Nicotto Town



プロとアマの分水嶺


少々危険な話題ですのでカキコミ禁止といたしました。保身は重要です。
専門家と素人を峻別する要素は何か、という問いに対して、いつも私はこう答える。
「歴史認識」。あ、この語感から感じる右だ左だ上だ下という話ではありませぬ。

器用で、各種の小物を作りネット通販で売る方がおおぜいいて、それなりの売上。
友人と作ったダンスとラップのユニット、そこそこのライブハウスに出て客もついている。
得意な外国語を生かしてイーベイから個人輸入して国内で売る。けっこう客がいる。

私はこの方たちをアマチュアと断定する古き世代の生き残りでございます。
「金を稼ぐ」「客がついている」「詳しい」というのはプロの資質とは無縁でございます。
プロとは「業界の歴史を熟知し、業界の発展や将来に寄与できる人間」です。

独自性を生かしてゲリラ的な殴り込みでニッチをつかむ、というのはプロだと思わない。
自らが参加しようとするビジネス界の現状、同業他社の強みと特徴を知ったうえで、
「相互発展」や「補完」を考えて起業し参加するのがプロだと思うのでございます。

だから同業者は全て「仲間」なのでございまして、敬意をもって遇すべき対象です。
ライバル社を「○○さん」と呼び、競合先でよく顔を合わせる人とは名刺交換もする。
親しくなったヤツ、一緒に仕事をやったヤツとはたまーに連絡をとる。

ライバル同士の下っ端が集まる飲み会を一時期やっていました。
私たちの所属する業界の現在、問題、国の向かう方向、各種の取り組み……
こういう話を酒を呑みながらやるのは誠に楽しい。プロの集まりであると思う。

ここで歴史というものが重要になります。業界史といえば正確であろうか。
A社さんは○○地区で大きいシェアを持ってる。B社が殴り込みかける予定だという。
そこで話す。A社の黎明期にどんな事情でその地区に店舗を作って貢献してきたか。

このあたり、世間が100%悪とみなす「談合」を想起して糾弾なさる方が多いでしょう。
でもですね、人の和、企業の和、地域の和というものは一朝一夕にはできません。
長年積み上げた阿吽の呼吸と以心伝心が、長続きする事業として生活を支える。

政治も経済も大キライですが、日銭稼ぐために偽装してカタギのフリして働く。
その中で私が培ってきたスキルは上記のような視点なのです。
個性を発揮した独創的商売やる前に、業界の歴史を俯瞰できる教養を優先する。

情報発信が安易にできる時代なので、優れた思いつきに目が行きやすい。
現状の欠点や矛盾を鋭く突くイノヴェーターが世に溢れています。
でも。でも。言いたいのです。「歴史勉強して出直せ若造」。

歴史は批判の対象ではない。先人の、血も肉もある人間の生き様の積み重ね。
負の遺産なんていうけど、みんなその瞬間は必死だった、選択の結果です。
中小企業にも、どんな業界にもそういうモノがある。これをしがらみという。

さて私は道楽者だが「文化」の発展に寄与したい。
金にはならなくても学び、業界の末端にでもコミットして発展の手助けをしたい。
音楽、写真、文学、電子工作、骨董……これらの「プロ」を目指しているのかも。

ですから、食えなくても専門家という道があり得ると思うのですね。
身過ぎ世過ぎの銭稼ぎで暮らしながら、お小遣いで好きなことやるわけです。
……ありゃりゃ、プロが「趣味」と繋がっちゃった。論理破綻。逃げ出します。閲覧感謝。




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