Nicotto Town



セリフと地の文の順序


次の二例、皆様にはどちらが自然・普通・読みやすいでしょうか。
ラノベの叙述に関して凄く引っかかることがあり、これが時代の変遷なのか、
軽い読み物のスタンダードなのか、疑問を持っているのです。

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【A】

「……ケ……結婚しよう由良さん! いや由良にゃん」

必死の形相で指輪を片手に迫るユースケ提督、しかし由良は視線を手元に落とし、清楚な佇まいに似合わぬ辛そうな表情で呟くように答えた。

「……提督……お気持ちは嬉しいのですが……私……別のところで騎士や社員や建設員や搭乗員の女性を片っ端から口説きまくる方とは……ちょっと……」


【B】


「……ケ……結婚しよう由良さん! いや由良にゃん」


「……提督……お気持ちは嬉しいのですが……私……別のところで騎士や社員や建設員や搭乗員の女性を片っ端から口説きまくる方とは……ちょっと……」


必死の形相で指輪を片手に迫るユースケ提督、しかし由良は視線を手元に落とし、清楚な佇まいに似合わぬ辛そうな表情で呟くように答えた。


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……バカな内容はさて措きまして、地の文の位置の違いが肝要です。
私は断然【A】派であり、【B】はちょっとしたアクセント、または特殊効果だと思っている。
動作→台詞が通常、台詞後の状況描写は補完ないしはイレギュラーという意識でしょう。

近年の軽いタイプの読み物では【B】の順番が多くなっている。
台詞の連続性を優先し、地の文は後回しとする表現が主流化している。
たとえば有川浩氏にもこの要素があり、ラノベではむしろ標準的になっている。

これは「状況設定→人間関係や対話」という「マクロ→ミクロ」型の認識から、
「ミクロ→マクロ」型認識への変化を物語っているのだろうか、と思っています。
けっこう私にとっては大事件なんですよ、大袈裟に言えば世界の変容。

ラノベも大手出版社が殆ど、必ず担当者がついています。
後書きを見ると担当者に何度も書き直しを命じられ苦労したという表現が必ずある。
そうした改定作業をくぐった結果なのだから、【B】は現代の標準なのだろう。

もう一つ、英語の影響も無視できないと思われる。
台詞のやり取りの後の状況説明を後でまとめることは翻訳小説にも多い。
英語に多い高知就職、いや違った、後置修飾の一環であろうか。

私の基本的コミュニケーション、文章表現も【A】が基礎になっています。
も、も、もしかすると、これって古臭い表現方法なのか? けっこうビクビク。
確かに明治以降の国文学を勉強したから、その傾向はあるだろうなー。

文字言語を用いるあらゆるコンテンツで、これに近い違和感を覚える。
この変化を論じたものを読んだ記憶がないので書いてみました。
むしろ「【B】が自然じゃん」という方々の意見を知りたいのです。

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2016/02/27 20:26
>道草小石さん

なるほど、ラジオドラマだとBの順番が多い気がしますね。
会話をテンポよく進めた後に情景をフォローしていくという点で、
映像的な要素を重視しているのかもしれませんね。
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2016/02/27 18:46
耳で聴くラジオ小説としては Bのほうが自然かも?
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2016/02/22 08:38
>ラムセス2世さん

ご意見ありがとうございます。私も文体が合わないと手を出さないほうです。
コミックやアニメ等、サブカルの影響かと思うのですが、小説の文体も非常に映像的になっている気がします。
地の文と会話が交互に現れるタイプに慣れている私は古い世代なのだろうと思います。

たとえば「ボケ」に対して即座に突っ込むような軽妙な会話の場合、
Bの形式をとることが多いのは分かりますが、これが4~5人の会話であることも多く、混乱を生むのです。
登場人物の話し方に工夫をして個性を際立たせる造形が多いのも、分かりやすくする工夫なのだと受け取っています。
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2016/02/21 23:21
あ、会話がスピーディに連続するような場合でしたら、
Bのほうが自然かもしれません。
表題のような本来間があるほうが自然であればAだと思うんですが。
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2016/02/21 23:18
んーむ、甘利意識しては読んでいませんでしたが・・・
どちらを自然に感じるか?といわれれば、
私も間違いなく、Aです。
有川さんの著作もそこそこ読みましたし、
ラノベやラノベという表現のなかった時代のラノベもいくらかは読んでいましたが
あまり違和感を感じたことはありませんでした。
とはいえ、私は入手前にかなり中身をチェックしてますので、
違和感を感じるもんは排除していたと思います。



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