古の物書き志望のささやかな苦悩
- カテゴリ:小説/詩
- 2017/04/13 10:00:38
年間八万点以上が刊行される時代、一冊の書が持つ意味って薄れてますよね。
自分で紡いだ物語を世に晒したいなら、投稿サイトだってあるわけです。
実は悩んでいる。見切り発車するか、熟慮して組み直すか。
音楽や歌詞とは別に「物語」りたいという欲求があるのです。作品志向かな。
私だって(一応)文学部出身である。人並み以上に自己顕示欲もある。
ところで、人のアイデアの二番煎じになるのは避けたいという気分もある。
以前、フィルムカメラを絡めたコメディーを書き始めたのですが、
似た設定のものが出ているので断念した。書いた者勝ちである。
さて現在チョコチョコ書いてるのは、異世界ラノベ的無常観小説です。
投稿サイトの主流は転生チートとタイムリープのようですね。
これって旧世代には『生の不可逆性・一回性』の否定に思えて違和感がある。
転生者が跋扈する異世界で、蹂躙される小悪党や怪物どもはどう思うのかしら?
名もなき市井の有象無象を愛する私としては、そういう連中の日常を描きたい。
これは現代の暗喩にもなるかもしれないと思い、ずいぶん前に書き始めた。
とりあえずドタバタ中心稀にシリアスという五十話弱が溜っている。
先日読み直してみた。時間経過で並べていたのだが、錯時法で並べかえるか?
充分な説明がある作品というのは下賤で低俗だという偏見があるのです。
そんなモンは読者が見つければよいのである。難解にしてみるか。
面白いもので、登場人物が勝手に動き出す。いろいろ文句を言われる。
ココはこうじゃねーだろ、と言われてもう少し内省的に直す。
アタシはこんなこと言わないと文句を言われ、セリフを無くしプロット変更。
迷宮やら魔物やら魔法やらも出してみたが、知識不足でコメディにしかならない。
これはファンタジーであろうか? いやー、なんか人情系時代小説みたいだ。
備前長船が剣に、十手が魔法杖に置き換わっただけだ。複雑である。
主人公の初老男にはもちろん私と若干の泰平ヨンが投影されてしまったのだが、
吉田兼好と柳沢淇園と永井荷風の混淆物にも見える。受けないだろうなー。
屁理屈をこねくり回し、肝心な時は逃避し諦め長いものに巻かれる。
これはファンタジーというよりドタバタ人情SFと評するべきかもしれん。
音楽・芸術ネタや各種学問ネタがそこら中にぶちこまれ、作者だけが楽しい。
よし、もう少し手を入れよう。せめて作中人物には幸せになってほしいのだ。
亀レス陳謝。異世界転生ループ物の氾濫している人気サイトを考えているのです。
あの界隈からも必ず次世代を担う『文学』が出てくるはずだ、と盲信してる部分もありまして、
だからこそ若い読み手の集まる場所に年甲斐もなく身を投じてみたい、などと思っております。
すごく読んでみたいのですが……!
わたしは、妾(わたし)が一人称のぱっと見わたしふうの主人公が出てくる、
例の架空のFPSゲームの出てくる秋葉原のシリーズ、あれの新しいのを書きたいなぁと思ってマス。