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相棒 seaon16 感想文

相棒 seaon16 第5話「手巾(ハンケチ)」
テレビ朝日 水曜夜9時~
▼警察学校
今回は、警察学校の教官が学校の屋上から突き落とされた事件と、その教官の娘の刑事が捜査している、
機密データを盗んだ電機メーカーの社員がビジネスホテルで自殺を装い殺害された事件が、
絶妙に絡んでくるというお話でした。
警察学校が舞台ということで、久々に米沢が登場。
予告にも出ていたので、大層期待していたのですが、事件には全然絡んでこなくて、
最初にちらっと出た程度でがっかりしました。
円満降板だったのに、そんなに相棒出るの嫌なのかw
屋上から転落した教官・樋口は、死んだわけではなく途中まで重態で意識がなかったのですが、
後半になって意識を取り戻し、樋口とその娘・真紀が本当の父子ではなく、
樋口が23年前に捜査した事件の
被害者の娘を引き取って育てていたことが分かります。
被害者というか、本当は殺人だったのに自殺として処理されてたんですけどね。
今回のビジネスホテルの事件と23年前との事件は、構造が瓜二つで、関係性が疑われるという筋立てでした。

▼以下ネタバレご注意!
犯人は23年前の主犯の息子と、実行犯のヤクザの子分との共犯でした。
主犯の息子は警察学校に所属しており、樋口の教え子だったのです。
しかし樋口と真紀の会話を聞き、23年前の事件との関連性に気づかれたことから、
真紀が立ち去ってから樋口を突き落としたというのが真相でした。
関係があるとはいえ別の人物がまったく同じ手口で同じような犯罪を犯していたこと、
そして23年前の被害者の娘が今回の事件の捜査の担当となったこと、
23年前の犯人の息子が、当時事件を担当していた刑事が教官を勤める警察学校の生徒だったことなど、
あまりにも偶然的要素が多すぎて、プロットとしては少しリアリティに欠けていたと思います。
そして、犯人が真紀ではないと杉下が考えていたことから、犯人が別人だとしたら誰だろうと考えたら、
真紀が事件当時学校にいたと証言した生徒が怪しいことにすぐ思い当たり、犯人当ても簡単でしたね。
人間関係が分からないので動機とかは分かりませんでしたけども。

▼手巾
サブタイのモチーフとなった芥川龍之介の小説ですが、ショートショートと言ってもいいくらいの短い短編で、
青空文庫で無料で読めますので、興味のある方はググって読んでみて下さい。
今回、ミステリーとしてのプロット的にはイマイチでしたが、心理描写はよかったですね。
血はつながっていないとはいえずっと育ててくれた父親が、生死の境をさまよっているのに、
落ち着いた様子で淡々と応対する娘。
しかしハンカチを握る手は、自然と力が込められている。
自分の感情を抑え、捜査を最優先するという刑事魂は、血はつながらなくとも伝わっていたのですね。
今回の脚本は、相棒の脚本を初めて担当する浜田秀哉という脚本家さん。
今までフジテレビのドラマを数多く担当されていた方です。
プロットはイマイチでしたが、モチーフの使い方や小ネタなどはとてもよかったので、これからに期待したいです。
特に杉下が内村と中園に呼び出されたシーンは笑ってしまいましたね。
相棒くらい歴史のあるドラマの本を初めて書く時には、それまでの作品を見るだけでも大変ですが、
見ないとどのキャラにどんな台詞を言わせたらいいか分からないので、視聴必須ですよね。
まぁドラマに携わる人間なら、一度も相棒見たことないって人の方が珍しいとは思いますが。




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