異言語誤入力による脳内曲解事例
- カテゴリ:日記
- 2017/04/16 08:47:48
日本文化の偉大な発明品、カタカナは色々な問題を起こしてくれる。
カタカナに罪はない。異言語変換の過程で取捨選択変容は付き物です。
受容側の私が混乱し、落としどころを探してトンデモナイ地点に着地しただけ。
より原語に近づけようという表記が流行った時代がありました。
有名なのは『ビッチズ・ブリュー』事件。ブルーが正しいという評論家がいた。
さてブルーと書かれると……アルバムの印象がガラリと変わってしまう。
マイルスにブルーという語を使うなら50年代の諸作である。
ケニーバレルやトレーンの初期、なぜかグラントグリーンも脳裏をよぎる。
『ビッチズ・ブルー』というアルバムは私の中には存在しないんですよー。
ロック系だと……ああ、『461オーシャン・ブールヴァード』ってヤツ。
クラプトン復活後のアルバムの中では一番好きなんですけど、
脳内で勝手に『オーシャン・ブルーバード』と呼んでるんです。
名曲『レット・イット・グロウ』の憂愁が好きなので、その方がピッタリくる。
ジョージハリスン経由オールマン風味のギターアンサンブルがブルーに響く。
だから断固としてブルーバードと呼称して譲らないのです。
タンパ・レッドというブルース屋がいます。私はタン・パレッドだと思ってた。
彼を紹介した吾妻光良がタンパレッドと表記したのがいけないのである。
パレッドっていうブルース弾きを聴きたいんだ。え? そんなヤツいない?
以上は音楽関係の戯言でありますが、英単語の略称は生活を脅かします。
生まれて初めてLGBTという単語を見た時、新種のミサイルだと思った。
ICBMと間違えているのである。世界への破壊力という点では同様かもしれん。
LSDという単語、リミテッド・スリップ・デフレンシャルで覚えた。
昔のスポーツカーのカタログでたまに見かけた競技用の機構である。
そのせいでLSDという薬物に競技性を感じるのである。使ったことないけど。
愛用のギターの中古を探すべく検索する。ゲームと業務用サーバーがヒット。
そのうち某社のスポーツ系ワンボックスカーの記事がよく出るようになった。
少々困るのである。俺は楽器を探しているのである。プンプン。
仕方ない。多弦を注文すると幾らかかるか調べてみることにするか。
カスタムメイドで検索した……な、な、なんだ? こ、こ、これは……!
私の驚愕はご想像頂きたい。これは今年初めの話である。
本題に戻しましょ。異言語がトンデモない方向に捏造・誤訳されて、
さらに受容側の勝手な思い込みで遥か彼方に着地するのは一種のアートです。
ディスコミュニケーションを信奉する私、コレに悩みながらも楽しんでいる。
さて私が一番語りたかった内容は上記のどれなのか。そんなの知らん。
ご自由にご推察いただきたい。誤解というのは存在しません。
十全な正しさと弁護の余地なき誤謬は、常に共に在る。真理でございます。
そうなのですよ、一度刷り込まれたらその字面と音でイメージが固着しますよね。
定着あっての受容と鑑賞なので、もはや別物としか思えなくなっちゃうんです。
だから原語で書くんだという方もいらっしゃいますが……うーん、馴染めませんです。
わたしはそういう原語発音至上主義にはなじめません。
今さらダーストイェフスキーと呼べといわれても無理ですよー。