外国語を覚えようとしない奴に限って。
- カテゴリ:アルバイト
- 2015/09/04 03:12:31
フロントで働くようになって気付いたことがある。
傾向として、外国語を覚えようとしない奴に限って要求が多い。
世界は自分を中心に回っていると考えてるような人間だから、当然相手が自分の言葉を話すのが当然だと考えているのだろう、英語ひとつまともにしゃべれない奴に限って無理難題を当然の権利のように押し付けて来るのだ。
今日もそんなおばちゃんがやって来た。
明日からシングルルームで六白連泊予定のおばちゃんなのだが、娘なのか姪っ子とかなのかは知らないが、一応通訳を連れて来たものの、要求は
「バルコニーのある部屋と交換してくれ」
無茶を言うな!
基本的にホテルってのはダブルルームを想定しているものである。旅行とはふたりでしっぽり現実から離れた場所でするもので、そんなふたりのために優先的に快適な宿を提供するのがホテルの本来のあり方であって、シングル客にわざわざそんなハイクラスな部屋を用意しているホテルなんて、それこそ一流ホテルだとか大きなチェーンでもない限り普通はあり得ない。
ウチみたいな最下層、とまでは言わないがチープクラスのホテルでそんな立派な部屋、シングル用に割り当てるはずがないだろう。
しかもこの週末はお城の花火が上がる、街を挙げてのイベントだ。ほとんどの部屋は既に塞がっていて、当然そう言う「カップル用のロマンチックな」部屋が空いているはずもない。
他の客を移動させれば何とかならないこともないかも知れないが、そうなるとその客の宿泊料金まで変わって来かねない状況なので一応探すフリだけして
「申し訳ありませんがバルコニーのあるお部屋はダブルルームとなっておりますので、現在ご予約のお部屋より少々割高になります」
当然の話である。普通のやっすいシングルルームを予約していたのだ、バルコニー付きのダブルルームに変えろなんて、割増料金がかかるのも当たり前の話。
ところがだ。
「私は六泊もするのよ! なのに追加料金を取ろうって言うの?!」
当たり前だろ。部屋をグレードアップしたいなら割増料金を取られるのは当然の話だ。そもそもうちのホテルでは二週間目以降からしか割引は行っていない。たかが一週間の宿泊で何えらそーにほざいてやがる。
「私の権限ではお客様に割引料金をご提供することはできませんし、ご覧の通り他のお客様のお部屋も移動しません限りハイシーズンの今、このような長期間のお部屋の移動は簡単には出来かねるんです」
「私は六泊もするのよ!」
だからそれは関係ないっつの。VIP待遇して欲しかったらもっと一流のホテルへ行け。
しかし、あっちは譲らないしこっちもどーにもならないのが現実である。
もうめんどくさいので
「兎も角、私の権限ではどうにもなりませんので明日の午前中、早めにチェックインにお出で頂ければ上の者が良い解決策をご提供できるかもしれません」
と言って追い払ったが――名前を見ても読み方の見当さえ付かないような特殊なスペルだし、ラテン系っぽい響きだったが聞き慣れない言葉だった。少なくともイタリア語やスペイン語ではない、ポルトガル語とも思えなかったが…そんな特殊な言葉しか話せない、白人のくせに英語もまともに話せないような奴に限って要求だけは強引なんだよな。
そんなに優遇して欲しいなら、少しは相応のお金をこさえて何も言わなくても女王様扱いして貰える一流のホテルに行け。
こんな安宿に泊まるようなレベルの人間にそんなありえない現実、あるわけがないだろ。