Nicotto Town



ビロードのうさぎ

27冊目の洋書。

”The Velveteen Rabbit” by Margery Williams Bianco (マージェリィ・W・ビアンコ) 

William Nicholson (ウィリアム・ニコルソン) 挿画のオリジナル・エディション。
40ページほどの薄い本で、ノスタルジックで暖かな挿画が7枚入っています。

1922年イギリス初版。
英語圏では有名な名作で、後年、子供向けに書き直されたり、いろいろな方が挿画を描いたりしています。

日本版を読んだことはなかったのですが、ずっと欲しいと思っていました。
アマゾンマーケットプレイスで、ほぼ新品が1円。送料とあわせて341円。
ほぼどころか、まるで新品でした。
たぶん、海外ドラマ「フレンズ」(見ていません)のエピソードに登場して、流行ったおかげかも。

なんとか読み終えましたが、たいへんでした。自画自賛したい気分です。
どうしても最後まで読みたくて、努力はしない信条に反するくらいがんばりました。
でも、あと少しでも長かったら、挫折したと思います。
いちおうお話はわかったし、内容の取り違えや誤解はないと思いますが、読めたという気分は少ないです。
総語数は約4,000語。
1文あたりの単語数は、放り出し中の「エルマーのぼうけん」の12.3よりも多くて、16.6。
子供がひとりで読むより、読み聞かせてもらう本なのでしょうね。

”HOW TOYS BECOME REAL”
クリスマスプレゼントのウサギのぬいぐるみが、2時間で忘れられるところから物語は始まります。
本物になりたいぬいぐるみのウサギと少年との童話的ハッピーエンドのお話ですが、
"What is REAL?" を考えさせられるちょっと哲学的な物語でもあり、
長く読み継がれてきたこの物語の受け取り方は様々だろうと思います。

ほとんど読めていないような状態でも、伝わってくるものは大きかったです。
物語は、最初から終わりまで愛しくて切ない雰囲気に包まれています。
ボロボロのぬいぐるみや人形をいつまでも抱っこしていた子供のころの自分を思い出したこともあって、
涙腺が緩っみぱなしでした。


日本版
いしいももこ訳「ビロードうざき」ウィリアム・ニコルソン絵(童話館出版/オリジナルの日本語訳)
酒井駒子絵・抄訳「ビロードのうさぎ」(ブロンズ新社/原書を部分的に翻訳して、絵をつけたもの)
成沢栄里子訳「ベルベットうさぎのなみだ」
 ルー・フィンチャー文、スティーブ・ ジョンソン絵(BL出版/年少向けに書き直した絵本の日本語訳)

”Velveteen”は、”ビロード”ではないのですが、
別珍のうさぎとか、綿ビロードのうさぎでは、どうも美しくないのですね。


著作権が切れている古典名作なので、オリジナルの挿画付きの全文をネットで読むことができます。
http://digital.library.upenn.edu/women/williams/rabbit/rabbit.html

アバター
2009/09/29 22:22
>nanatanさま 酒井駒子さんの絵本、本屋へ行ったときに探してみますね。

>tararaさま 「読めた」といってもらえると安心します~。
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2009/09/29 11:04
英文を読んで、泣けたらそれは「読めた」という証拠だと思いますよ*^^*

「別珍」という言葉は”Velveteen”から来てるんですね~。なるほど!
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2009/09/29 00:51
酒井駒子さんの本を書店で1人で立ち読みして泣いたのは私です^^;
日本語版も素晴らしいですから、機会があったらぜひ読んでみてくださいね。
うちのぬいぐるみは私にとってはみんなリアルですが、いつかほんとうのリアルになれるのかな…。



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