神田行きたし でもチト遠し
- カテゴリ:日記
- 2016/12/18 14:10:20
御茶ノ水(神田)に行きたくって、昨夜デジカメのバッテリー充電したのに、
家人がガンガンに焚いている石油ストーブの甘美な温もりに籠絡され、
遠出する気がなくなってしまいました。近所で間に合わせよう。
小遣いをせびったら、無言で部屋の隅にあるビニール袋を指差した。
中には近年刊行の新しめの時代小説が20冊ほど。再読に値せずということか。
これを古本屋に売って遊んで来いというのですね。わかりまちた。イッテキマス。
全部で465円になった。この予算で面白そうな本を見つけようと店内を絨毯爆撃。
また私と似た嗜好の方が大量に売ったらしく、あちこちに興味を持てそうなのがある。
こうした大手量販チェーンは古びたボロ本を軒並み100円で売る。ありがたや。
予算内でおさまるように3冊を選びました。
もう一冊、濱瀬元彦の『ブルーノートと調性』が950円だったので飛びついて確保。
アヴァンジャズ界の諸氏に大きな衝撃を与えたと思しきこの書の内容は後日詳述したい。
・異端教祖株式会社(アポリネール 1974年 講談社文庫)
・人間機械論(ド・ラ・メトリ 1990年 岩波文庫)
・つゆのあとさき(荷風 岩波文庫)
知的スノッブのアイドル、アポリネールはバカ妄想の論理展開に誠に親近感を抱く。
人間機械論は子引き孫引きでしかお目にかかってなかったから、読んでおこう。
荷風は昼下がりにボーッと味わうのに誠に適切なので購入。持ってたはずだけど。
オモシロイ発見がひとつ。メトリの本の裏についてる店舗独自のバーコードシールに、
著者名レーニンとプリントされている。アハハ、このシールを作って張り付けた人、エライ。
これだけでも108円の価値があると思うのです。知魚楽というヤツかな。
何とか暖かい日を待って今年中に神田を襲撃したいと思ってます。
アポリネールの詩はろくずっぽ読んでませんが、『一万一千本の鞭』はロマン文庫渉猟期に、
ほかはアンリ・ルソーという画家繋がりで、20世紀美術史の一環として美術批評の檄文に触れました。
音楽理論の複雑怪奇さと多様さには、哲学/思想史に比肩できる面白さがございます。
音重力、親鸞、社会性なんて単語がジャズの理論書に出てくるといったらお分かりいただけるかしら。
一般に知られていない音楽理論にはなかなかぶっ飛んだのがあるのです。私はみんな好きです。
二重刷りというのは壮絶ですねー。見たことありません。天地逆とか頁抜けなどは昔のものでもありますね。
そうそう、ジャパニズムという雑誌の8号だか9号を見つけました。萌えイラストなのでアニメ評論かと思った。
今調べてオドロきました。ガロを出してた青林堂の雑誌だったのかー。ご存じかと思ってご報告。
それにしても3冊ともいいセンスですね。
わたしはアポリネールだけ読んでいないのです。
ラ・メトリは高校ぐらいのときにいきがって読んでた気が。
『ブルーノートと調性』なにやら難しそう。
これまた後藤さんの本のようになっちゃうけど、音楽の専門用語はさっぱりです。
あ、アポリネール、『一万一千本の鞭』は持ってたなぁ……。
変な価値があるというとわたしはリルケの『ドゥイノの悲歌』を2冊持っているのですが、
新しくきれいなほうが、なんと後半デタラメな印刷で、読書人に寄すのところに本文注釈がバーンを二重刷りになっていたりします。