ピッチこそが個性であり音楽である
- カテゴリ:音楽
- 2015/07/26 09:41:29
安価で高性能のギター用チューナーが巷に溢れ、狂わないトレモロユニット花盛り。
バジーフェイトンシステム、サークルフレッティング、扇形フレット……
ギター界における正確で濁りのないピッチ(音程)への探求と商品展開は誠に充実。
先日購入したロングヴァイブローラをSGにくっつけました。カッコイイ!
板バネ式トレモロは音程が安定しないのが常、だがソコがイイ。
楽器屋の試奏でも断固としてチューナー使わず調子外れを貫く私見を以下展開します。
まず、純正律と平均律の話になりますよね。純正律的響きをギターにも求めるとシンドイ。
五度を『五度』として気持ちよく聴ける状況は、曲調や体調で常に変化する。
Cで気持ちよく響かせるチューニングすれば、Dの曲やるとメロメロ、とかね。
オクターブに関しても私はヘンである。下はフラット気味、上はシャープ気味。
特に上、曲調によるが、チューナーより若干上でないと自分が気持ち良くない。
下をフラットにするのはピッキングが強くてシャープするのを微調整するため。
エセ技術的な話に移る。左手のベンドで微調整するのが癖になっている。
和音押さえたまま左手でビブラートかけるのは日常茶飯事、単音は指圧で調整。
さらにネックベンドも使い、フラットして気持ち悪いとネックを引っ張る大邪道。
一音チョーキングでどこで止めホールドし、どのくらい揺らすかってのは一大テーマ。
ポール・コゾフ大好きな私は、5度に関してはかなりフラット気味、単3度はシャープ。
コゾフのせいではない。私の脳内コゾフにはこうしたイメージが定着してるのです。
昨日ジャッキーマクリーンを聴いた。いやー笑っちゃう。だがこれこそが音楽。
基本フラット気味の楽器で気合が入るといきなりどシャープする。真の達人だ。
管楽器への憧れの一つは、肉声に近い訛なのです。これをギターでやらねば。
ある和音、雰囲気に関してどんな一音を提示したいか。ピッチは大きな要素。
音色とダイナミクスを加味すれば、一瞬一瞬が唯一無二。
こんな風に考えておりまして、ピッチとは個性だろうと考えて今に至る。
初エレキがストラトで、最初の数年は如何に狂いを少なくするか苦心しました。
ナット油漬け、各部に鉛筆粉、ユニット組み直し、スプリング減らし、フロート量調整。
でもトレモロユニットって、個性的な音質と微妙なピッチが魅力なんだと気づいた。
ジャガー等のフローティングトレモロ系でないと出せない音がある。
ムスタングのダイナミックビブラートは絶対ストックのまま使うべきである。
上げたら下げる、下げたら上げて耳で合わせ、バランス取り戻すのを待つ。
それでも狂うし、予期せぬドロップやアッパー喰らうこともある。でもOK。
音楽なんぞ、たかが音楽であり、これが俺なのだ、と開き直る。
かくして私は本日も、アームによるポルタメントの修業に励むのです。楽しいのです。