「お日様の魔法」
- カテゴリ:30代以上
- 2016/06/21 16:17:47
ー ねこにはね、おひさまのまほうがかかっているんだよー
そう言ったのは、誰だったかしら・・・
夏のちょっと前の昼下がり。
買い物帰りの公園の陽だまり。
お昼寝をしている猫を見かけて、サナエは思いました。
朝起きて
家族を送り出して
お洗濯してお掃除してお昼寝してお買い物をして・・・
変わらない、忙しい毎日の中で、子供の頃見た夢と一緒に、心の中に埋もれていた言葉。
大切な人の言葉だったような気がするけれど・・・
「いけない。早く帰らないと。そろそろあの子が帰ってくる頃だわ」
一瞬浮かんだ思い出は、再び。遠い記憶の靄の向こうに、霞んでいきました。
「ただいま~」
元気な声とともに、ドアを勢いよく開ける音がします。
「お帰りなさい。あら、お友達?」
玄関で、娘のユイナを出迎えて、サナエが言います。
「うん。最近仲良くなったの。お友達のネネコちゃん」
「こんにちは~」
ちりんちり~ん
勢いよく頭を下げるネネコの背中で、鈴の音がします。
ランドセルにつけられた鈴が、音を立てたのです。
「あら?それは?」
「大丈夫だよ、ちゃんとネネコちゃんのお母さんには言ってきたから。一緒にお勉強するから、ランドセル持ってきたんだよ」
「そうじゃなくてね。その鈴に見覚えがあったような気がしたから・・・」
「この鈴はね。お母さんの宝物なんだよ。昔、クリスマスの日に、大切なお友達に貰ったんだって。この前のクリスマスにお母さんから貰ったの」
ネネコが言います。
赤と緑のリボンに付けられた白い鈴。
あれは確か・・・
「そう。やっぱりあの鈴よね・・・」
子供達のおやつを作りながら、サナエは考えます。
その鈴は、クリスマスプレゼントにと、子供だったサナエが作ったものでした。
だから、間違えるはずありません。
赤と緑のリボン。
小さな白い鈴。
そして、ちょっぴゆがんだ縫い目。
「はい。あなたにも、クリスマスプレゼントよ」
そう言って、サナエが付けてあげたものです。
「でも、本当なのかしら・・・」
ーねこにはね、おひさまのまほうがかかっているんだよ
ーねこはね、せんとさんびゃくにちおひさまのぽかぽかをためると、ひとになれるの
ーきょうが、そのひだだったんだよ
ーだから、なかないで
それは
遠い、子供だった日
飼い猫のネネが帰ってこなかった日
泣き疲れて眠ってしまったサナエの夢で、ネネが言った言葉でした。
おしまい(#^.^#)
こころ温まる…素敵なお話ですね~^^
読ませて頂いて~チビを思い出して…
最後に…涙が目に少しだけ…w 浮かんでしまいました…^^
チビは、何度~クビにリボンを付けてあげても
取ってしまったので、
「野良猫と間違われて、何か危険があるといけないのに」…と
親も私達もいつも困っていました~。
ネネちゃんは、素直に首にリボンをつけてくれる良いネコちゃんですね^^
うちのチビは我が家のコタツの中で眠る様に死んだので…
帰ってこないかもしれませんが…
それでも~いつか帰って来て欲しいなぁ~^^
ここの住所分かるかなぁ~^^
展開がわかりづらかったので・・・まあ、いつものことだけど(笑
少しだけ修正しました。
(#^.^#)