Nicotto Town


きいてニコタリーナ


よろしくおあがり

おそ松さーん! 

つってな。もうそのOPじゃないけどな。

やあやあ私も流行りに乗って、どうやらめっきり松ガールになりましてよ。

ついったでも、十四松への愛とか六つ子への愛とか愛とか諸諸々を

呟こうとしてはぐっと飲み込んで、下書きに保存が溜まってゆくよ。

飲み込み切れなかった呟きもだらだら垂れ流しててもうほぼ松垢だよ。

なんて、私としてはただ、おんなじ顔が並んでるだけでかわいい

クズニートDTな六つ子を呑気に愛でていた訳だったのですが。

……こう、作品の楽しみ方って人それぞれじゃないですか。

さっきちょっと、仄暗い考察をいくつか見てしまいまして。ね。

あはーん世の中には何でも小難しく考えずにはいられない人もいるのね、

つって軽く流してしまえたら良かったのですけど、ね。

それがまた、私が心の隅で薄々考えてた懸念を刺激して、

不意に輪郭のはっきりした不安が溢れてきてしまった。

正直に言って、夕飯の買い物のスーパーでちょっと涙ぐんだ。

で、その不安を吐き出せばちょっとはすっきりするかなーなんて、

書きながら反芻してみたいと思って書き始めたんだけど。

案の定、余計な前置きが長くなりすぎた。始めます。まとまるかどうかは未定。



えーまず、おそ松さんの不穏な考察大好きクラスタの方々におかれましては、

六つ子の現状、彼らだけで閉じた世界(以下、六つ子モラトリアム)が

なによりもまず、長男であるおそ松兄さんの意図したものである、というのは

まあ共有されがちな前提であるとします。

人によっては、六つ子とはおそ松兄さんの絶対王政である、とまで言う。

正直なところ、私はおそ松兄さんが「全部意図して」やってるとは思ってない

(「小六メンタル」「テンションだけのガサツ人間」にそこまでできるとは思えない)

し、このモラトリアムに関しては六つ子全員が共犯者で鎖の輪だと思ってる。

ただまあ、確かに「要」がいるとしたらおそ松兄さんだろうなあとは同意する。

くん時代から変わらない、「兄」であること以外に個性を見つけられなかった六つ子。

で、この物語の形式だ。日常系ギャグアニメ。

日常系の物語というのは、増してギャグものは、概して変化を嫌う。

大怪我も次話には治り、爆発した家も復活し、人間関係はつかず離れず、恋は実らない。

まあマンネリを防ぐために新キャラくらいはたまに入ってくるだろうが、

彼らもまた、日常という物語にからめ取られてその一部と化す。

だから、おそ松さんを見始めた頃、私を含めだいたいの視聴者は、

こいつら最終話までずっとDTニートのまま馬鹿やってんだろうな、

と思っていたはずである。少なくとも私はそうだった。そういう安心感があった。

……でも、現状はそうなってないよね?

一部の、その、深読み大好きクラスタの方々は、そう言う。こっそり私もそう思ってる。

同じ顔突き合わせて雁首揃えて、堅固な輪だと思っていた六つ子たちは、

少しずつ、少しずつだけど、別々の方向を向き始めてる、気がする……。

トッティなんかは最初っから兄弟以外の居場所を望んでいたようだし、

(7話ではまだ早かったのか、引き戻されてしまうのだけれど)

例の9話では十四松が。これも日常に引き戻された、とされてはいるけれど、

あのあたりから彼は自分の世界を持つようになってきてる気がするんだ。株とか。

(地方民なのでまだ観てない)15話ではカラ松が何かあるらしいし、

次話の一松事変とか、大量の墓が建つ予感しかしない。

うん、いや、いいんだよ。

二十代のニートたちが馬鹿やりながら、それでも自立してく物語、

にするんだったらそれでもいいんだ。ほんのり行く末が心配ではあったし。

でも、兄弟が櫛の歯が抜けるように六つ子モラトリアムを脱していって、

同居してるとしても「まだ他に行くところないからここにいるだけ」になっていって、

……そしたら、おそらく最後に残るであろう、おそ松兄さんはどうなる?

兄という個性を失った彼は、空っぽになってしまいやしないか。

それでなくでも「いいお兄ちゃん」要素を抜いたらただのクズが、

本当に手のつけられないところまで堕ちてしまうと、したら。

ほら、うそ寒い予感しかしない!

六つ子モラトリアムの瓦解の原因が、独裁者おそ松兄さんの政治力の不足にある、

とまで言ってる人もいたけど、一応私はそこまでは思ってない。

元々が一時のはかない逃げだよ、モラトリアムなんて。

遅かれ早かれみんな自立するしかなかったんだよ。

(それをアニメ作中にやる必要があるのかは置いておいて)

(だって仮に四十過ぎまであのままだったらもうギャグとして笑ってられないじゃん……)

ただ、その最後をできれば、おそ松兄さんに選ばせてあげたかったなと。

おそ松兄さんにもどうにか自己確立をして欲しかったなと。

最後まで「いいお兄ちゃん」として、笑って弟たちを送り出せるように。



ってな訳で、待ってみんなまだ行かないで、

まだおそ松兄さんを一人にしないであげて、と

私は夕方のスーパーで安売りの野菜を探しながら涙ぐんだのでした。

ちなみにそれ以降、どんなラブソングを聴いても

おそ松兄さんから弟たちへの愛の歌にしか聞こえなくなっててそっちもどうなのか。

腐女子にありがちな「あらゆる曲を二次元に当てはめる」実績解除しちった。

うん、文字に起こすとなんかやばい人だな。でも書いたら落ち着いたー。

そも、私が推し松を他に持ちながら、おそ松兄さんにやたら肩入れしてしまうのは、

私も(割と駄目な方の)長女だからだろうか。

それとも、同じ顔して同じ遺伝子でそれぞれちょっと個性がある、って設定とか

何か失われゆくものを留めるための閉じた世界、とかいう世界観が大好物なせいか。

(後者の例としてはカゲロウデイズなど)

そういや、六つ子も中高時代はけっこう大変だったんじゃないか、みたいな

公式の発言がどっかであったらしいですね。

そうだよねー六つ子とか自己確立しようって時期にどうやったってぶち当たるよねー

アイデンティティ・クライシス的なやつに。

そう考えると、現在の六つ子モラトリアムというのは、

アイデンティティの危機に際し怒涛のように流れ去ってしまった

兄弟の蜜月を取り戻そうとするあがきでもあるのでは。

やばいそれもめっちゃ好きなやつ。

失われて初めて気づいた大事な時代を、改めて生き直そうとするやつ。

……あっやばいもう2500文字とか超えた。

気は済んだので終わりますね。聞いてくれてありがとうでした。




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