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シン・ドラマ汁


<新番組>遺留捜査 感想文

<新番組>遺留捜査 第1話
テレビ朝日 木曜夜8時~
▼どんな作品?
ボサボサ頭、肩かけかばん、自転車、スーツにスニーカーという姿の変人刑事・糸村聡が主人公の、
1話完結型刑事ドラマ第4弾。
糸村は他の捜査員が気にしないような事件現場の遺留品に徹底的にこだわり、
事件関係者の人間関係のもつれをほぐし、時には事件を解決へと導きます。
シーズン1では警視庁、シーズン2・3では東京の月島署という架空の所轄署が舞台でしたが、
シーズン4では何故か舞台を京都に移し、糸村と鑑識の村木以外のレギュラーキャストが一新されました。

▼シージャック事件
初回は2時間スペシャルで、神戸港を周遊する遊覧船で爆発が起き、
乗員乗客を人質に取られ、身代金を要求されるという事件でした。
船にはまだ月島署所属の糸村を初め、初の女性首相を期待される長部麗子とその一行が乗っていました。
それ以前に廃遊園地で爆発が起きており、その犯人と同一人物もしくは組織の犯行と思われました。
糸村は爆発が起きた直後に現場に向かい、和紙と思われる文字が書かれた紙片を見つけました。
犯人は乗員乗客全員の携帯電話を回収して海に投げ込み、1時間以内に2億円を用意しろと要求してきました。
2億円を要求したのは京都に本社がある黒沢興産という企業だったため、京都府警の特別捜査対策室の
神埼莉緒たちは神戸港に向かいました。
糸村は写真を撮っていた時、船から見える範囲に常に赤いワンボックスカーがいるのに気づき、
それを甲板から手旗信号で岸壁にいる莉緒に伝えたのです。
一方黒沢興産では、新規事業に用意していたと、本当に1時間で2億円を揃え、
要求通り受け渡しに行くのですが、犯人の指示で電車の窓から川に2億円を投げ込むことで、
刑事たちの尾行は失敗してしまいます。
身代金が犯人に渡ったことで、船は無事解放され、糸村は和紙の紙片を鑑定してもらうよう、莉緒に渡しました。
乗員乗客たちの携帯電話も無事回収されましたが、何故か麗子の携帯だけ紛失していたのです。

▼過去の事件
犯人は意外と早く判明しました。
黒沢興産で3ヶ月ほど前、権力争いに負けて退社した元重役と、その部下だった2人の元社員で、
廃遊園地からべたべた指紋が出てきたのでまず間違いないようです。
しかし彼らは身代金のありかや爆弾を作った共犯者を白状しません。
一方、糸村が見つけた紙片は、短冊などに使われる伝統の和紙でしたが、
短冊にしては少し小さく、指紋がついていたけれど前歴はありませんでした。
そのうち糸村は、黒沢興産の社長の父親で、先代の社長だった黒沢恒之助という人物に行き当たります。
恒之助は、その紙片はしおりで、自分が和歌を書き、早坂という代議士と娘ののぞみに贈ったものだと言います。
当時黒沢興産はその早坂代議士を支援しており、娘が産まれた記念に、父と娘に1枚ずつ贈ったもので、
その紙片は父親に贈ったものだそうです。
早坂は12年前、選挙運動中に選挙事務所の女性スタッフに乱暴を働いたとして訴えられましたが、
不起訴になったものの、評判はがた落ちで政治家生命は絶たれ、失意のうちに病死、
一方訴えた女性は不起訴が決まった直後にピルから飛び降りて自殺したという不幸な過去がありました。
早坂の妻もその後を追うようにして病死し、残された娘は犯罪者の娘としてどこに行ってもいじめられたり、
せっかく就職してもすぐにクビになったりと、惨めな人生を送っていましたが、
恒之助はその娘を、名前を隠してこっそり支援していたのです。
名前を隠していた理由は、黒沢興産がその後麗子を支援するようになったためだとか。
糸村はその娘・早坂のぞみを訪ねますが、のぞみは惨めな人生を送るきっかけとなった父を毛嫌いしており、
とても父親の復讐をしたがっているようには見えませんでした。

▼復讐劇
その後、黒沢社長がビルから転落して死亡しました。殺人の可能性が強いとのこと。
糸村は12年前の事件に目をつけ、情報を整理します。
そこで、ビルから飛び降りて死んだ森野静香という女性について調べることにしました。
なんと社長が死んだのと、その静香という女性が死んだ場所がまったく同じだったのです。
静香の母親に特別捜査対策室の佐倉路花と雨宮宏が会いに行き、静香が特に政治に興味がないのに
早坂の選挙スタッフを買って出たこと、そして死亡当時交際していたのが黒沢社長だったことが分かりました。
その後黒沢社長が麗子を支援し始めたことを考えると、黒沢が早坂を陥れるため、
静香を早坂に近づかせ、挙句に殺した可能性が高まります。
静香の父親は元黒沢興産の社員で、化学の知識もあり、彼が今回の復讐劇の主犯だろうと思われました。
次に彼が狙うのは恐らく麗子、麗子は支援者を集めて音楽会を予定しており、特別捜査対策室は
その会場に駆けつけます。
一方糸村と莉緒は恒之助を訪ねるのですが、苦しむ恒之助の部屋から男が逃げ出すところに行き当たります。
彼が森野に違いないと、糸村たちも音楽会に合流することにします。
音楽会では、演奏が終わった時に、麗子と恒之助の密談が場内放送され、大騒ぎとなります。
その録音を放送したのが森野で、森野はそこで捕まりました。

▼意外な首謀者
事件は終わったかのように思われましたが、糸村は最後に恒之助とのぞみを呼んで、真相を問います。
音楽会で放送された録音は、森野の手によるものではなく、恒之助自ら録音していたと思われたからです。
糸村たちが逃げる森野に行き会った時、実は恒之助がレコーダーを森野に渡していたのです。
今回の事件の首謀者は、12年前の罪を悔いた恒之助で、社長を森野が殺してしまったのは誤算でしたが、
麗子と黒沢社長の黒い関係を暴こうとしての犯行でした。
実は麗子は、社長が静香を殺した時の動画を持っており、それをネタに資金提供を強要していたのです。
それを偶然知った森野が恒之助に相談したのが、今回の事件の始まりでした。
動画は麗子のスマホに入っており、それを奪うためにあんな大掛かりなシージャックを敢行したというわけです。
病気のじいさんにしてはすごいアグレッシブですよね。
恒之助は早坂が死んでから、のぞみを自分の娘のように思いこっそり支援していたことを、
のぞみはやっと理解して、彼を許したのです。
いくつか疑問がありまして、まず麗子が持っていた動画ですが、12年前はスマホはまだ存在せず、
携帯ではあまり鮮明な動画を撮れるものはなかったはずです。
ビデオカメラなら撮れるでしょうが、何故あの現場にビデオカメラを持って行っていたのか不明でした。
ひょっとして最初から彼らは静香を殺すつもりであそこに呼び出したんでしょうかね。
私なら揉めると分かっている相手に誘われても、ビルの屋上とか絶対行きませんけどねw
また、糸村が初めて恒之助を訪ねた時、ああも簡単に自分が書いたものだと認めたのも疑問でした。
その後早坂の事件も克明に糸村に説明しており、まるで糸村に事件を解決してくれと言っているようでしたが、
老い先短い恒之助自身はともかく、他の共犯者たちにはえらい迷惑ですよね。
恒之助が事件に無関係なら理解できるのですが、首謀者ってのはさすがにちょっと無理があるように思いました。




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