「わたしはこれで会社を興しました」
- カテゴリ:仕事
- 2016/01/05 10:20:18
「いつかは社長になって…」という思いから始まり、
「一念発起、起業します」とスタートを切る方も多いと思うのですが、
わたしが、会社を興した理由は、情けないほど簡単な理由です。
社会保険。
(脚注)
1-1.社会保険とは?
会社で働き始めた時に加入する「健康保険」「厚生年金」「介護保険」をまとめて社会保険といいます。
社会保険料は加入者ひとりひとりが直接どこかへ支払うというものではなく、毎月のお給料から保険料を会社と折半した金額を会社が預かり、会社がまとめて支払います。
理由はこれだけです。
自分の老後を考えたとき、先行き不明確な国民年金には頼れないし、
かと言って、今から履歴書を出して採用試験を受けるというのにも気後れしました。
じゃ、自分の会社をつくって、そこで加入するしかありません。
いやあ、ごめんなさい。
嘘も隠しもありません。
わたしが会社を興した理由、
「健康保険証」が欲しかったからです。それだけ。
ただ会社の原型になる賃貸不動産管理委業は、
「雑所得」に納まる範囲内で10年ほどやっていました。
それも、その収益が年間33万円に納まるように、
1年を通して得た利益は、その年度のうちに新規不動産投資の形で飛ばして、
むりやり雑所得に押し込んでいたのです。
押し込んでいた「雑所得」から晴れて本業に格上げし、
「弱小零細吹けば飛ぶよな将棋の駒・悪徳不動産株式会社」になりました。
今期で8期ですが「起業から5年で9割が倒産する」と言われている中、
自分で言うのも変ですが、なぜか借金もなくやってこれました。
昨年、今後の経営方針によせて初めて日本政策信用金庫の融資を受けましたが、
借りたお金は、当面使い道もないので貯金しました。
融資を受けて貯金するなんて、金利を考えるとバカみたいですが、
次に大きなプロジェクトを始めるときの枠を押さえる技法のひとつです。
だいたいが、借金無しで賃貸不動産業をやって来たのが不思議なくらいです。
根が恐がりなので、「借金」という二文字にはナーバスになります。
ほんとに恐がりの小心者なので、
資産価値が年々落ちる集合住宅への投資は、基本、行いません。
全部、土地付き一戸建てを買い上げて貸し出しします。
リフォーム・改築・修繕が簡単ですし、いざとなれば切り売りできます。
火事で燃えて無くなったとしても、土地だけは残りますから。
それぐらいの慎重派・超恐がりがわたしの本質です。
「石橋を叩き潰しても渡らない」というたぐいでしょう。
ですから、苦労して内部留保した1年分の利益をつぎ込んだ投資物件も、
おいそれとは一般賃貸物件にはあげることができず、
(だって、家賃滞納や夜逃げ、ゴミ屋敷問題もありますから)
ただひとえに、縁故知人を介して借家人を決めるという用心深さです。
うち「吹け飛び」は不動産賃貸業ですが、
家(物件)に投資をするのではなく人(借主様)に投資をします。
信用できる人を見つけたら、
その人にとってベストの物件を探してきて買い上げ、
格安家賃で長期間ご入居頂くというシステムです。
リフォーム部門・土建部門・売買契約部門・設備・塗装・引越しに至るまで、
すべて仲間の独立採算制ですから、
他の業者に頼むよりは、格安で仕事が進みます。
お客様はもちろんですが、共に働く仲間までみんな、
「人は石垣、人が宝」で持つ会社だと言えます。
わたしは「健康保険証」が欲しかっただけなんて・・・口が裂けても言えませんが、
おかしなことに、「健康保険証」が手に入っても、
それを使う機会は全然巡って来ないのです。
交通事故も暴行傷害事件も、ぜんぶ「保険適用外」なんですね。
うまく行ってるんだか,行ってないのか、
会社の経営だけは、うまく行っています。
おあとがよろしいようで。
株式会社なので、「代表取り締まられ役社長」です。
鈴ちゃんは「なにも専務」です。
1年365日24時間勤務という超ブラック企業です。
春闘もありませんし、労働組合にも入れてもらえません。
わたしたちの給料を、創業当時から据え置いているのは、
当「吹け飛び株式会社」の影のフィクサー税理士の大先生です。
大先生の座右の銘は「生かさず、殺さず」だって。
社長さんなんですね、すごいです(@@。
月給6万円でも!!
(ごめんなさい、下のコメント見ちゃいました ^^;)
え~???
なにがー?
月給6万円だよ~。
「わたしはこれで会社を辞めました」の逆バージョンです。
わたしは、ただの恐がりで、意地っ張りなんです。
だから、会社を大きくする才覚はないと思います。
ただ、ゴハン食べていくので精いっぱいな現状ですが、
借家人さまのお家賃で、楽させていただいていますから、
その分「海洋レジャークラブ」やNPO学術団体で、恩返しをしているつもりです。
まだまだ、一人前には程遠い「代表取り締まられ役」なんです。
ただ、長生きをしなければ元は取れませんので
長生きしてくださいね!(笑)
「人は石垣、人は城 情けは味方(人の為ならず) 仇(あだ)は敵」
武田信玄の和歌ですが(一部私が改編)
はなこさんの企業理念は通じるものがあります
追記:
タイトルですが、
小指を立てて
「私はコレで会社を辞めました」
という懐かしいCMを思い出しました(笑)
国民年金で支払う額も、厚生年金で支払う額も、ほとんど同じと言われました。
それだったら、厚生年金を取ろう!と思ったの。
法人にしておくと、経費もいろいろ申告できるのでね、
節税になる仕組みなんです。
オトナの事情ってやつでしょうか。
おっ、かめさんとこもご同業でしたか。
不動産賃貸業は、とにかく借家人次第で大きく変わりますから…。
う~ん、アパートもたいへんでしょう?
うち「吹け飛び」は唯一マンションを区分所有しているのが1件だけありますが、
どれでも、そこが一番利益率が悪いですねえ。
できれば売りとばしたい・・・。
また、そういう話はいずれ・・・楽しみにしております。
ワタクシ、コレが無かったら野垂れ死にですもの…<遠い目
厚生年金…憧れですわー
そういう起業のあり方というのもすごいですねー。
普通は思いつきませんよ。わが家は、とにかく起業しないと
だめだろうという、かなり大雑把な見通しでの会社立ち上げです。
はなこさんの避けるアパートを所有してからホントいろんなことがありました(笑)
またそういう話はいずれ・・・
そもそも「なぜ社会保険が欲しかったのか」というところでは、
ここには書ききれない、聞くも涙語るも涙の物語が隠れています。
前夫は、どういう訳か離婚しても住民票を移さなかったので、
離婚してすぐに
浮気相手の名前で「第3号被保険者の通知」が、わたしの家に届きました。
このときの絶望感というか敗北感は・・・
今でも、目頭が熱くなるものがあります。
ね。
浮気相手に追い出された「元嫁」が、国民保険に追いやられるって感じがするでしょ。
「スーパーで、パートで働きゃあ食ってけるぞ」って言われてるみたいでしょ。
「捨てられた女の後家のツッパリ」ですよ~。
自分の会社をつくって加入するしかない、の思いをカタチにできる力も、
信用できる人に、格安で、ベストな物件を長期間貸す、というシステムも、
「人は石垣、ひとが宝」を一方的に空論ぶっこいているのでなく、大勢のひとが集うことが論より証拠な人格も、
眩しくてクラクラします。
今年も、いやいや、今後もますます勢いよく前進!ですね。