旧ソ連の腕時計を買うべきか。
- カテゴリ:日記
- 2016/06/02 22:47:43
しばらく前からオークションにハマっております。
おもに国産のギターアンプを数千円で落札して修理して遊ぶ。たいへん楽しい。
さて、ときどき「あなたへのオススメ」なんて商品が示される。これが危険である。
腕時計は大変スキである。形見の国産手巻きを使っていたが2本ともアウト。
安オメガは電池切れ、偽ロレックスは竜頭がとれた。今はタイメックスの激安品。
これで十分なんですけど、バカは些末事に拘りたい。くだらぬ見栄を張りたい。
ロレックスも古いオメガも、グランドセイコーやパテックフィリップもイイですけどねー。
私は旧ソ連や東独というものの存在を忘れてはならないと思っておりますです。
そこで旧共産圏の機械モノに惹かれてしまう。毛沢東腕時計は買わなかったけど。
オークションに旧ソ連の腕時計がゴロゴロしている。みんな手巻きである。
構成主義やロシア・アヴァンギャルド的アグレッシブなデザインが非常にステキ。
できればCCCPなんて文字の入ったヤツがいいんだけど、残念ながら野暮ったい造型。
今狙っているのはですね、6000円ほどの上品なデザインのヤツです。
数字のデザインがどこか英米製品や日本製と異なる。旧ソ連のポスター的。
極寒の地で50年以上酷使された無骨な頑丈さを内に秘めている。おお、コレだ。
これを腕に巻くというのはイイ。鞄に文庫版の資本論でも突っ込んでおく。
ハンカチを赤一色にするべきではないか。スペツナズナイフの1本も欲しい。
これで現場を転々とする。梶井基次郎が檸檬を置いたのはこういう気分のはずだ。
うーむ、潜在的無差別暴力衝動の隠喩としてのソ連製腕時計、詩情がありますな。
しかもこの時代だから、アナクロ趣味やソリプシズムも充足させてくれる。
そうか、犯罪に走らないため、私はコレを買わねばならない。これは責務である。
……ここまでの思考運動会の顛末を家人に話す。だから買うのだと宣言する。
「そういうのって公安が購入履歴調べてるんじゃないのか」との有難いお言葉。
昼間刑事ドラマばっか見てやがるな。それならなおのこと買わねば。
今では『巨匠とマルガリータ』が岩波文庫で読めるブルガーコフも、
日本ですら読めるのは文学全集の端本ぐらいでした(それ以前に岩波から短編集が出てましたけど
↓↓の書き込みでは人様のブログなので自重したのですが、
ユースケ様はわたしの日記を読んでくださっているので書きますが、
共産主義って好きになれないのですよ。
(ただし学生運動華やかなりし頃、三島由紀夫が学生たちに「君たちが天皇陛下万歳と言ってくれたら共闘しよう」と言った発言、その意味するところなどでは、とても共感するところもあります)
で、とにかく過去の遺物(でもないか)としての旧ソ連、
マルクス、レーニン、トロツキー、ゲルツェンは面白いし、現代思想に影響を与えているので読まずにすませられないし、ある意味必須教養ですよね。
美術的な側面もそう。
独特の進化を遂げたバージェス頁岩の化石のように美しいんです。
ドッグタグは、通称で(ドッグ=死体)、認識票ですね。
首から兵士が名前や所属部隊、血液型を刻印してぶらさげている、あれ。
そうそう、ソヴィエト(ロシア)国歌も凄い好きです、そういえば♪
ソチ五輪の閉会式でロシアを代表する文学者16人のパネルを展示したとき、
マヤコフスキーやブルガーコフ、エセーニン等、反体制詩人が大勢ラインナップされて驚愕し、
こうした政治的再評価は、反語的な詩人の『虐殺』ではないかという齟齬を抱いたことがあります。
そうした精神の在り方を象徴するものが旧共産圏の遺物だと思うんですよねー。だから買いたいのかも。
でも勿論、秀逸なデザインも素晴らしいのですよコレが。なんだろー、無骨な無駄の省き方とデフォルメかしら。
スペツナズのドッグタグって、アメリカにおけるK-2部隊の犬用認識票みたいなのでしょうか? カッコイイ!
ロシアン・アヴァンギャルド、ロシア未来派かっこいいじゃないですか!!
(゜∀゜)o彡°CCCP!!♡
スペツナズのナイフもいいですね。
ちなみにわたしはスペツナズのドッグタグ持ってます。
詩人のマヤコフスキーも全集持ってたり。