21世紀の真空管を紹介しよう
- カテゴリ:音楽
- 2017/03/05 09:34:17
一部マニアは既にご存じかもしれませぬがご容赦を。
真空管という絶滅危惧種のデバイス、某コルグが昨年新製品を出しました。
『Nutube』という名の、蛍光管を改良した低電圧動作の双三極管。
真空管はハイファイと別路線の音色を持つ独特な素子なわけです。
数百ボルトの電圧をかけて動作させるものが中心ですが、コレは5Vから動く。
ポタというヘッドフォンアンプへの活用が始まり、市販品も出そうな勢いです。
入力側の一部に石(ソリッドステート)を使う回路図が公開されてますです。
ですから純然たる昔の音ではないんでしょうけど、未聴の世代には新鮮かも。
有志がキットや製品版を発表してますので、興味のある方はご検索ください。
あ、コレでスピーカー鳴らすのは結構ムリそうです。増幅率が低いから。
でも興味を持ったリスナーに真空管という選択肢ができるのはイイことだなー。
某コルグは私の好きな楽器屋なのです。マニアの発想が未だに残ってて。
そうそう思い出した。昔の知人から連絡があり借りてたものを返したいという。
大昔のダイレクトドライブのレコードプレーヤー。あげたつもりだった。
システムを完全にデジタル化して邪魔になったんだな、クラシック好きだし。
コレが帰ってきたら全てアナログ体制で鳴らしてみるか。デジタル聞き飽きた。
まずはプレーヤーの校正から。これを知らない世代もいるだろう。
ストロボパターンをターンテーブルに載せて蛍光灯を当てて微調整する作業。
フォノイコライザは自作もできるが面倒だ。フォノイコ内蔵のアンプは……。
アキュフェーズのプリアンプのジャンクを近所で売ってる。2万円。
これを買うか。でもデカくて重い。安いサンスイの907あたりも候補。
パワー部はマッキントッシュといいたいがバカ高い。エレキットにするか?
いやいや少々馬力に欠ける。アメリカ管よりヨーロッパ管のほうが好きだし。
あ。オレのギターアンプに繋げばいいじゃねーか。EL34のプッシュプル。
それならプレーヤー→フォノイコ→ギターアンプで完結するな、安上がり。
ギターアンプでオーディオ再生というのは大馬鹿だと思われるでしょうが、
実はごくごく一部にそういう酔狂をやって悦に入る連中もいたのですよ。
どんな音か、ですと? えーとね、あくまで私の主観で喩えますぜ。
JBLの大型マルチスタジオモニターで整然と鳴っていたにも関わらず、
古いアルテックのフルレンジにぶちこんでガンガンに鳴らした感じ、かな。
帯域狭くてモロ脚色された中音密集の癖だらけの音、そこがイイんすよ。
マイルスのラウンドアバウトミッドナイトとかデクスターゴードンが似合う。
耳のいいマニアが毛嫌いする音、でもあの時代の音の稚拙なシミュレート。
こういうのはヘッドフォンから聴こうと思わないなー。苦手なのです。
通信カラオケ全盛期にデータ作りでCD渡され、毎晩採譜して打ち込み。
あの時にヘッドフォンは飽きてしまったのです。少々難聴気味だし。
わー大脱線しちゃった。とにかく真空管ってのはマニアの道具です。
でも店頭で見かけたら一度試しても宜しいかも。新鮮だと思いますよ。
単品でも1本6000円弱で売ってますぜ。自作マニアはご一考を。
ザッパ好きには重度のビョーニンが大勢おります。故 小川銀次とか。
実際は複数のシステムを準備し、音源に合わせて使い分ければいいのかもしれないですね。
ECMのクリスタルクリアなサウンドもいいわけだし、ESPのカオス的音像も好きですし。
レーベルでインプットされ耳が慣れると、そのアーティストの後期の作品がイマイチに感じる、
この理由は録音方法なんだと思いますが、再生側にも責任の一端はあるのかもしれないですね。
ロックやブルース系のレーベルでも、音の違いが顕著で面白いです。
中域と簡略化して書きましたが、実は周波数分析とは全然異なる問題でもあるんですよね。
汚い通りの2階にある廃室みたいなジャズ喫茶で、カウンターも椅子もヤニだらけでベタベタ、
気にせずもたれ、煮詰まった不味い珈琲を啜りながら聴く4ビートジャズ、そんなイメージです。
すごいですね!
そういう発想はなかったです。
フランク・ザッパが「黙ってギターを弾いてくれ」ディスク1最後の曲で、みんななんのエフェクターを使っているかわからず、結局アナログシンセをかまして弾いていたのがわかったみたい。
AKGのエントリーモデルのヘッドフォンを使っているのですが、わかります。
たしかにデスクター・ゴードンのブルーノート、ベツレヘム盤なんかだとガッツに乏しい音というか。
ジャズならECM、スティープルチェイス、あとはクラシック向きのヘッドフォンかも。
マニア道は酔狂なほど恰好よく見えるもんですね♪