入院8日目(覚書)
- カテゴリ:日記
- 2016/11/25 00:06:49
24日(木)。
手術日当日。
11月の積雪としては54年ぶり(で合ってるかな?)という日に手術になるとは…。
記憶に残る日となりそうだ。
6時45分に主人の運転で家を出る。
娘を学校へ送り届け病院へ直行。
7時45分頃に病室へ入る。
既に点滴が入っていた。
ヘルプで入ってくれる先生が部屋に来られる。
主治医が2年間、アメリカに研修へ行っている間はこの先生が診察をして下さった。
失礼なことを承知で申し上げると、少々クセがある先生に思えるが
息子にはいつもニコニコと接して下さる。
今回の手術では先生の方から「お手伝いさせてもらおうかな」と言って下さった(?)とか。
少しして主治医の先生が部屋に来られる。
今回ペアになっている先生もご一緒だ。
「〇〇君、どう?」と息子に声をかけるが緊張しているのか答えない。
「また後でね」と言って病室を出て行かれた。
先生が出て行かれてから看護士さんと手術着に着替えさせる。
血栓が出来ないようにと圧をかける為の靴下を看護士さんが穿かせようとするが
痛がって泣きそうな顔になる。
看護士さんと私とで靴下を履く意味を話しながら、どうにかこうにか履かせる。
8時30分に病室の前の廊下でストレッチャーに乗る。
主治医の先生お二方と学生さん2名と看護士さん1名、主人と私が付き添い
手術室へ直接行けるエレベーターに乗り込む。
中3階で降り、新館にある手術室へ向かう。
入口の自動扉が開くと何人もの手術室専任のスタッフさんが出迎えてくれる。
患者の名前の確認の後、持ち込むDVDを渡す。
気持を落ち着かせる時にでも使うのか、病室へ持ち込んで見ていた
電車のDVDを持ってきたのだった。
この場で看護士さんと主人とはお別れ。
主治医の先生方も着替えの為、出て行かれた。
学生さんも先生方に続き出て行く。
私はストレッチャーに乗せられた息子の後ろに付いて、スタッフさんに案内されながら
手術室へ向かう。
手術室に入ると数名のスタッフさんが息子を取り囲むようにして立ち
優しく声をかけていく。
息子をストレッチャーから手術室専用のストレッチャーに乗り換えさせるのにも
不安がらせないようにとっても優しく声掛けしてくれる。
息子が何か言葉を発したようだが何と言ったのか聞くことが出来なかったが
息子の周りにいらしたスタッフさん数名が「そんな風に言ってくれて嬉しいわぁ」と
ニコニコと笑いながら息子に話しかけてくれていた。
何と言ったかは残念ながら聞こえなかったが、息子の落ち着いた様子を見て
少し安心できた。
乗り換えたストレッチャーに横になると、息子の頭側や右側にいるスタッフさんは
引き続き声掛けして息子の気持を落ち着かせているように見えた。
左側に立ったスタッフさんは眠剤を入れていく。
「これを入れるとすぐに眠くなります」と私に説明しながら。
頭側にいるスタッフさんが声掛け&説明しながら酸素マスクに似たものを口にあてがう。
するとあっという間に寝入ってしまった。
ここまでが私の役目。
息子が寝入ってしまえば後は手術室から出て行くだけだ。
スタッフさんに出入り口まで案内されて病室へ戻った。
実際に手術が始まったのは10時頃。
病棟にもモニターがあるのか…?
ナースステーション横のスタッフルームから出てきたヘルプの先生が
「少し前から始まったようだから、そろそろ僕も手術室へ行くよ」と私達に声をかけながら
病棟を後にした。
予定通りに行けば終了は17時。
上手くいきますように。
主人と2人してラウンジと呼ばれる場所で待機する。
11時30分過ぎに1階のコンビニで主人が買って来てくれたお弁当を食べる。
こんな時でもお腹は空くものだ。
13時頃、主人が1階の自販機で買ってきてくれたコーヒーを飲む。
15時頃、今度はカフェオレを買ってきてくれた。
今日のように寒い日は温かい飲み物がありがたい。
15時30分頃に主人が娘を迎えに行く。
17時を少し回った頃、迎えを終えた主人が再び病棟へ戻って来る。
私はちょうどその時、看護士さんから「主治医の先生から手術が終わったとの電話が
ありました」との知らせを聞いているところだった。
それから1時間半が経った頃の18時少し前に主治医が病棟へ戻って来る。
「手術の説明をしたいのでこちらへ」と部屋へ通される。
・手術は予定通り行われた
・15年前の手術で入れたオンマイヤ(管)を2本とも抜いてきたが酷い癒着で手間取った
・今回取り除いた腫瘍の中にオンマイヤは収まっていたので再発と言える
・オンマイヤが右目の視神経に触っていた
右目の視野欠損はそのせいで起きたのかもしれない
オンマイヤを入れた時は大きかった腫瘍が治療の成果で小さくなっていく段階で
最初に入れた位置よりも、ずれた位置にオンマイヤがある状態になってしまっていた
・手術の仕方の違いでそれぞれに一長一短はあるが鼻から手術をしていたら
オンマイヤは取れなかったし、視神経にオンマイヤが触っていることもわからなかった
(だから頭からやったほうが良かった?そんな印象を受けた)
・腫瘍は見える部分のみを取り除いてきた
取り除けたのは全体の1/3ほどで、残りの腫瘍は見えない部分にあるので
無理をしてまでは取り除いてこなかった(毛細血管を傷つける恐れなどがあるので)
・切除した腫瘍の残りの断面は縫い合わせをするなどの処置はしていないので
もしも切除部分から刺激物が漏れ出るようなことがあり『科学的髄膜炎(?)』を起す
ようなことがあるようならば処置を考える
・切除できずに残った腫瘍が悪さをするようならば放射線照射の治療を考える
といった説明があった。
手術が終わってから麻酔が少しずつ切れてくると大きな声を出したりして
少し暴れたようだ。
落ち着かせるためにお薬を少し使ったとの説明もあった。
昨日ICUを見学した時に「麻酔から覚めた患者さんが自分の周りに知らない人や
たくさんの機器があるのを目にして暴れ出すことがありますが、そんなときはお薬や
器具を使わせていただくことがあります」と説明があった。
だから別段驚かなかったし、致し方のない事だとも思った。
逆にそういうことがあったから病棟へ戻るのに時間がかかってしまったのかなと
少し申し訳なく思う。
今夜一晩はICUで過ごし、明日の午前中に受けるCT検査で異常がなければ
脳外科病棟へ戻る可能性が高いようだ。
主治医の先生から今夜の待機の希望について聞かれたが、状態の急変の確率は
低いと説明を受けたので待機はせず、帰ることにした。
先生に何度も頭を下げ部屋を後にし、看護士さんにも声掛けした後に
主人とICUに向かう。
インターホン越しに患者名を伝え自動ドアを開け入る。
ロッカーに手荷物と上着を入れ鍵をかける。
洗面所で石鹸で手洗い&消毒。
次の自動ドアを抜け中へ入る。
看護士さんに声をかけ、主人とベッドの側まで進む。
「たっちゃん…」と声をかける。
薬でウトウトとしていた息子が一瞬 目を開け「マスクが取れない~」と
弱々しい声で言う。
その一言だけ言うとまた寝入ってしまう。
管を抜いてしまう恐れがあるようでお薬で行動をコントロールされているようだ。
布団の下で見えなかったが、両手も動きが制限されているように感じた。
仕方ない。
2分いるかいないかでICUを後にし帰宅…20時着。
「術後の処置の問題等で本人が頭からの手術を希望したけれど、終わってみれば
この手術方法で良かったんだよね…。管が右目の視神経を圧迫していることが確認でき
それを除去できたし。視野障害は戻らないそうだけれど悪戯をするものはなくなったから…」
といった話を主人とした。
もうすぐ長い1日が終わる…何事もなく終わってほしいと切に思う。