✪ スリーティル
- カテゴリ:30代以上
- 2017/05/05 15:04:39
休日、久々に友人を訪ね夢見町までお出かけ。
渋滞が嫌いな私は黄昏時に家を出た、
待ち合わせ場所は月のショット・バーである。
久々に飲みながら語り明かそうとのこと、
この店に来るのは初めてで何やらチョットした胸騒ぎ。
扉を開ける頃にはあたりはすっかり宵闇に包まれていた、
周りには明かりもなく満天の星空が三本の尾を引いていた。
お店はカウンターだけの小さな作りで幻想的な作りになっていた、
店主は体がひとつで首ふたつの月彦月子で切り盛りしていた。
友人はまだのようだった、
カウンターの奥にはヒキガエルの顔をしたウサギが座っている。
「いらっしゃいませ、待ち合わせですか ?」
月彦月子ふたりというかふたつの顔で一緒に声をかけられた。
「はい」
どぎまぎしながら私は答えた。
「どうぞ、ごゆるりと」
私は何を頼もうかと迷いながら雲の椅子に腰を掛けた。
「お客さん、ここ初めてですょね」
また一緒に声をかけられた、あまり深く考えないで答えた。
「ええ、何かおすすめはありますか」
奥に座っているヒキガエルのウサギの飲んでいる、
羊歯の瓢箪の形の徳利から注がれる朱色の液体も気になったけど、
やはりおすすめを飲んでみたくてそちらを注文することに。
出されてきたのはカクテルのようなハイボールのような飲み物、
炭酸のような気泡は星の形で赤やら青やら黄色といった色が見える。
口に含むとそれは口の中で何種類もの味に変化し、
私を楽しませてくれた。
「問題です。このお酒、何種類の味がするでしょう ?」
月彦月子は微笑みながら私に声をかけた。
「無限大じゃない」
私はグラスを土星の輪の光にあてながら答えた。
「さすがですねーお客さん、
気泡の数と色の変化で無限に変わるんですょ。
でもね、このお酒。
飲む人の感覚でおいしくもありおいしくもなくなるんです。
あなたの匙加減ひとつで決まるんですょ」
いっぱいごとに、一度きりの味を出す流星というカクテルだそうな。
遅れてきた友人も、流星を頼んで明け方まで話は尽きなかった。
なんか えぐいわ! 月彦月子ガハハハ
ニコタの方が もっとエグイ人多いかもね!w
オォ〜〜こわっ!!!