『道「五十代で初心者マーク期間過ぎました』
- カテゴリ:自作小説
- 2017/02/10 14:29:47
先日、五十歳を過ぎて初心者マークが外れましたー当然、自動車免許の、です。ということは、一年前まで私は運転免許をもっていませんでした。生まれて半世紀です、はい。一年四か月前、諸事情で昨今の高齢ドライバーの免許返納の風潮に逆行するように、自動車学校の門をたたいたわけです。
その後、自動車学校をまじめに通い続けて、四か月、涙と金と時間を壮大に突っ込んで私は一年前、生まれて初めて自動車免許証を手にとりました。どんだけの惨状だったかを語るのはやめます。ただ、教習所内のコースを時計回りに回るだけなのに、コーナーでハンドルを回す手がばってんになってから、手が動かずに教官が助手席から、手をのばして、コーナーを曲がっていた段階から脱出するのに四時間ほどかかったという事実で、ほぼご理解いただけるものと思います。
免許証を受け取った時、免許証はキラキラ輝いて見えました。
そして、始まった初心者マークでの運転の日々。こんな年になって免許証とるのは、身分証明書のためでなくて、運転するためです。なので、初心者マークつけて私は車を運転しました。
道路の真ん中を自分のおぼつかない運転で、走る自動車は左右に揺れ、間違いなく「やばい運転」だったことは否定しようがありません。買い物に要する時間は車使用しても、徒歩と大差ありません。駐車に膨大に時間がかかるからです。
しかし、私は運転を続けました。運転をやめたら、二度と運転することが出来なくなるという自信があったからです。
そして、免許をとって半年を過ぎた頃、私は初めて有料駐車に車を止めることになりました。駐車場の入り口で駐車券を取ろうと窓を開け手を伸ばしました。
「え?」
愕然としました。駐車券に手が届かないのです。慌ててドアを開けました。ブレーキを踏んだまま、ドアを開けても届きません。すでに頭がパニック状態です。シートベルトを外しました。駄目です。思わずブレーキを踏んだ足が浮きかけました。クリープ現象で車が動きかけて、慌ててブレーキを踏みこみました。無理です。私は、サイドブレーキを踏み、シフトノブをパーキングにして完全に停車して、車から半分からだを出してようやく駐車券をとりました。後続車をミラーごしに見て私は泣きたい気持ちで、でも、駐車場入口のバーがいつ下がるかビクビクしながら、シートベルトを締め直し、ブレーキを踏みながら、サイドブレーキを解除し、ドライブモードにして、ようやく駐車場に入りました。幸い、ゲートのバーは私の運転を待ってその間 上がりっぱなしでした。バーに感謝したいと思いました。その後、当然ですが、狭い駐車場で隣接して駐車する間に、自分の運転する車を納めるのに、これまた膨大な時間を費やしたのは言うまでもありません。
免許とって半年たっても、自分の運転がほぼ上達していないのを体感したのはショックでした。
更にその四か月後、今度は初めての自動洗車機に挑戦しました。侵入の幅が狭いので、側面に車をぶつけないか不安でしたが、洗車機のセンサーは前進からの停止を私に指示しました。ああ、無事洗車機に侵入した、と私はほっとしました。そして洗車機から水が放水を始め、ブラシが下りてきて、…ブラシが…宙ぶらりんで止まった…。えっと…。こういう時は、じっといつまでも待ってるのが最良であると免許取得以降、経験上学んでいたので、じっと、待ちました。機械が思い直して再び動き始めるかもしれませんし、下手に動いたらとんでもないことになる可能性もあるからです。機械が考えを改める前に、店の人が来てくれました。機械をリセットして、私の車を少し動かすように指示してくれました。先日、問題なく洗車できた時は、ほんとにほっとしました。いや、普通のことのはずなんですが、私には一大事業なのです。
こんな状態でも、一年たってしまうと初心者でなくなるわけです。それでも、一年半前、自分が運転する姿を想像もしていなかったのに、自動車を運転している現実があります。
慣れたいとは思いません。恐怖と共に運転していこうと思います。
五十代で初心者マーク期間過ぎました。
おわり
えっと……
マクドとかのドライブスルーでも発券機と同じ現象がおきます・ω・;
駐車場は二台分あいてるところがなければ、あきらめて路上にとめます・ω・;
三叉路に左側しかミラーついてなくって、ミラーかくにんおっけえ♪と右側にまがったら、右側からきた車とばご~ん・ω・;(車のおめめがつぶれた)
洗車場……そういえば世の中にはそんなものがありましたね……!(←)
車の運転まじこわいですよね;ω;
でもこの恐怖心があるかぎり、常に安全運転できると思います^^
私もがんばりますw
若葉卒業、おめでとうございました^^!
発券機と自動洗車、コメント見て ちょっと驚いています。
発券機にちゃんと車を寄せることができるのが当たり前で、あるあると言っていただけて ほんと
気持ちが軽くなったです、ありがとうございます;;。
自動洗車も、皆さん普通にやってるので、できるのが当たり前だと思って、チャレンジ頑張ったら
洗車機が途中で止まるなんてあるんですね(--;
無人洗車場は行かないようにします。。。
ここのアドバイスが有難くて、ほんとに嬉しいです。
そして、免許とってすぐにも今のように雪の積もる道を走っていたことに、
私は驚きと尊敬の念を抱いたことも。
一年経っても変わらぬ緊張と気遣いを忘れていないようで、
どっちかというと長年運転して慣れてしまった人よりも安全運転ができているのではないかと思います。
認知・判断・操作のどれにおいても、
年齢とともに時間が必要になってきます。
車間距離や動き出しに急に力を入れないことなど気をつけるようにしています。
さらに大事なことは平常心ですね。
駐車場の発券機、洗車機とのやり取りでは落ち着いて対処できたと思います。
すばらしい!
(そして文章もすばらしくおもしろい!w)
安全と健康第一ですね^^
市役所は人が駐車券を渡し、回収するのですが・・・お互い身を乗り出します。
洗車機も怖くて・・・今まで2回ほどしか・・・(:_;)
ぼうぼうさん、初心者マークは永遠につけておきましょうよ。
周囲が暖かい目で見てくれますよ。
私、はやく高齢者マークをつけたいくらいです。
そういうぼうぼうさんだからこそ、運転もチカラをぬいたらスムーズになる、ぜったいなる!!!えいえいおー!ビヨw
私は30で免許をとって、いつの間にか20年以上運転しています。
おっかなびっくりではなくなりましたが(当社比)未だに怖いです。
有料駐車場の駐車券が取れない、入れられないでドアから完全に車外に出たこともあります。
そして自動洗車機は未経験です…
おっかなびくりでも踏み出せば
前進