Nicotto Town


ボーヤのブログは、一日にして成らず ^o^;


ヤンキーに絡まれまスター! (その1)



「やい、コラ! セイジ!」
「え? あ、バラキ君、おはよう」

「はぁ? ねぼけてんじゃねぇぞ、コラ!」
「あわわ、頬を引っ張らないでー」

「スター・ウォーズを観に来て、寝てんじゃんねぇぞ、コラ!」
「ご、ごめん、ごめん。 でも、ちゃんと本編は観てたから」

「本当かよ!」
「うん、エンディングの字幕が流れてきたところで、どーっと 眠くなって寝ちゃったけど」

「お前、勉強し過ぎなんじゃねぇのか? ひとと映画を見に来る前の日ぐらい、早く寝ておけよ!」
「僕だって、昨日のうちから、今日 出かけるってわかってたら、早く受験勉強を切り上げて、どんどん寝てるよ! 突然 今朝、映画観ましょ~って、誘いに来られて、寝不足のまま映画を観てたら眠くもなるよ!」

「つまり、何だ、俺が悪いってことかよ?」
「そこまでは言ってないけど」

「お前、暇があれば勉強ばっかしてるだろ? だからよ、たまには息抜きも必要なんじゃねぇかって、思って誘っちまったけど、迷惑だったか?」
「そ、そんなことないよ。 むしろ嬉しかったし」

「たまには、映画も いいもんだろ? やっぱ、スター・ウォーズは最高だよなー」
「うん」

「ベイダー卿、めっちゃ動きが早かったし!」
「うん」

「ザコ相手に、ちょっと持て余し気味ではあったけど」
「うん」

「あれ? お前、嫌々ながら観てただろ!」
「え? そ、そんなことないよ」

「戦争映画、いやだわぁ~ とか思いながら観てたんだろ!」
「そ、そんなことないって」

「他の映画を観たかったなぁ~ なんて思ってんだろ?」
「そ、そんなことないって」

「いや、あるな。 顔に書いてあるぜ!」
「か、書いてないと思うけど」

「何だよ? 何が観たかったんだよ? え? 怒らないから言ってみろ」
「い、言えないよ」

「怒らないから言ってみろ って、言ってんのッ!」
「お、怒ってるじゃん」

「言わねぇからだろ!」
「き、『君の名は。』 だよ」

「そんならそうと、チケット買う前に言えよ!」
「言えないよ! バラキ君、半年も前から スター・ウォーズを観るの楽しみにしてたでしょ?」

「そ、そういえばそうだったな。 じゃあよ、今度は それを、ええと、キミの名はだっけ? 観に来ようぜ!」
「僕の受験勉強が 一段落したらね」

「キミの名は、かぁ~。 トリ年にぴったりだな!」
「そ、その 黄身じゃないよ!」


「それはそうと、なぁ、セイジ。 お前、本当に卒業するのか?」
「うん、その見込みだけど」

「気がとがめたりしねぇのかよ!」
「え? しないけど?」

「お前が卒業したら、誰が ヒノモト高校の校則を守るんだよ!」
「あー、それかー! それだけは、心残りなんだけど」

「校則を改正しようって 動きがあるって、聞いたぞ」
「うん、そうなの。 新しく就任した生徒会長が、校則改正の意欲を燃やしてて。。」

「そいつ、就任早々、俺のところに挨拶に来たぜ」
「え? メリケン高校に? 度胸あるね」

「その度胸だけは認めるけどよ。 それで何て言ったと思う? 我が校も、合同喧嘩演習に参加させてください! だとよ」
「えぇ! そ、それって、うちの校則の9条に違反するよね?」

「演習なら校則違反にあたらないと思ったんじゃねぇか?」
「演習でも喧嘩の真似ごとはするわけでしょ? それなら校則違反だと思うけど」

「だからよ、100年早い!校則変えて出直せ! って、言ってやったぜ!」
「だからかな? やっきになって、校則を変えようとしてるけど。 校則改正草案を作ってみたり」

「おぉ、意外に積極的なヤツだな」
「でもね、その校則改正草案って、武力や武器の使用を認めてたり、生徒会が生徒の人権を好きなように制限できたり、生徒個人の自由は認められてなかったり、」

「その、自由が認められてねぇってのは、窮屈で嫌だな」
「バラキ君のメリケン高校は、自由すぎるほど自由だものね」

「学生たるもの自由奔放であれ!」
「それから、まだあるよ。 学校は生徒や保護者に知られたくない情報は秘密にできる。とか」

「おい、これって、今の校則のできる前、つまり戦前のヒノモト高校に戻そうとしてるんじゃねぇか?」
「え? そ、そうなのかな?」

「で、どうなんだよ、その改正草案。 賛同する奴は いるのかよ?」
「今、物騒な世の中でしょ? だから、いつ何時 近隣の高校が攻撃してくるかわからないから、この辺で校則を変えて、武器を持った方がいいんじゃないかって、声が少なからずあって 」

「お前ら、本当にバカだな! 武器を持たずに、丸腰で校内を歩けることが どんだけ素晴らしいか、わからねぇのかよ!」
「え? どこの高校も、武器を持たずに歩けるんじゃないの?」

「そんなこと あるわけねぇだろ! お前らの高校は特別なんだよ! いいか? 俺らの高校で、丸腰で歩いてるなんて知れてみろ! 身包み はがされるぞ!」
「それは、バラキ君の高校が特別なんじゃないの?」

「その改正草案に生徒会はみんな賛成なのか?」
「今度就任した副会長は反対してて、改善を申し入れたんだけど、反対するなら対案を出せって、言われて。今までの校則でいいと思ってるのに、対案も何もないと思うんだけど」

「お前ら、まだ その古臭い校則にこだわるのか?」
「古いからダメってことはないけど、わかり難い箇所もあるから、この際 わかりやすい表現に書き換えようかって、話があって」

「わかりやすくするってのは、いいかもな。 あと、変な解釈されねぇよう、曖昧な表現もやめちまえよ」
「これが完成したら、ヒノモト高校の校則がとても素晴らしいことが 再認識できると思うんだよね」

「で? その書き換えってのは、誰がやるんだよ?」
「僕がやろうと思ったんだけど…」

「お前、受験勉強で忙しいんだよな?」
「そ、そうなの。 だからね、新しい副会長、2年生なんだけど、その子がやってくれることになったの!」

「おぉ!よかったじゃねぇか! これで、お前も 安心して卒業できるな!」
「それが、そうでもないの。 肝心の校則の原文が見られなくなっちゃって…」

「え? 見られないって、何だよ?」
「僕たちの動きを察知した生徒会長が、校則の原文を校長室の金庫に仕舞っちゃったみたいで」

「それなら、校長に頼んで 出して見せてもらえばいいだろ?」
「それがね、校長先生も出せないように、暗証番号を変えちゃったらしくて」

「はぁ? ず、随分、えげつねぇことしやがるな! おい、今すぐ その生徒会長を呼び出せ! 締め上げて暗証番号をはかせてやる!」
「ちょ、ちょっと、バラキ君! 暴力はダメだよ」

「じゃあ、どうすんだよ!」
「どうしよう?」

「このまま指をくわえて、校則が変えられちまうのを 黙って見てるか?w」
「そ、そういうわけにもいかないけど…」

「よし! じゃあ、俺たちが ちょうだいしに行こうぜ!」
「え? そ、それって、盗み出すってこと?」

「盗みゃしねぇよ。 金庫を開けて、コピーして、また仕舞っておけば、何の問題もねぇだろ?」
「確かに、盗みはしないけど…。 肝心の金庫は、どうやって開けるの?」

「暗証番号なんてものはな、忘れねぇように その部屋のどこか、例えば引き出しの裏とかに 貼ってあるものなんだぜ!」
「そ、そんな簡単な所に あるものなの?」

「まぁ、とにかく行ってみようぜ!」
「え? 今から? 冬休みだから、誰もいないと思うけど」

「だから いいんじゃねぇか! ほら、行くぞ!」
「し、しかも、こんな真昼間に?」

つづく!


バラキ君とセイジ君の二人が登場する 過去のブログを読んでみたい方、すっかり忘れてしまった方は、
↓一番下のコメントのURLから どうぞ。

アバター
2017/01/22 23:08
とても身近な…w
バラキ君の「武器を持たずに、丸腰で歩けることが どんだけ素晴らしいか」っていいですね
「暇さえあれば勉強」ってフレーズも面白くていいな
どこかで使えないかなw
アバター
2017/01/21 18:31
おお、最新作だ!
相変わらずバラキくんいいひとすぎるだろう…と思いながら楽しく読みました(*‘ω‘ *)

しかしバラキくんよ、その暗証番号の管理方法は呑気なおじさんおばさんくらいしかやらないぞ…!
続きを正座して待っています♪(´▽`*)
アバター
2017/01/21 14:20
バラキ君のコーデ、まさにスターウォーズですね^^
カッコイイ♪

校則を変える動きを今の社会情勢を捉えていて上手く書きますね♪
アバター
2017/01/20 01:25
↓ヤンキーシリーズのバックナンバーは、こちら!

ヤンキーに絡まれた! 2014 (前編) (2014.06.27)
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=56232854

ヤンキーに絡まれた! 2014 (後編) (2014.06.28)
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ヤンキーに絡まれた! 2015 (その1) (2015.06.13)
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ヤンキーに絡まれた! 2015 (その2) (2015.06.17)
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ヤンキーに絡まれた! 2015 (その3) (2015.06.21)
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ヤンキーに絡まれた! 2015 (最終話) (2015.06.23)
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ヤンキーに絡まれた! 2016 (その1) (2016.06.24)
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ヤンキーに絡まれた! 2016 (その2) (2016.06.27)
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=610852&aid=62279474

ヤンキーに絡まれた! 2016 (その3) (2016.07.01)
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