保田與重郎を読むべきか。
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/06/06 12:27:16
木田元が半生を振り返り、小林秀雄の影響について書いている新書を発見。
読み進めるうちに、ご自身の読書体験に保田與重郎が抜けていたことを回想する場面に。
わ、同じだオレと。碩学な方と自分の共通点を発見するのは誠にウレシイ。
『近代文学』同人やその周囲から出てきた小説家に興味があったので、
彼らが物凄い勢いで保田をパージしているのに影響されていたのが原因で読んでない。
近年は福田和也氏などが積極的に再評価しているらしいが、この方も苦手で未読。
しかしハイデガーとの類縁性をもって語られたり、文化的パトリオティズムなど、
読んでおく必要がありそうな気もする。うむ。アナーキストとしては左右両方学ばねば。
古本を探す。うーむ選集全6巻、12000円ですか。一気に買うのはよしましょう。
日本浪漫派かー……うぬぬ、苦手な人が多いぞ。ダラシない人がいないぞ。
この派閥にもマル文にも行かなかった自堕落で卑怯な作家が好みなんだけどなー。
そだ、関係ないけど思い出した。全共闘世代とその転向の実例について。
仕事でご一緒した一回り上の世代には全共闘世代が多い。W大弁論部なんて代表的。
コイツらを私は圧倒的に嫌悪している。社会に出てすぐ右にすり寄っていくからだ。
右派的組織の名刺を持ってる連中が大半である。政治への志向もマル見え。ゲッ。
いっぽう、若き日にウッドストックを経験してきた連中もいらっしゃる。
こういう方々はロクな人生を送ってないが、みな敬すべき方々である。
ヘラヘラボロボロだがブレがない。いざというときに命の張り方が堂に入っている。
先程ラジオに山本晋也カントクが出ていた。ウッドストックでバイトしてたそうだ。
ホットドッグスタンドで、3日目の朝はジミの星条旗を生で聴いたという。
この人や若松たちの世代は筋金入りである。嗜好は異なれど尊敬してしまう。
さて保田に戻ろう。コイツをロクデなし文脈で理解することは可能であろうか。
きっと梅原猛あたりに繋がるんだろう。最近はそういう方向が苦手なのだけどなー。
でも気になる。なぜだろう。分からぬ。とりあえず一冊買おう。
お勧め、ありがとうございます。古書で出ている『わが万葉集』というものですね。探してみます。
ちなみに木田元のエッセイが読書青春記のごとく誠に面白いです。テキ屋に弟子入りした話は知らなかった。
天明~化政期の俳句にハマって闇市で稼いで全集を買いに行くエピソードもあり。本の虫ですねー。
保田さんはどこかで文庫の全集も出てましたね。
とりあえずは、思想的スタンスは抜きにしても読み物として面白い、『わたしの万葉集』あたりなんかはいかがでしょうか?