ヌキエモンの真相を知る
- カテゴリ:日記
- 2017/01/28 08:31:03
ネコ型ロボットとは無関係です。正確には『抜衣紋』と表記すべきですが、
「ヌキエモン」という音で語感で覚えてしまったのでございます。
物心つくころにはこの単語を知っていた。和服のダラシナイ着方という印象。
浴衣や和服をだらしなく着ると後ろ襟が大きく開いて襟足が見えますよね。
これが抜衣紋。自分で浴衣や和服を着ると、必ずこう叱られて直されたものです。
どうやら芸者や遊女、女形がやる下賤な和服の着方という印象を抱いていた。
半世紀以上経過。昨夜テレビで『日本の芸能』という番組を見ていたら、
左団次や贋治郎の古い映像を比較して、東西の歌舞伎の違いを詳しく解説している。
上方歌舞伎の二枚目には笑いの要素が必ず入るなんて初めて知った。
芸能好きなので真剣に見てしまった。そこで着付の例として出てきたのが抜衣紋。
襟足の白さで女性の色香を引き立たせる着方であり、贋治郎の演技が絶賛されている。
うーむ、ナルホド。芸者や女郎というのは私が抱いた偏見だったのか。
親族に歌舞伎クレージーが大勢いるため、歌舞伎用語は山ほど耳に入っていました。
ですが私は誘われても断固拒否していたので、未だにきちんと見ていない。
生を見ていれば分かるのでしょうが、ふーむ、抜衣紋は蔑称ではなかったのか。
ブリティッシュとアメリカンロックの違いなら聴き分ける自信があるんだけど。
歌舞伎は無理、あの膨大な系譜、役者、演目、見処……説明ないとワカラン。
さらに踊りだの三味線だの、家元系の芸事や和装全般の知識も必要だし。
オソロシイ。歌舞伎畏るべし。オペラとタメ張れる総合芸術ですものね。
せめて入門書や解説書を読もうか、と数年おきに決意して萎んでしまう。
なお現在の私の和装は、襟元を高く上げて窮屈に着る。ヌキエモンの魂、百まで。