「線路は続くよ」
- カテゴリ:30代以上
- 2016/05/22 03:49:53
# 幻の月
汽車が、夜のホームに停まる。
街灯りが見えるだけの、静かな風景。
聞こえてくるのは、遠い車の音と、カヘルの声だけ。
「あ、お月様だ」
車窓から郷を見ていた仔猫が言います。
空には、まんまる一歩手前のお月様。
「あそこにもいるよ」
木鼠が言います。
水を湛えた田んぼにも、ゆらゆら揺れるお月様。
「どっちが本当のお月様なのかしら」
と、紅葉の葉っぱ。
「ふむ、案外どちらも本当じゃないのかもしれんの」
相変わらず、酔っ払っているフクロウが言います。
「そうね。本当のお月様は、ひとりぼっちで泣いているのかもしれないね。誰かが見つけてくれるのを待ちながら」
ふと、ホームの端にたたずむ少女が見えたような気がして、言ってみた。
発車のベルが鳴る。
「そろそろ発車のお時間ですよ」
車内販売員が少女に声をかける。
淡い、うす黄色のワンピースを着た少女が、うしろの車両に乗り込む。
汽車が動き出す。
「お月見団子が入荷しましたけど、どうなさいますか」
うしろの車両から、車内販売員の声が聞こえる。
「ありがとう。ひとつくださいな。それと・・・お酒も」
幻の月の下、汽車は走り続ける。
次は、どんな景色に出会えるのだろう。
つづく
(#^.^#)
いつもありがとう♪
この汽車の名前・・・
たぶん、つけてないと思う
つけるとしたらなんだろう・・・
「虹色鉄道」
かな?
(#^.^#)
わ~~い~
私の大好きな「線路は続くよ」シリーズだぁ~~\(^^)/
今度の駅は、「夜の里」かな?
遠くに山が、あり、
棚田から~近くまで田んぼが、並んでいて
お月さまが、写っている風景を、
一面の群青色に黄色のお月さまの風景を、想像致しました^^
うす黄色のワンピースの少女は、
お月さまの精かな?
それとも分身かな?
(それともツクヨミかな?w(by クロノクロス)
この列車~(お名前忘れましたごめんなさい~)の
乗客さんも増えてきましたね^^
次の駅が楽しみです~(●^^●)