チャックベリーやリンゴスターはなぜ凄いのか。
- カテゴリ:音楽
- 2015/09/06 09:34:04
マニア向け、楽器演奏に関わる私見を、頼まれてないけど披露したい。
表題の偉人2人、爺世代には大きな影響を与えた『ミュージシャン』です。
いやいや、ロックンロールの開祖だから、ビートルズだから凄いわけではありません。
チャックベリーのリズムというのは、モノスゴーク深い。マネできない。
ビート、グルーブなんて陳腐な表現では表せない。ほとんど能楽の域だと思う。
そう考えるのは私だけではない。多くの著名ミュージシャンが脱帽している。
たとえばです。ジョニーBグッドのイントロ、弾けます? メイベリンのリズム切れます?
カントリー、スキッフル、4ビート、ブルース、当時の最先端音楽の全部入り。
ライブなんてもう、カオスです。メンバーの誰一人理解できず途方に暮れる。
デスメタル、変拍子プログレ、スパニッシュやボサノバ程度なら何とか出来る。
チャックベリーはできません。あれは『チャックベリーミュージック』ですから。
こういう在り方の人こそ『ミュージシャン』と呼ばれて然るべきです。
さてリンゴスター。この人のドラムもワケ分からない壮絶さ。
たとえば『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』の1メロバックのフィル。おまえはティンパニ奏者か。
左利きゆえかは不明だが、この人のフィルはどれもこれもドラマチックである。
バンドマンに知られた話として、初期の『ハニー・ドント』というナンバーを挙げよう。
ソロになってからもライブで演ってます、歌いながら。映像をみんなで見た。
……全ドラマーが頭を抱えた。なぜ8で叩いているのにシャッフルに聴こえるのか?
スタジオで演ってみた。地元やハコで名を知られた凄腕ばかり。みな諦めた。
いや、似たレベルには持ってきますよ彼ら。問題はですねー。
精神の在り様みたいな部分の醸し出す微妙かつ決定的違いが分かってしまうのです。
表拍でバスドラとクローズハット、裏拍でスネア一発なんてのを演ると分かる。
ミュージシャンの姿勢で4ビートにもブルースにも16にも、如何様にも変化する。
リンゴは何も考えず、ただ体がそうなっていて音で表す。
デジタル的なビート/リズム解析と商品化は非常に進化した。
でもでもでも。生身の人間の出す、たった一発にはスゲーもんがあります。
生命の脈動、存在証明、不断の今の連鎖。それが音楽。だから飽きないのです。
コンバンハ。拝見しました。ディジョネット、ウェックル以降の王道テクニカルスタイルですな。
とにかく若い方々の技術たるや、物凄いレベルですね。
私の好きなドラマーも数名挙げておきましょう。どの方もいわゆる技術屋では……ないですが。
国内の小さなハコで生で見たジャズ屋だと、森山威男、宮坂高史、日野元彦。
ロック屋ならジョニー吉長、富岡義弘あたりです。
おそらくご紹介くださった若人より『拙い』かもしれませぬ。でも私には皆、大切な『今』を下さった偉人達。
未来の名ドラマーです。 現在高校2年生。
この子がどうゆう未来を歩むのか見届けたい気持ちがあります♪
山近拓音 / 上原ひろみ Desire 叩いてみた
https://www.youtube.com/watch?v=KSkn5Ixi6-k&feature=player_detailpage