若き日の渡瀬恒彦
- カテゴリ:映画
- 2017/03/16 08:54:00
享年七十二、合掌。テレビの各シリーズでお茶の間に浸透してる人ですが、
私は任侠映画が苦手なのでこの人の若い頃の演技を知らなかった。
実は、狂気を湛えた悪役としての演技、なかなか格好いいんですよ。
角川映画全盛期、大作はほとんど封切で観た記憶があります。
半村良原作、千葉真一主演の『戦国自衛隊』も当時見ました。
ヒデェ映画だと呆れ、記憶から消去してたのですが、先日見返す機会があった。
酒も映画も寝かすと旨くなるんだなー、と感心した。今見ると面白い。
70年代前半の放埓な雰囲気が濃厚に残っている。音楽もたいへん宜しい。
今をときめくビッグスターの若い頃が見られるのも感慨深い。
渡瀬恒彦は、クーデター未遂で処罰降格された不良自衛官の役。
タイムスリップした戦国時代で村を襲い略奪の限りを尽し、仲間に殺される。
おお……爬虫類の如き眼、なかなか佳い味を出していたんだなー。
この映画には、かまやつひろしも弱気の一兵卒役で出ています。
千葉演じる分隊長が歴史への介入を決意したとき、一人だけそれに従わず、
現地の子供とノンビリ生きる暮らしを選ぶのです。非常に彼らしい。
角川映画が大嫌いだったけど、今見るとギラギラした輝きを感じる。
同世代ならこの気持ちを分かってもらえるかも。40年前ですからな。
『皇帝のいない八月』も見返そうかな。連休の課題としましょう。