Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


イボキサゴと縄文と潮干狩り


インパクトのあるすごいおみやげ…。

すごいかどうか、わからないけど、
このあいだ、イボキサゴのアクセサリーかいちゃったからな…。
でも、また書くか。

千葉県の加曽利貝塚の縄文秋まつりで、てにいれたもの。
イボキサゴ。直径一センチから二センチほどの小さな巻貝。
加曽利貝塚でも大量に出土されている。
学芸員さんの話によると、当時は食べ物に塩分や甘味などを
添加するのが難しかったので、うまみダシ的に使っていたのではないか
ということ。
イボキサゴは、水質汚染などで数が激減してしまったが、
今でも、干潟よりももうすこし深いところで採れるらしい。
江戸時代は、この貝でおはじきをしていた…。
 ところで、なぜ、わたしがこれほどイボキサゴ
にくらいついているのかといえば、
ここで見るのがはじめてではないから、
それどころか、知らずに食べていたこともあるからだ。
じつは、この千葉の遠浅、富津あたりで、
何回か、潮干狩りをしたことがある。そのときにアサリにまじって、
ごくまれにイボキサゴを採ったことがあったのだった。
きれいな小さな巻貝だなと思ったが、当時、名前を知らなかった。
知らないながら、美しさに惹かれて、採ってきたものだった。
そうして帰宅後、アサリと一緒に調理して頂いた。
小さいけれど、濃厚な海の味がした。そして、貝殻は干して取っておいた。今も飾ってある。だが、名前をしらなかった。
それが、わかった。イボキサゴ。
名前がわかるということは、わたしにとって、特別な作用をする。
もう、これからは名前で呼べる。
それはわたしとちいさな巻貝をつなぐ糸のようになる。
糸がもっと具体性を帯びる。
これからはイボキサゴといえば、
縄文人が食した食べ物であると同時に、
潮干狩りで大切に思っていた貝として、思い出すだろう。
名前はこんなにも、わたしのまわりを、きらきらとして見せてくれる。

さて、おみやげ。復元集落のあたりで、
イボキサゴを使ったアクセサリー作り体験のコーナーがあったり、
販売をしていた。体験はおもに子どもむけのようだったから、
恥ずかしくて参加しなかったが、記念にアクセサリーを買った。

ちなみに、この日は、祭りの会場で、
縄文式土器で調理したイボキサゴスープの無料配布があった。
正直、味はいまいちだったが
(これは作り手の問題だと思う…ごめんなさい)、食べれてよかった。
さらに、イボキサゴを炒ったものを食べることができたが、
こちらはおいしかった。

今も、イボキサゴのアクセサリーは、大切な、名前が
わかった記念のおみやげとして、これを書く机のちかくに
すぐ見えるところに、ぶらさがっている。
たまにさわったりして、めでてる。
ちいさな木に、イボキサゴをふたつはりつけただけの
アクセサリー。この木もきっと、あの縄文の森に
はえてた木だったりするんだろう。
想像がたのしい。




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