二十一世紀の施策一覧
- カテゴリ:自作小説
- 2016/03/22 13:12:11
こういう話題はフィクションに入れておくのが無難でしょう。
様々観察してみると、今世紀に起こりうる各種の政策や法制度に関し、
さまざまな妄想が広がり弾け拡散する。どれも実現すると思いますです。
1、税制改革に伴う税の細分化と多角化
これはゼッタイ最初に手をつけるべき課題だと思いますです。
ビートルズのタックスマンは素晴らしい曲でした、未来予測として。
法ではなく税によって国民を管理するのは資本主義でマコトに効果的なはず。
収賄税やインサイダー取引税などの導入で、賄賂や利益供与を全て合法化しよう。
各種の刑法に代わり傷害税や恐喝税、売春税と買春税……国庫を潤そう。
還暦突破税、喜寿特別負担税など、長生きにも税金をかける。OK。未来は明るい。
2、あらゆる資格制定と細分化による各種業界の活性化
たとえば。振り込め詐欺はもはや立派にビジネスでっせ。だからですね。
3級受け子士の資格を取らないと業界に入れないの。1級偽息子士を取ると独立開業。
もちろん資格維持には年にウン百万の上納金を納める必要がある。
2級動画サイト投稿士、1級架空サイト運営士……無限にできて無限に業界増殖。
もちろん海外と資格を統一しておいて、世界に通用する資格とせねばなりませぬ。
そんな国際団体もイッパイできる。金が山ほど動くぞ。スンバラシイ。
3、ジーン・デザイナーの国家資格化と裏市場の形成
大昔のSFでもさんざん使われてきたお馴染みの設定。これは必ず実現する。
整形した方が子供の誕生で戦々恐々という不幸を根本から解決せねばなりませぬ。
次世代受精卵の遺伝子を加工するのみならず、おそらく生体にも使えるようになる。
当然のごとく裏市場が花盛りになる。こちらも大いに活性化してもらおう。
テクノロジーは暴走してナンボ。マイナンバーならぬマイジーンナンバーの流出も発生。
ついには遺伝子作用型の薬物がテロによって散布される。おお新世紀。
4、ハイブリッド型ホモサピエンスを優良種と認定する制度
生体にCPUやらメモリやらスマホやら通信機能やら全部ブチ込むのは必然。
バイオエレクトリックもすぐに進化して、生体素子は開発と量産が可能であろう。
サイバーパンクの偉かった点は、こうした未来へのアレルギーを抑制したトコだ。
自らの体に金をかけるのが好きな人間ばかりですから、これにもすぐ慣れる。
当然旧世代はコミュニケーション不可、そういうのは2等国民です。
まず公務員から必須条件となるはずです。
5、テロリズムの根本的・発展的根絶
え? 上から予測できるのは正反対の未来ですって? 何をおっしゃいます。
ここまで進めば集団的合意形成なんて利益誘導したって洗脳したってムリ。
私の愛する一人一派、究極の自閉的個人のみが闊歩する社会ができるのです。
犯罪や暴力は増えるでしょうねー、でもそういうのはテロではありませんですよ。
自らの生への欲と自己実現への渇望と自意識過剰が引き起こす根源的暴力。
資本主義とデモクラチアの先に見えているのは発展的崩壊でしょう。
おそらくはこれを意図的に行う連中が出てくるはずです。賢く高邁な理想に燃えるバカ。
個の尊厳というヤツが行き着く先はそこですよ。今のポピュリズムはその入り口。
ポピュリズムの結果起きている種々の悲劇が集団合意形成の愚かさを実証してる。
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ほぼすべての方が、人はそこまで愚かではないとお怒りになるでしょう。
私も人は愚かではないと思う。同時に知こそが全ての悲惨の根源だと思います。
人権とか博愛とか知的探求とか相互理解とか、これこそ神の仕掛けた罠だった。
権利というものはこの世のどこにもありません。博愛とは精神疾患の一種。
知を究めるのはトートロジーに過ぎない。相互理解は虚数の平方根みたいなもの。
全て一部の特権階級、社会階梯の上部にいる方々が与えてくださったエサです。
レムは自作の一冊で当の自著をこんな風に批評した。
「真顔でいうと良識派の総スカンをくらう思想を、冗談に紛らせ大声で叫ぶこと」。
建設的思想に背を向けた痴的バカのタワゴトですね。私もこの姿勢に倣います。