものを口に頬張り、のたうち回り水をガブ飲みし大口開けて冷やし、
上顎の表皮が剥がれ三日間ほど物を満足に食えなくなる。
ごく稀に、これこそ醍醐味だと考えるバカがいる(私を含む)。
一種のマゾヒスト? いや違う、断じてそうじゃない。
あの壮絶な熱さに耐えることで堪能できる味覚というのも存在する。
数年に一度食べたくなる、口内火傷必至の食べ物、ベスト5を選定。
1、タンメン
横浜の野毛にSという老舗があります。私はのれん分けした分店に通う。
運ばれてきた丼の縁までなみなみと注がれたスープ、クタクタの野菜。
湯気が出てないので軽い気持ちでスープを一口……大火傷する。
コレ、100度以上に達してるんじゃないかという激熱野菜スープに、
茹でた麺を入れて更に煮て、脂もたーっぷり入っている。
丼から湯気が出ないのはね、分厚い脂がスープを封じ込めてるからなの。
一度食ってヒドイ目に遭い、裏を返してまた火傷、三回目からは馴染み。
この熱さを保っているうちに平らげたい。私の上顎は毎回ヒドイことに。
でもまた食いたくなる。冷まして食べるのは恥という気もする。不思議だ。
2、ちくわぶ
おでんには口内火傷のいずれ劣らぬ選良が犇めいてます。
ジャガイモ、はんぺん、大根、がんもどき……どれも要注意。
関西人が断固否定する邪道な食物、ちくわぶを私は贔屓する。
けったいな食物ですよね、小麦の練り団子やスイトンと変わらん。
でも好き。フニャフニャで煮崩れるとトロトロ、この軟弱さがよい。
皿に取って辛子をつけ、箸で切り取るときの大きさが重要。
あまり小さいと冷めちゃう。デカすぎれば地獄を見る。
辛子とのバランスも大切。悩んでいると冷めちゃう。
最適な大きさのちくわぶをハフーハフーと頬張る。ああ、冬だな。
3、たこ焼き
明石焼じゃなくて、昔ながらの小麦粉団子、タコ入りのほう。
縁日や屋台で作り置きしたパックを売るようになってるけど、
あれを買おうとは思わない。焼きたてをすぐ食うのが正しいと思う。
かつおぶしや青海苔も邪魔に感じることがある。
焼きたてを覚悟と共に口中に放り込み、口内で僅かに転がし……噛む!
タコの弾力と口内に溢れる熱々のダシ、のたうち回り口を開けハフハフ。
この手続きを踏まないたこ焼きは、下品さ、猥雑さ、無謀さに欠け魅力半減。
冷めたパックのたこ焼きを土産に買うというのは……私はやりません。
四十年近く前、大船で食べたタコ焼きが最高だった。青春の口内火傷。
4、マカロニグラタン
洋食屋で口内火傷誘発度筆頭といえる料理、対抗はビーフシチューだろうか?
鉄板がグツグツという料理はファミレスでもありふれてるけど、
洋食屋の焼きたてグラタンというのは死ぬほど熱々である。
表皮(というべきか)をフォークで剥がすと……ホワイトソースがグツグツ。
マカロニと具を適当に載せ口に運ぶ。長いマカロニと玉葱は非常に危険。
フォークから垂れた端が唇をかすめただけで飛び上がりたいほど熱い。
熱々ホワイトソースというのは、始末に負えない旨さである。
一口目で火傷しているが、ひるまず躊躇わず一気に食う。
熱いうちに食べきることが誇りであるとさえ思う。食後は当然アイスコーヒー。
5、甘酒
年末に寺社に行くと無料で配ってることが多い。
紙コップなので舐めてかかり、数秒後に悲鳴をあげるヤツもいる。
あれもグツグツ煮えてる鍋から貰ってすぐ呑むのがイイですね。
酒粕のツブツブが沢山あるタイプのが好き。サラリとしたのは都会的過ぎる。
冷え込みに震え足をバタバタ、でも両手と口内だけがやたら熱い。
きっとこれが『ギャップ萌え』というヤツです。クールジャパン。
正統なる味覚の求道者および猫舌連盟の方には謝罪いたしますです。
文中に出したお店にもご迷惑がかかっちゃイカンよな、御免なさいね。
でもまたタンメン喰いたい。上顎の皮を鍛えておこう……どうやるのかな?
猫舌の人には信じられないと言われるんですが、
誰でも「ちょうどいいアツアツさ」を食べたい気持ちはありますよねー。」
小龍包や肉饅頭、焼きたての御餅、御汁粉だって……アツいほうが好きです。
マカロニグラタンは美味しそうだと思いました。
私は猫舌なので、ふ~ふ~して食べますが、
父がたまに、「ふ~ふ~してやろうか」とバカにしますw