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シン・ドラマ汁


遺留捜査 感想文

遺留捜査 第6回
テレビ朝日 木曜夜8時~
▼炭がついた離婚届
今回は、所轄署の警察官・西岡が殴り殺されるという事件でした。
現場は人気のない空き地で、西岡は後ろから石で頭を殴られて死んおり、凶器は近くに落ちていた血のついた石でした。
この事件、特別捜査対策室に持ち込まれたわけではないのですが、鑑識の村木が、個人的に西岡と
知り合いだったらしく、わざわざ糸村に捜査を頼んできたのです。
というわけで、今回は珍しく村木メインでした。
村木は糸村以外でシーズン1からずっと出演しているレギュラーキャストなのですが、
メイン回って初めてなんじゃないでしょうかね。
いつもいやいやながら糸村の無理な頼みを聞いているけれど、困った時に糸村を頼りにくるなんて、
意外と彼のことを信用しているんですねw
村木に西岡の遺留品を見せてもらった糸村は、離婚届の用紙を気にします。
離婚届については捜査本部も気にしていて、自宅近くの住人から、1週間ほど前に口論している声を聞いた
という証言も得られており、被害者の妻・真由美は第一容疑者でした。
しかし糸村が気にしたのは妻のことではなく、離婚届の端についた汚れでした。
それを見た村木が、炭のようなものでついた汚れだろうと言ったため、糸村は村木にもっと詳しい検査を
してもらうと同時に、京都市内で西岡が立ち寄りそうな場所にある炭火焼きの店を訪ねて回ることにしました。

▼10年前の事件
西岡は元敏腕刑事だったのですが、10年前、真由美の兄が殺人事件で有罪となったため、
刑事課から会計課に左遷されたという過去がありました。
糸村の奇行を面白がった捜査員が、生前西岡が資料室で10年前の事件を調べていたという情報をくれたのです。
実は妻の真由美が事件当日、西岡を尾行していたと見られる防犯カメラの映像が出てきて、
真由美は警察で事情聴取されていたのですが、彼女が言うには、最近西岡はよく外出をするようになり、
そのトドメに離婚話を持ち出されたものだから、浮気を疑い彼を尾行していたと言いました。
ただ、女と会っていたのを確認した後見失ったと、殺人については否定していました。
もし西岡の外出の目的が、浮気でなく10年前の事件の捜査だったのなら、当時の関係者を訪ねて回っただろうと、
糸村は10年前の事件の時、鑑識を担当した元警察官を訪ねます。
その男性は現在、息子と一緒に炭火焼きの店をやっていました。
彼が言うには、真由美の兄が犯人と断定された証拠は、現場近くのフェンスにあった兄の指紋で、
現場からフェンスを超え、数百メートル行った先で、被害者の財布を持っていた兄が逮捕されたんだそうです。
真由美の兄は日頃から素行が悪かったのですが、殺人事件については否認したままでした。
糸村は、その指紋が事件直後の捜査ではなく、1週間後に採取されていたのが気になりました。
現場で確認して、指紋の角度が少し不自然ではないかと指摘します。

▼次々明るみに出る新事実
鑑識で、西岡の殴られた傷口に苔が付着しているのに、凶器となった石には苔が着いていないことが分かりました。
捜査本部にそれを伝えるのですが、大した情報ではない、見落としかもしれないと取り合ってくれません。
また、糸村が依頼していた離婚届についた炭は、料理用のではなく絵画用のものであることも分かりました。
村木は、凶器は別の石だったのではないかと、現場近くを捜索し、
特別捜査対策室のメンバーも協力し、本当の凶器となった石を発見したのです。
その石には、西岡だけでなく他の人物の血もついていました。
ここから捜査が急展開するのですが、糸村は炭の方の捜査に行ってしまいますw

▼リハビリ絵画
糸村は収監されている真由美の兄に会いに行くのですが、彼はまだ自分は犯人ではないと主張し続けていました。
それはいいとして、糸村は刑務所の中で、リハビリ絵画教室のポスターを見かけるのです。
リハビリ絵画教室とは、主に認知症の患者に絵を描いてもらい、認知症の進行を遅らせたり、
症状の回復を図る療法なのですが、認知症の他に心に傷を負った人のケアなどにも利用されており、
刑務所でも開かれているそうなのです。
糸村はそのリハビリ絵画教室を訪ねてみたところ、西岡が通っていたことが分かりました。
そしてなんと、西岡が置いていった荷物から、血のついたナイフが出てきたのです!
調べてみるとそれは、10年前の事件の凶器であることが分かりました。
しかし事件当時、そんな証拠品は上がっていません。幻の凶器だったのです。
まだまだ証拠は揃ってませんが、ここで1度10年前の事件と、今回の事件の犯人を当ててみましょう。
今までの文章の中に出てきています。

▼以下ネタバレご注意!
まず、10年前の犯人ですが、それは元鑑識で今は炭火焼の店をやっている親子の、息子の方です。
息子は被害者と知り合いで、被害者を殺した後、鑑識の父親に連絡し、どうにかしてくれと頼みました。
彼は逃げる最中凶器のナイフをどこかに落としてしまったのです。
父親は焦り、財布を持っていた真由美の兄の指紋をフェンスにつけました。
鑑識だからこそできる技ですね。
そして今回の事件の犯人は、その父親の方です。
実は10年前の凶器が発見されたのは、真由美の兄が裁判を受け、有罪が確定した後だったのです。
西岡が執念で見つけたもので、凶器には真由美の兄ではない人物の指紋がついていました。
しかし冤罪を出したくなかった当時の所轄署の署長が、その証拠をもみ消してしまったのです。
何故今になって西岡がそれを蒸し返したかというと、西岡は自分が難病に侵されているのを知ったからです。
母親と同じ筋ジストロフィーで、その看護の大変さを身をもって知っていたため、
妻に同じ思いをさせたくないと、離婚を考えたのです。
妻が浮気だと思っていたのも、病気の影響で手が震えてきているため、
リハビリ絵画を始めた西岡が、その教師と会っていたところでした。
しかし離婚すると妻がひとりぼっちになってしまうため、義兄の冤罪を晴らし、刑務所から出そうと考えたのですね。
そして改めて捜査をして、炭火焼の親子が犯人であることを突き止め、その父親の方に自首を勧めていたのですが、
その父親に相談したいことがあると呼び出され、殺されてしまったのです。
無骨な男の妻に対する深い愛情による、渾身の捜査だったのです。

▼1つだけ疑問
何故西岡は、真犯人が揉み消された時に、思い切って内部告発しなかったのかが、どうしても引っかかります。
公務員だからそのくらいではクビにならないでしょうし(悪いのは揉み消した側ですしね)、
内部告発しなかったとしても、親族から受刑者を出したということで左遷されてしまったのですから、
状況的には大して変わらないと思うのです。
本格的にやろうと思えば、依願退職して告発することもできたはずです。
確かに覚悟が必要なことですが、当時告発しなかったから、今これだけ面倒なことになっちゃったわけで、
ひょっとしたら自分は左遷されたけど、妻が煙たがっていた素行の悪い義兄が刑務所に片付いてくれて
ありがたいとか思ってたのかもしれないなと邪推してしまいます。
こうなると素直に感動できないのですが、見ている最中はつい小田和正にほだされてしまいますよねw




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