ヤンキーに絡まれまスター! (その2)
- カテゴリ:日記
- 2017/01/24 23:30:50
「ど、どうしよう?」
「コピーしたらいいじゃねぇか」
「そ、そうじゃなくて、この金庫。 こんなにしちゃって!」
「しょうがねぇだろ! 暗証番号を書いた紙が見つからなかったんだから!」
「だからって、粉々にすることないでしょ!」
「ふん、金属バットで叩いたら粉々になるような金庫、買い換えたらいいんだぜ!」
「って、何で金属バットを持ってるの?」
「あれ? 知らねぇの? 不良ってのは、常に金属バットを持ち歩いてるもんなんだぜ!」
「聞いたことないけど」
「でも、よかったじゃねぇか。 無事、校則の原文が手に入って」
「うん、それはよかったけど…。 随分、枚数が多いね、これ」
「そうだな。 コピーするのに、かなり時間がかかるかもな」
「これ全部 学校でコピーさせてもらうのは、申し訳ない気がするね」
「そうだな。 コピーしてるところを、見回りの先公に見つかったりしても面倒くせぇしな。 じゃあよ、ほら、校門を出たところにコンビニがあっただろ? あそこで ・・・」
「え? どうしたの、バラキ君?」
「おい、セイジ! 外を見てみろ、すげぇぞ!」
「え? 何が・・・? うわっ! さっき観た、スター・ウォーズに出てきた 帝国軍の兵士がたくさんいる!」
「何で お前の学校の前に、あんな大勢のストームトルーパーがいるんだ?」
「し、知らないよ」
「それにしても、多いな。 学校の敷地をぐるりと囲まれちまったんじゃねぇか?」
「え? 包囲してるってこと? な、何のために?」
「さあな。 あ、もしかして、ヤツらも その校則の原文を奪いに来たとか?」
「えぇー! こ、この、宇宙的にも稀な、と、とても 平和的な 校則を、う、奪いに来たってーー?」
「大げさすぎだろ!w 」
「で、でも、この校則がまだ銀河系にあるというのは、帝国軍にとっては かなりの脅威なんじゃないの?」
「それもそうだな。 校則の制定から70年。 一度も他校と喧嘩してねぇってのは、かなりの脅威かもな!」
「ど、ど、ど、どうしよう? この校則は、絶対 守り抜かなきゃいけないけど」
「落ち着け、落ち着け。 要するに、奪われる前に 副会長に届ければいいわけだよな?」
「うん。そうすれば、わかりやすく書き換えてくれるって、言ってたよ」
「それを対案として提出できなければ、喧嘩どころか 戦争をもできる校則に変えられてしまうんだったな?」
「うん。そうなんだけど、こんなに囲まれてしまったら、絶体絶命だよー」
「どこがだよ! まだ、攻められてもいねぇうちに諦めるんじゃねぇよ! ほら、外を見てみろよ、まだ敷地内に一歩も入って来てねぇだろ? いや、待てよ。 入って来れねぇのか?」
「それはつまり、この校舎が ”いかなる暴力も認めない” 校則9条の力で守られているからってこと?」
「そうだぜ! 見えねぇけど、この校舎全体が シールドで守られているんだぜ!」
「す、すごいよ! 9条の力って本当にあったんだ!」
「でもよ、あの大人数でかかられたら、シールドが破られるのも時間の問題かもな」
「け、結局、数の力に押し切られてしまうってことー?」
「どうせ力を合わせるなら、平和目的に利用して欲しいよ…。 おい、セイジ! 時間がねぇ、急ぐぞ!」
「うん。 どうにかして、副会長に この校則を届けなくちゃ! で、でも、どうやって? 外には出られないけど…」
「お! いいものを発見! これで送ればいいんじゃねぇか?」
「あ!ファックス! そうか、これで副会長の家に送ればいいのか! あれ? でも、使えない…」
「え? お前、ファックス使えねぇのか?」
「そ、そうじゃなくて、このファックス、うんともすんとも言わないけど」
「電気が来てねぇのか?」
「あれ? 今 停電してる? も、もしかして、帝国軍に切られちゃったのかな?電線を?」
「あ、それともブレーカーが下りてるとか? ほら、さっきバットで金庫を叩いたろ? その衝撃でブレーカーが下りた可能性もあるぜ!」
「そんな話 聞いたことないけど」
「まぁ、とにかく ブレーカーを見に行って来るぜ」
「どこにあるか、場所はわかるの?」
「職員室にでも あるんじゃねぇか?」
「職員室なら、この下の階だけど」
「よし、じゃあ 行って来るぜ!」
「念のため、気をつけて行って来てね、バラキ君」
「バラキじゃねぇ! バラキン・スカイウォーカー だぜ!」
「か、完全に スター・ウォーズになりきっちゃってる…」
「では、フォースと共にあらんことを!」
(↑スター・ウォーズで言うところの”幸運を祈る”みたいな意味です)
「あ、電話だ。 はい、もしもし。 あ、バラキ君!」
「やっぱよ、ブレーカーが下りてたぜ! 上げてみたから、ファックス使えるかやってみ」
「うん。 あ、使えるよ!」
「じゃあ、枚数が多いから、とっとと送っちまえ」
「うん、送り始めたよ」
「え? ちょっと待て」
「え? なあに?」
「あ、いや、ファックスは送り続けろ。 おい、今 すごい人の人影が見えたぜ!」
「え? 誰の? も、もしかして、校長先生?」
「いや、そうじゃねぇ! 聞いて おどろけ! ベイダー卿!ベイダー卿のお出ましだぜ!」
「えっ! な、何で、ダース・ベイダーが、うちの学校にいるの?」
「知るかよ、そんなこと!」
「それに今、この校舎は9条のシールドで守られてるよね? それなのに、どうやって入ってきたの?」
「ベイダー卿に、そんなもの通用しねぇだろ! あ、入って来た!後ろの出入り口から入って来た!」
「え! ば、バラキ君、隠れて!」
「す、すっげー! 黒光りしてるぜ! あ、やべ 見つかった!」
「きゃー、絶対絶命!」
「おい、セイジ! 聞いて おどろけ! ベイダー卿が、俺を弟子にしてくれるってよ!」
「え? あ、ダメダメそんなこと!」
「一緒に力を合わせて、美しい国をつくろう だって!」
「え? ず、随分、小さい野望だね?」
「やっぱ、お断りするのは失礼だよな?」
「ダメダメ、断わって、断わって!」
「何でだよ! こんなチャンスめったにねぇぞ!」
「だって、ダース・ベイダーの弟子になるってことは、ダークサイドに堕(お)ちるってことでしょ?」
「本望だぜ!」
「バラキ君は良くても、ご両親が悲しむよ!」
「あ、そういえばそうだな。。 あ、あの、ベイダー卿、こういう大事なことはですね、一旦家に帰ってから、両親と相談してですね・・・ うわっ!」
「ど、どうしたの?」
「いきなり切りつけてきた! とっさに避けたけど、後ろにあった机が真っ二つだぜ!」
「え? 避けられるものなの?」
「交渉決裂! おい、セイジ。 受話器を持ってちゃ戦えねぇから、スピーカーホンに切り替えるぜ!」
「え?戦うって? ちょ、ちょっと、バラキ君! 無謀すぎるって!」
「この、金属バットで相手するぜ!」
「え? 金属バットじゃ、ライトセイバーに太刀打ちできないでしょう?」
「これは、ただの金属バットじゃねぇ! 宇宙仕様だっつーの! 来い! ヤッ、 ホッ、 ハッ 」
「え? 互角に戦ってる?」
「いや、さすがにベイダー卿、動きが速ぇぜ! ンンン、ヤァー! うわッ」
「な、何?」
「右手を切り落とされた!」
「え、えぇッ!」
「安心しろ、まだ左手がある! フン、 フン、 フン、 デャ! フグッ」
「え? 」
「な、情け容赦 ねぇな・・・、胸を刺された・・・」
「え、た、大変! き、き、救急車、救急車!」
「よせ、よせ、もう、手遅れだ・・・。 それより、ファックスはどうなってる?」
「送ってるよ。 も、もう少しで終わるんだけど」
「そっちに、ベイダー卿が向かったぜ・・・。 それはもういいから、逃げろ・・・」
つづく
ヤバイ事になっちゃってますね(>_<)
文字数の関係で、早めの交渉決裂でしたw
ベイダー卿の登場シーンで、テーマ曲(帝国のマーチ)が流れる予定でしたが、
これまた文字数の関係でカットとなりましたw
ベイダー卿の人影ってだけで迫力感じますねw