Nicotto Town



90分のカセットテープの思い出


ごくごく一部でカセットテープやラジカセ復権の兆しがあるそうです。
貸しレコード屋とウォークマンの全盛期をつぶさに見てきた世代ですが、
むしろドライブ用の90分テープ「マイベスト」の編集作業を懐かしく思い出します。

レコードは両面で45分少々、その点で90分テープが一番使いやすかった。
私は中古レコード購入派だったので、借りて録音する作業は殆どやらず、
テーマを決めた車内鑑賞合唱用ベスト盤の編集に力を注いだほうです。

ドライブ用にユーミンのベストを作るとする。持ってるヤツを全部出す。
リストアップして曲順を考え、時間を計算します。47分程度はギリギリ入る。
床にレコードを裸でバラまいてテープをセット、作業スタート。

90分のテープを作るためには、当然それ以上の作業時間が必要になる。
録音を一時停止してレコードを替え、針の落ちる音が入らないよう工夫する。
途中で曲順に疑問がでることもある。再計算してラベル書き直したり、まあ忙しかった。

自宅で流すため、好きな曲のベストを作ったりもしました。こちらは趣味全開。
テープを間違えてドライブに出かけ、一曲目の轟音で車内の連中が頭を抱え、
さんざん文句を言われたのも楽しい思い出です。いきなりJ・B・ウルマ―じゃ怒るよ。

カセットテープにはレコードと異なる独特の音質があります。
中域が艶っぽく重視されて、歌モノはテープで聴く方が好きなときもありました。
テープの種類で音質が違う。TDKのEDはいい音だったが高かった。

遥か昔にエアチェック(ラジオで流れた曲の録音)したテープの曲順は感慨深い。
たとえば、スージークアトロの次に沢田研二、ミッシェルポルナレフが並ぶ。
そのため沢田研二を聴いたあと、なぜか『シェリーに口づけ』が聴きたくなる。

音楽プレーヤーにデータを大量に入れて車で流す現代人はどうしてるのだろう。
ランダム再生にしているのか、タグ検索でリストアップしてるのか。
そういう世代の人と付き合いがないので分からない。音楽は聴かないのかな。




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