Nicotto Town



ピッチこそが個性であり音楽である


安価で高性能のギター用チューナーが巷に溢れ、狂わないトレモロユニット花盛り。
バジーフェイトンシステム、サークルフレッティング、扇形フレット……
ギター界における正確で濁りのないピッチ(音程)への探求と商品展開は誠に充実。

先日購入したロングヴァイブローラをSGにくっつけました。カッコイイ!
板バネ式トレモロは音程が安定しないのが常、だがソコがイイ。
楽器屋の試奏でも断固としてチューナー使わず調子外れを貫く私見を以下展開します。

まず、純正律と平均律の話になりますよね。純正律的響きをギターにも求めるとシンドイ。
五度を『五度』として気持ちよく聴ける状況は、曲調や体調で常に変化する。
Cで気持ちよく響かせるチューニングすれば、Dの曲やるとメロメロ、とかね。

オクターブに関しても私はヘンである。下はフラット気味、上はシャープ気味。
特に上、曲調によるが、チューナーより若干上でないと自分が気持ち良くない。
下をフラットにするのはピッキングが強くてシャープするのを微調整するため。

エセ技術的な話に移る。左手のベンドで微調整するのが癖になっている。
和音押さえたまま左手でビブラートかけるのは日常茶飯事、単音は指圧で調整。
さらにネックベンドも使い、フラットして気持ち悪いとネックを引っ張る大邪道。

一音チョーキングでどこで止めホールドし、どのくらい揺らすかってのは一大テーマ。
ポール・コゾフ大好きな私は、5度に関してはかなりフラット気味、単3度はシャープ。
コゾフのせいではない。私の脳内コゾフにはこうしたイメージが定着してるのです。

昨日ジャッキーマクリーンを聴いた。いやー笑っちゃう。だがこれこそが音楽。
基本フラット気味の楽器で気合が入るといきなりどシャープする。真の達人だ。
管楽器への憧れの一つは、肉声に近い訛なのです。これをギターでやらねば。

ある和音、雰囲気に関してどんな一音を提示したいか。ピッチは大きな要素。
音色とダイナミクスを加味すれば、一瞬一瞬が唯一無二。
こんな風に考えておりまして、ピッチとは個性だろうと考えて今に至る。

初エレキがストラトで、最初の数年は如何に狂いを少なくするか苦心しました。
ナット油漬け、各部に鉛筆粉、ユニット組み直し、スプリング減らし、フロート量調整。
でもトレモロユニットって、個性的な音質と微妙なピッチが魅力なんだと気づいた。

ジャガー等のフローティングトレモロ系でないと出せない音がある。
ムスタングのダイナミックビブラートは絶対ストックのまま使うべきである。
上げたら下げる、下げたら上げて耳で合わせ、バランス取り戻すのを待つ。

それでも狂うし、予期せぬドロップやアッパー喰らうこともある。でもOK。
音楽なんぞ、たかが音楽であり、これが俺なのだ、と開き直る。
かくして私は本日も、アームによるポルタメントの修業に励むのです。楽しいのです。




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