イギリスがEU（欧州連合）を離脱するかどうかという問題で、本日国民投票が行われるという（もう行われている？）。

EU残留派で４１歳の女性国会議員、ジョー・コックスさんが射殺されたことは大きな衝撃として、最近のニュースの中で最も記憶に残ってる。

少しそのことを調べてみると、容疑者として逮捕されたトーマス・メアという人物は過去に精神疾患で治療歴があり、南アフリカやアフリカの極右団体の機関紙、出版物を購入していた時期があるのだとか。

ロンドンの治安裁判所で、メアは「私の名前は『裏切り者に死を　イギリスに自由を』です」と答えたのだとか。。。

ともかくこうして尊い一人の命が失われ、今回の問題に一層暗い影を落とすことになってしまった。

離脱派が勢いを増していた中で、この事件で残留派が盛り返した格好になった。

沖縄の米軍関連の事件も非常に痛ましいものがあるけど、世界を巻き込んで行方を左右すると言われている、その可能性を内包しているという事の重大性においては注目せざるを得ないニュースのような気がした。

そういう理由で、この事件は物凄くきな臭い事件として頭に残っている。

イギリスがEUから脱退したい理由は様々あるのだろうけど、大ざっぱに言えば莫大な拠出金の負担に対して、イギリスにとってまるで益がない、ということのようで。

デービッド・キャメロン首相がテレビ出演して、EUへの残留を国民へ強く訴えかけていた。

もしEUを脱退すれば、拠出金以上の経済的損失を被ることになると。

イギリスを拠点とした金融業や製造業が国内を離れていくかもしれず、そうなればロンドンのような金融都市は機能を失い、結果としてポンドの暴落につながると主張する。

その他、輸入に頼っている生活物資が高騰する恐れがあり、経済的損失は免れないと。

そして、イギリスの離脱はEUにとっても大問題なのだという。

負債を抱えるギリシャのような国を支える負担が大きくなれば、もしかするとEU存続自体が難しくなってしまうかもしれない。

脱退は誰も得しないということになると、ではどうして脱退派が勢いを増したのだろう。

そこには移民流入問題が大きく関係していて、雇用問題やテロへの不安といったことが起因し、そこにナショナリズムが加わっていささか感情的な意見が広がったのだとか。

とはいえ、残留派の意見もまったく正しいとは言い切れない根拠として、EUに加盟していない国々の現状について示唆されていたりもして、どちらに転んでも上手くいくかもしれないし、上手くいかないかもしれないという主張がある。

結局、何が正しいのかは誰にも分からないけど、損得を巡って主張する人々によって選択を迫られる。

今回は残るのか、それとも去るのか。

ジョー・コックスさんの事件は、否が応でも歴史を左右することになると感じた。