Nicotto Town



要求の強いオランダ人。

シングルルームに泊まりたいとの要望だったので、リフォームしたばかりのきれいな部屋を二部屋見せたものの、

客 「ベッドが小さすぎる、大きいベッドはないのか」
私 「ダブルベッドのお部屋でしたらご用意できますが、空室の状況に依りましてはお値段の方が少々割高になるかもしれません」
 で、調べてみたら都合のいいことにダブルルームのシングルユースで同じ値段の部屋がひとつだけ空いていたのでその部屋を提案してみたところ、本人も納得、うまく決まった。

  が。

 いきなり受付にやって来て
客 「鍵が抜けない、壊れてるんじゃないの?」
 仕方がないので部屋まで行ってみたら、鍵を抜く方向を間違ってるだけで何の問題もないとか…このくそ忙しいのに、あああああ…。

 夜、またしても汗だくの彼女が受け付けにやって来たので一体どうしたのかと思ったら、
客 「別の部屋はないの?」
私 「何かご不満でも?」
 何時間もその部屋で過ごしといて、今更取り替えろったってそんな訳に行く訳ないだろ。
客 「あの部屋、クーラーないんだもの。逆側の部屋にして頂戴」
私 「お客様のお部屋の方が涼しいんですよ。反対側は西日で本日のような日はさらに暑くなっていますし、ドイツではこのような古いホテルにクーラーはございません」

 って言うか。

 部屋紹介した時かなり涼しかったよな、あの部屋…まさかとは思うが窓開けたのか、彼女?

 ドイツの建物は防寒性を重視した結果壁がものすごく厚い。そのため、暑いはむしろ窓を閉め切り、カーテンも雨戸も締め切って朝から夜、涼しくなるまで冷たい空気を逃がさないようにするのが鉄則だ。
 なのにまさかこのオランダ人、その鉄則を破って窓を開けたのか? せっかく朝から涼しい空気を貯め込んでおいたあの部屋に、まさか自分で外の38℃の外気を入れまくったのか?
 …やっと納得した、それであんなに汗だくになっていたのだ、彼女は…。
 同じ側に窓のある受付で過ごした私が汗ひとつ掻いていないのは、私の体質だけでなく窓を閉め切っていたと言う当然の行為によるものだが、窓を開けたらそれは熱いに決まっている、今年の熱波は異常なのだ。

客 「暑くて堪らないからちょっと涼みにどっか行って来るわ」

 …自業自得で部屋を暑くしたくせに、何なんだ、その言い方は…(ぐったり)。

 ちなみに、
客 「WiFiが繋がらないんだけど」
私 「私のものは繋がっているので繋がるはずですが…」
客 「じゃあ私のが壊れてるのかしらね?」

 …そんなとこまで知るか。




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