無題 2
- カテゴリ:自作小説
- 2015/08/16 23:27:57
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=1016286&aid=60104249
↑の続きですにゃ
◇◆◇◆◇◆
ハートレスの中には倒すと塵になりながら自分より更に強い仲間を呼び寄せてから消える種族がある。より強いハートレスを倒せばドロップアイテムはより高級品になってゆくが、倒し方を間違えると次に来るヤツは一気にレベルが20も跳ね上がってしまうので慎重にならなければいけない。
ゆっくりと、少しずつレベルを上げさせて倒してゆかないと、あっという間にレベル上限に達してしまいアイテムの数も質も落ちてしまう。
…… なのだが ……
「やってしまいましたぁ ……」
最悪の事態を招いてしまった。
青年と行動を共にするようになってから少年も強いハートレスを散々みてきたけれど、今目の前に現れたヤツのステイタスは「凶悪」という単語そのものだ。
スルーした方がいい。自分ひとりならともかく、少年には荷が重すぎる。青年は瞬時に判断したが、時既に遅く、少年のブレードが条件反射のように振り下ろされてしまった。
バトルスタート。長い戦いが幕を開けた。
力が及ばない。少年のアイテムからポーションが消える。
まだ拙い彼を庇いながら戦う青年の剣筋に乱れが生じる。それでも
「大丈夫。あと一息堪えればいけるからね」
いつものように微笑む青年の頬を、ハートレスの爪が掠って鮮血が迸る。
どう見ても圧倒的に不利なのだ。少年の眉間に皺が寄った。
…… 何とかしろ、何とかしろ俺。彼一人に荷を背負わせるな ……
その瞬間、少年の脳裏に閃光が走った。
戦闘の強制終了。
戦士が大ダメージを受けて戦闘不能になれば、ハートレスは戦いを止めて去ってゆく。
「俺が前に出れば!」
これ以上、彼の傷を増やすのは嫌だ。
彼が倒れる姿を見るのは嫌だ。
いつも教わるはけりで、助けられるばかりで。
自分に出来る事は「あなたのおかげで強くなりました」と、感謝する事だけなのか?
否。
あの時のように。初めて彼が現れた、あの瞬間のように。たとえ彼のように一撃のもとにこのハートレスを倒す力は無くとも、この現状を打破するたったひとつの手段がある。
思いついたと同時に、少年の足が砂を蹴った。
空を舞う少年の影を砂の上に見て、青年の微笑みが消えた。
「だめだ!」
少年の思いつきを瞬時に悟って青年も砂を蹴り上げた。
ハートレスを囲むように砂塵が舞う。
少年が強くなってきたとはいえ、身体能力はまだまだ青年に指すら届かない。
空を舞う砂に赤い飛沫が混ざる。着地と同時に少年は、鉄の味のする雨をあびて目を見開いた。その目の端に戦う相手を見失って立ち去ってゆく凶悪なヤツの背中が映ったが、そんなものはもうどうでも良かった。
「嘘だろ?」
砂漠に赤い、花が咲く。
「ポーション……ポーション!」
アイテムを何度繰り返し探しても存在しない名前を叫ぶ声を聞いて、冷たくなり始めた指先がぴくりと動いた。
「慌てないでいいから……自分のが……ある……」
ぱぁっと馴染みのある液体が浮かび、青年の体に染み込むと、また、あの微笑みが戻ってきた。
「キミが無事で良かった」
途端、少年の顔が赤く燃えた。全身の血液が顔から上に集まってきて、頭の中が燃え溶けそうだ。
「良くない!」
倒れたままの青年に覆い被さり、血まみれのシャツに顔を埋めた。
「良くなんかない! ちっとも良くない!」
声が掠れてしまうのは、先ほどまでの激闘のせいだろうか、溢れて止まらない涙のせいだろうか。
「あなただけに戦わせて、あなただけに傷を負わせて!
「キミも頑張ったよ。ポーション使い切るまで頑張ったね。偉かったね」
「偉くなんかない! 強くなってあなたの力になれると思っていたけど、全然強くなんかなってない。思い上がってあなたにこんな危険を冒させてしまった」
「大丈夫、僕は大丈夫だから」
青年の掌が少年の髪を撫でる。
「それより、汚れてしまうよ。血は落ちにくいから……」
さりげなく気遣ったつもりだったが、少年にそれは伝わらなかった。
「構わない」
汚れても。
「あなたの血だ……」
自分の無謀な攻撃開始のせいで、切り裂かれた。汚れるどころかむしろ尊く聖い。
錆臭い生温かな胸の中で、少年は祈りにも似た決意を唱える。
「僕は、強くなる。もっと強くなる!」
今の自分のままでは彼の隣に立つ事がどんなに分不相応な事か、思い知った。
少年は顔を上げて、清く汚れた顔を青年の顔の真上に重ねた。
「今度は僕があなたを助ける。もっともっと強くなって……今度こそ……」
倒されてハートレスに去ってもらう、そんな後ろ向きな方法なんか使わないで。
ぽたぽたと少年の目から溢れる涙か落ちて、そのまま青年の唇を濡らした。
分不相応だ。
それでも僕は、あなたの隣に居続けたい。
その願いを叶えるために、もっと強く。もっと、もっと。
「それは楽しみですね」
少年の目尻を指先で拭いながら青年が微笑んだ。
「帰りましょうか。皆そろそろ帰っている頃ですよ」
青年が体をゆっくりと起こすと、本当に唇が触れあってしまいそうで、慌てて少年は彼の上から飛び退いた。
砂漠に赤く燃える夕陽が広がる。
蒸気するように血が上りきった自分の顔も、今きっとこんな色なのだろう。少年は思ったが、それでも恥ずかしいとは思わなかった。
自分は強くなるのだ。胸の中に滾る思いを走らせて、砂丘を駆け上がる。
振り返ると青年もゆっくりと立ち上がり歩き始めていた。その顔はやはり、微笑んでいる。自分を見つめながら。それが少年には嬉しかった。
「強くなります! そして絶対に、今度は僕があなたを助けてみせる!」
ずっとずっと、これからもずっと、あなたの隣に立ち続ける為にも。
◇◆◇ 了 ◇◆◇
うんうん、続きは思う存分、自由に妄想してくだされ!
いやぁ、師弟っぽい関係が弟子?の成長にしたがって……
いいですな!
読んでくださってありがとうございました~^^
あとは、好きに妄想するがいいさ!!!
・・・でつか????
そりゃ~~しますですよ!!!!!←え?
読んでくださってありがとうございました~^^
でもこの先はたぶん続きません…
多分…です(・∀・)
私もミッションで助かってるので
ヘルプはお互い様なのです^^
これです!ww
読んでくださってありがとうございました~^^
読んでくださってありがとうございます^^
どうぞお好きに、ご自分の好みで想像してくださいww
個人的には、少年を成長させていろいろとイケナイ事をさせてみたいです(マテ)
そんなの書いたらニコでUPできませんね(^^;)
読んでくださってありがとうございます^^
キングダムハーツ、ちょっと前にニコタとタイアップ企画のあったあのゲームですよ~
遊んでたらこんな妄想ができあがってしまったのでちょっと書いてみましたww
二人の距離は……縮むといいですよね!
読んでくださってありがとうございます^^
久々のお話がちょっと腐傾向ですみません…(^^;)
死なせちゃったら今後の楽しい妄想ができなくなってしまうので、
それだけはしません!ww
ポーションあってよかったー♪
楽しいお話をありがとうございます。
猪突猛進型少年、勝手に赤毛。
すてきなお兄さん先輩、勝手に蒼髪。
で場面を想像してしまいました。
少年がもっと成長したら、味のある最強コンビになりそうですね^^
キングダムハーツはよく知らないんですが、こういう展開は大好物です!
この後さらに距離が縮んでいくのね~ワクワク( *´艸`)
思わず、ものすごくべたな展開を、読んでて勝手に想像してしまいました。
少年にポーションあげて青年は死んじゃってるという・・違う展開で良かった!
涙腺がゆるむかと思ったけど、二人とも無事だったので大丈夫でした^^;
読んでくださってありがとうございました~><
イイ感じの展開がなくて申し訳ない…(笑)
読んでくださってありがとうございます!
キングダムハーツキーの二次創作ですが…
っていうか、久々にUPしたものがこんな感じでスミマセン(^_^;)
グッジョブでございますわぁ~♪
でも最後はロマンスに
こうでなくては^^