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シン・ドラマ汁


<最終回>小さな巨人 感想文

小さな巨人 第10話(最終話)
TBS 日曜夜9時~
▼血のついた紙片
今回ですべての決着がつくと、大層楽しみにしていたのですが、正直よくわからない展開でした。
1回見ただけではよくわからなかったので、2回見たのですが、やっぱりよくわからない。
これはもう、「わからない」と正直に感想を書くしかないなと思いました。
まず、裏帳簿の切れ端の謎は解けました。
と同時に、17年前の山田父の運転手の死の謎も解けましたね。
17年前、金崎(当時はまだ山田)が裏帳簿を手にした運転手と争っていて、金崎は口のあたりから出血、
その血痕が裏帳簿の1ページ目、香坂父の名前が書いてあるページについてしまい、
運転手がそのページを破りとって、堤防から落下してしまったため、
現場の後始末をした当時捜査一課長の富永が、事件を自殺として隠蔽するため、
運転手の死体が握っていた紙片を証拠物件として採用せず、小野田に処分するように渡したと。
小野田はその紙片を捨てる気になれず、捜査一課長になってからは、ずっと捜査一課長の部屋にある
金庫の中で保管していて、そのことが事件を終わらせる大きな要因となるのですが、それはまた後述します。
そして香坂父は、裏帳簿に自分の名前が載っていることなど知らず、
金も受け取ってなかったのですが、どうやら名義を勝手に使われたようです。
ついでに書いておくと、香坂父は金崎に自首すると言われ、自分も退職を覚悟をしたのに、
金崎が富永に自首を止められ、自分も退職を止められてしまい、挙句に小野田に追い落とされ、
その後はパッとしない刑事人生を送ることになったようですね。

▼ボールペンのキャップ
なんだかんだあって留置場に入れられたけど出てきた香坂は、捜査を再開するのですが、
ここで彼が固執したのがポールペンのキャップです。
早明学園の記念式典で配られたボールペンのキャップが現場に落ちていて、
横沢が現場に行った時、蹴飛ばしてどこかにいってしまったとのこと。
しかし捜査ではそんなものは見つかっておらず、通気口や排水溝に落ちてしまったものと思われました。
香坂が疑ったのは、そのボールペンを使っていた小野田。
横沢は、現場で富永が何者かに電話していたと言っており、藤倉に取り寄せてもらった富永の携帯の
通話記録を調べたところ、その時間付近に小野田と通話していたことが分かったからです。
小野田は香坂の意図に気づき、学園にキャップを探しにいきますが、それは香坂が仕掛けた罠だったのです。
香坂が雨どいの口からキャップを取ろうとしていた小野田を犯人扱いしますが、
小野田は自分が犯人ではないと主張し、譲りません。
本物の証拠品のキャップから指紋は出てこず、小野田は自分のキャップを持ってきたことが分かり、
横沢の送検が迫る中、捜査に暗雲か垂れ込めます。
そんな時、香坂たちの捜査情報を富永に漏らしていた須藤課長の携帯から、
富永が2つの携帯を使っていたことが分かります。
新たに分かった富永の携帯の通話記録から、富永は金崎と通話していたことが分かりました。
金崎も例のボールペンを使っており、キャップはありませんでした。
金崎と富永に香坂は迫りますが、証拠がないと富永に追い返されてしまいます。
ここまでで思ったんですけど、あまりにキャップ1つで大騒ぎしすぎじゃないですか?
記念品で他では入手できないとはいえ、金崎は記念品を贈呈する側ですし、
同じボールペンを何本か持っていても不思議じゃないです。
そして何故現場でキャップを落としたボールペンを、捨てずに使い続けていたのかも理解不能です。
そんな危険な物、すぐに捨ててしまった方がよくないですか?
それをあろうことか香坂の目の前で使うなんて、私ならできませんw

▼小野田の正義
クライマックスは、香坂と小野田が捜査一課長の部屋で対決するシーンでした。
香坂は、小野田にあの紙片を提供してくれと、土下座して頼みます。
小野田はそんな香坂につい、証拠を隠蔽したと話してしまい、懐にレコーダーを隠し持っていた香坂は、
そのレコーダーを小野田に渡した上で、これで対等だと言い、さらに紙片を提供するよう説得します。
香坂は、富永に捨てるよう命じられたのに、それを後生大事に持っていることが、小野田の正義だと言います。
世の中がうまく回るためなら汚職上等と言い放ち、上司のために殺人すら隠蔽してきた小野田の、
心の奥底に眠る正義なのだと。
ええ、ここにきて良心への訴えかけなの?と思いましたけど、小野田、折れましたね。

▼疑問
ここで疑問に思ったのは、紙片が香坂の手に渡ったからといって、送検秒読みの横沢の釈放に、
すぐにつながるとは限らない、むしろそんなの不可能じゃないかってことです。
つまりこの紙片は、証拠品として提出したのではなく、政治に利用したということでしょうかね?
紙片を証拠品として調べれば、DNAから金崎の血であることが分かり、17年前の運転手の死が、
自殺ではなく金崎による他殺の疑惑が出てくるということになります。
その上、紙片に書いてあるのは香坂父の名前で、早明学園の汚職に当時捜査一課の刑事だった人物が
関わっていたということも分かります。
ですが、最近起きた事件の証拠ではないですよね。ずっと捜査一課長の部屋に眠っていたわけですし。
それで何故金崎が最近起きた事件の犯人として逮捕されることになり、富永は何とか逃れ、
金崎は17年前の事件については関与を否定することになるのが、よくわからなかったのです。
私的には、17年前の事件を有耶無耶にするのと引き換えに、最近の事件の犯人として金崎を逮捕、
要するにトカゲの尻尾切りをやったようにしか見えなかったのですが、この認識、合ってますでしょうか?
つまり、事件は半分くらいしか解決しておらず、大団円ではなく団円くらい…てのは、
何だか芝署編でも書いたような気がしますw
あと、前回の感想に書いたと思うのですが、江口を殺すために鉄骨を落とすなどという、
しち面倒くさいことをしなければならなかったのかの答えは、わかりませんでしたねw
前にも書いたように、あの方法で殺すには、ターゲットが鉄骨の可動範囲に留まらなければならないし、
あの状況で「こーろそっ」て思ってすぐ用意できるようなモノではないですよね。
現場で偶然鉄骨を見かけて、あれで殺そうと思ったのでしょうか。そもそも何故鉄骨があったのか…。
他の部分にもいろいろ穴はあったと思いますが、この鉄骨殺人だけはどうやっても擁護できないわw
何故もっと楽で確実な方法にしなかったのか、本当に謎です。
和田ならエルボーとかでも楽勝でしょうに。

▼総評
面白いのは面白かったんですけど、何かこう、詰めが甘いというか、スッキリできないというか、
見ている最中は勢いに圧されてあまり感じないんだけど、後で考えると疑問に思えることが結構あるドラマでしたね。
そこそこ好評だったので、続編があるかもしれませんが、あるのだとしたら、
今度はもうちょっと精緻な脚本にしていただきたいです。
おじさんに怒鳴らせときゃ面白くなんだろ的なドラマには、しないでほしいものですね。




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